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怪物  作者: 水野 すい
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23/100

何が好き?

【今度2人でデートしない?♡】


羽住綾花からのメッセージを見て、夏輝は小さく溜息をついた。

【もちろん!時間が合えば!】と返し、夏輝は机にスマホを置いた。


すると「へえ、相原君って黄色好きなの?」と声を掛けられた。

夏輝がビクッとして前を向くと、前の席に羽住綾花がいた。

綾花は夏輝の机の上に置いてあるiPhoneの黄色を指差して微笑んでいた。


「えっ、ああ、まあ、うん」


夏輝が苦笑すると、綾花は「偶然!私も黄色好き!」と言って「えっとー...」と呟き、ポケットからレモン味の飴を出した。


「あ....そうなんだ。えっと、何か用?」


「もうーっ、相原君冷たーい。ねね、デートなんだけど、今日の放課後はどうかなっ!」と綾花。


「あー...ごめん。テスト近いから勉強しないと。テスト終わったらね」


「えーっ1日くらい良くない?ちょっとでいいからっ!お願いお願いっ!」


綾花はそう言いながら夏輝の腕を掴んだ。

夏輝は「ああー...」と苦笑しながらそっと腕を抜いた。




「やったー♡相原くんと初デート♡」


放課後、夏輝は結局綾花のしつこさに根負けしてカフェに行くことに。


「ねえねえ相原くんってめーっちゃ頭良いよね?いつも勉強してるの?」


ご機嫌な綾花に、夏輝は苦笑した。


「んーまあ、暇な時は勉強してるかなあ」と夏輝。


「えっすっごーい!将来のこととか何か考えてるの?なりたい職業とか!」


「...ないよー?とりあえず大学に行きたいだけ。できるだけ学費安くしたいから勉強してるだけだよ」


夏輝の表情を見て、綾花は一瞬不思議そうにしてからすぐに笑った。


「すっご!めちゃくちゃ真面目じゃん!そういうとこかっこいいよね〜!私バカだから全然勉強できなくて羨ましいよ」


「羽住さんは大学行かないの?」


「うーん、とりあえず行きたいとは思ってるけど〜〜まだ1年だし!全然何も考えてないや」


「そうなんだ。まあ人それぞれだしね。ゆっくり決めた方がいいと思うし...ってかごめん、俺めっちゃつまんない話してるね、はは」


夏輝がそう言うと、綾花は「うっそ!全然つまんなくないしそんな謙虚な面もあるの!?かっこよ過ぎない!?」と夏輝を見た。


「えっ...あ、ありがと」


夏輝は顔を引きつらせて苦笑した。


「っていうか勉強してできるだけ安く大学行きたいとか、すっごい親孝行じゃない?素敵♡」


綾花に言われ、夏輝は「...ああ、まあ、そうなのかな」と苦笑した。


「仲良しなんだね〜〜パパとママ!」


綾花はそう言って微笑んだ。


「まあ、そうだね。仲は良いと思うよ」


夏輝はそう言い、綾花は「....あ、ねえ!お腹空いたよねっ!相原くんの好きな物食べに行こうよっ!相原くんって何好きー??」と夏輝の腕を掴んだ。


夏輝は苦笑しながら腕をすっと抜き、微笑んで言った。


「....カレーかな」




「じゃあまたね!今日はありがとう!あと、送ってくれてありがとうっ!楽しかった!」


綾花の家の前まで綾花を送り、綾花は笑顔で夏輝を見上げた。


「うん、こちらこそありがと。じゃあおやすみ」


夏輝はそう言って微笑むと、振り返って歩き出した。

綾花は「あ、まってまって!」と言って夏輝の手を掴んだ。

夏輝は咄嗟に勢いよく手を振り解いた。


綾花は「えっ...」と驚いた顔をすると、夏輝はハッとしたように「あ...ごめんね」と綾花を見た。


「あ、ううん!私の方こそ、急に触っちゃってごめんねっ!はは、じゃあおやすみ!」


綾花はそう言うと夏輝に手を振り、家の中へと走って行った。

夏輝は綾花に握られた手を見つめ、目を瞑った。



すると、「高校生ともなると女の子とデートもするかあ」と声が聞こえた。

夏輝は振り返り、驚いた表情を浮かべた。


「...塚本さん」


夏輝の視線の先には、塚本が手を挙げていた。


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