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異世界召喚〜能力編

(今日は街中探索の日だ)

この世界のお金は魔王討伐の為の資金として王様に貰っていた。

この世界の町はまだ見て回っていない。この城に来る途中に立ち寄っただけであった。

(誰か案内してくれないかなぁ、シーナとかお姫様だし無理だよなぁ)

見知らぬ町の一人歩きは少し心細かった。

「よし、考えてても仕方ない行こう」

これから先一人で行動することもあるだろうしその練習だと自分に言い聞かせた。

服を着替えて街に行く途中、城の門番らしき兵士とすれ違った。

「少し町を見てきます」

「行ってらっしゃいませ」

門番に挨拶を済ませ町へ向かった。

(まずは武器屋だな)

俺はまず格好から入るタイプだった。

スポーツにしても道具を揃えたら満足してしまい長続きしなかった俺だがこの世界で命がかかっている以上後悔しないように装備は自分で決めたかった。

(確かこの通りに武器屋があったはず)

城に向かう途中に武器屋らしき看板を見かけたので通った道を思い出しながらそれらしきお店を探した。

(あれ?シーナじゃないかな?)

小さな女の子と一緒に話をしているシーナらしき女の子を見つけた。

「もしかしてシーナ?」

俺は人違いを覚悟で声をかけてみた。

「あっカズキいた〜」

間違いない、シーナだった。

まさかこんな所でお姫様と出会えるとは思ってもみなかった。

「カズキが町に散歩に出かけたって聞いて探してたんだよ〜」

「この世界のことまだよく知らないでしょ?案内してあげようと思って」

(シーナ君はなんて良い子なんだ・・・)

俺は素直に感動した。

小さな女の子と別れシーナが話しかけてきた

「行ってみたい所はある?」

俺は当初の目的にしていた武器屋のことを話した。

「あーそこならもう少し行ったら見えてくるよ」

シーナに案内されながら武器屋にたどり着いた。

「いらっしゃーい」

店番らしき女の子が元気よく声をかけてきた。

「剣を探してるんだけど?」

武器のことはよく知らない俺は何かお勧めしてくれればと淡い期待を願い聞いてみた。

「お客さん重剣士じゃないよねー、片手剣のこれなんてどお?」

お勧めされた剣は見惚れてしまうほどの装飾が施された剣だった。

「装飾よりも実用性重視で何かお勧めないかなー?」

(多分姫様の関係者として見られてるんだろうなぁ)

気を遣ってくれたのだろうと思いながら再度店員に聞いてみた。

「すみませんお客様にお似合いと思いお出ししましたが、でしたらこのロングソードなんてどうでしょうか?」

次に出された剣は王国でも支給されているようなよく見る剣だった。

「もう少し特徴があるような剣はあるかな?」

自分で実用的と聞いておきながら変わった剣を求めてごめんなさいと反省した。しかしここは譲れない。

「ではこの辺りで何かお気にめされる品があるといいのですが」

店員が紹介してくれた所に置かれた剣は独特な剣ばかりだった。

我儘に付き合ってくれてありがとう、と思いながら剣を物色し始めた。

棚に並べられた剣はどれも綺麗だった。そんな中で1つ気になる剣がそこにあった。

「この剣だけ刃が黒いのは何かあるのかな?」

他の剣とは違い刀身が黒く、装飾もそこまで派手ない剣が気になり店員に声をかけた。

「黒刀といって普通の剣より硬い素材で出来ていて丈夫らしいです。私も詳しい説明までは出来なくてすみません」

この店員はバイトかなにかでよく知らないのだろう、だけど耐久性があるのと特徴的なことが気に入った。

「カズキ決まった?」

シーナが話しかけてきた。

「あぁこの剣にしようと思って」

そう言ってシーナに剣を指差して見せた。

「えっ黒刀にするの?」

シーナは何か知っているようだった。

「黒刀って何かあるの?」

俺は恐る恐る聞いてみた。

「ん〜私も聞いた話だけど確かに丈夫な素材で出来ているらしいんだけど・・・常に魔力を吸うらしいの」

(魔力?いわゆるMPってやつかな?っていうか俺MPどれだけなのかな・・・)

「後は扱える職人が少なくてあんまり人気ないかな〜ハハハっ」

俺の選択がミスチョイスなことがわかった。

「んーでも惹かれるものもあるんだよねー」

「カズキが気に入ったなら良いと思うよ」

シーナの一言が決め手となった。

「この剣下さい」

自分の愛刀を手に入れた瞬間であった。

「まいどありー」

店員がベルトをサービスしてくれたので俺は早速腰に剣を付け店を出た。

「次はどうする?」

シーナがそう言ったので気になっていた事を話してみた。

「魔力量って調べられるのかな?」

黒剣を買うと決めた時から自分の魔力量がどれだけか気になっていた。

「えっへん。この国には魔導書屋もあるからそこで調べてもらいましょう」

シーナが自信を持っているのを考えると魔導書屋というのは珍しいらしい。

「じゃぁ次はそこに行きたいな」

「任せて」

シーナに連れられ魔導書屋へ向かった。

魔導書屋へ着くと

「いらっしゃいませ」

いかにも魔女、もとい魔法使いっぽい店員に挨拶された。

「どんな魔法をお求めですか?」

店員が話しかけてきた。

「この人の魔力量を調べて適正魔法を知りたいのですけど」

よくわかっていない俺に変わりシーナが対応してくれた。

「ではこの水晶に手をかざして中心を見つめて集中してみて下さい」

そう言われると俺は両手を水晶にかざして中心をじっと見つめた。

(集中ってこれでいいのかな?)

じ〜と見つめていると急に水晶が光だし・・・

パキッ

水晶が割れてしまった。

「!?」

どうやら店員が驚いているようだ。

「すみません、どうやらこの方の魔力量は膨大すぎてうちの店ではお測り出来ません」

(ですよねー、わけのわからない余所者の魔力量は測れませんよね・・・・・えっ!?)

俺は正直に異世界召喚キターっと思ってしまった。

「カズキは魔法使いってことですか?」

シーナが聞いてみた。

「適正が有るかどうかは分かりませんが魔力量は尋常ではない量を保持していらっしゃいます」

剣術でコテンパンにされた俺だが魔力量はハンパないということを知れて少し自信が持てた。

「この人の適正魔法を調べることは出来ますか?」

シーナは続けて話しかけた。

「適正であれば出来ると思いますがやってみましょうか」

店員さんはそう答えながら準備をしてくれた。

一枚の紙を机に置き

「この紙を掴んで魔力を込めて下さい、魔力の込め方が分からなければ紙全体を覆って固くするようなイメージをして下さい」

俺は店員さんに言われるがまま紙を掴んで紙よ固くなれーと念じた。

紙が固まりまるで石のようになった,

「異能な才能をお持ちと思いましたがやはり創造系に特化した魔力をお持ちのようです」

火なら燃える、水なら湿るといった判別ということを後からきいた。

「紙自身が変化するのは物理法則を破った変化の力です。物を作り出したり呼び出したりする魔力です」

呼び出すという言葉で召喚術という言葉を思い出した。

(そういえばあの時魔王が倒される前に何か言ってたな、確か召喚術さえ使えればと)

もしかして俺って魔王の召喚術を継承しちゃったのかなぁと思っていた。

店員に何か覚えることの出来る魔法を聞こうとおもったが

「すみません、創造系の魔法は希少で取り扱っていません」

と言われてしまいさすがに稀な魔導書屋でもさらに稀なものは無いことは諦めがついた。

「適正が分かっただけでもありがたいです」

俺はそう言って魔導書屋を出た。

「魔王の召喚獣だから召喚術が得意なんて変な感じだね」

「シーナ実はさ・・・」

俺はあの時聞いた魔王のセリフをシーナに教えた。

「というわけで俺、魔王の召喚術を継承しちゃったかも?」

「それ、ありえるね」

シーナが真面目そうな顔をしてそう答えた。

「あの時魔王が何もしてこなかったのは変だと思ってたんだけど、それなら納得がいくもん」

「ねぇカズキ、召喚術試してみる?」

(今後戦力になれるなら試しておきたいな)

「やってみようか」

俺は魔法を使ってみることにした。

「ここじゃあれだからお城の修練場に行こっか」

シーナがそう言うと買い物はここまでにしてお城の修練場へ向かった。



修練場に着くとさっそく

「何を呼び出せばいいのかな?」

「ん〜召喚術ってあんまり聞かないからよくわかんないけど、初めは生き物はやめておいた方がいいかも、手に負えなかったら困るしね」

(確かにおっしゃる通りだ、そうなればアレかな)

俺は何を呼び出すか決めていた。

「出ろ」

俺は右手を前に伸ばしゲームでよく見た拳銃をイメージした。

すると右手が光りだし光が右手に集まり出した。

光は拳銃を形造りそれは実物となった。

「出来たー」

「何それ?」

シーナは初めて見る拳銃を不思議そうに眺めていた。

「これはね、こう使うんだ」

そう言いながら弓術で使う的目掛けて引き金を引いた。

「ズバンッ」

弓を使っても届かないであろう距離の的を射抜いた。

「すごーい、どうなってるの?火の魔法?」

「魔法じゃないよ、これは異世界の遠距離武器だよ」

「へ〜異世界ってすごいんだねー」

俺は戦える武器を手に入れた。

(これでシーナを守れる)

俺の異世界冒険譚はここから始まった。










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