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イマジナリーフレンド  作者: かず。
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3. 少年は何を見つけたのか


世の中は欺瞞に満ちている。僕が僕であるために、とか、君が君であるために、とか、そんな自問自答を頭のなかの小宇宙でこねくり回してみても、それは世の中の波に飲み込まれてしまう。多分、自分探しは一人では出来ない。一人でしか出来ないように思えても、他人には自分の一部分しか見えていない以上、その「自分」は僕の一部分でしかないから自分探しの材料にはわずかにしかならないとしても、やはり、世の中の波に乗らない限り、一人で自分探しをしているような人達は世の中で取り残されていく。世の中を動かす一部になってこそ、人は人であることを学び知るのだろう。街を行く人達が、どんなに間抜けで能天気に僕の目に映ったとしても、彼彼女らは世の中を動かす一部として役割を担っていて、実は僕なんかよりも遥かにマトモで誠実で、実は僕の彼彼女らを見る目には羨みが込められている。世の中を動かしている。そのうえで、悪意や善意が渦巻いて、人々は傷つけ合い、人付き合いの痛みを知り、空っぽを知り、生きる意味がわからなくなったりするんじゃないか。つまりは、僕には、前提が抜けている。それこそ空っぽだ。生きているようで生きていない。周りが街の雑踏に飲み込まれていくなかで、ひとり佇んでただ辺りを呆然と見つめている。そして先を行く人達を見て焦り、そのうちにその焦りは孤独感に変わり、もう届かないんじゃないか、と誰かを掴んだことのない手を伸ばす。空を切ることをわかっていながら手を伸ばす。世の中は欺瞞に満ちているけれど、世の中に居ない人間は空虚に満ちている。空虚は本来空っぽであるということなのに、それで満たされているなんて、つまりは中身がスカスカだ。空っぽで何かを満たすなんて、矛盾だ。不十分すぎて、僕は、なんというか生きているだけで疲れる。死にたくはないんだけど。----ほら、また矛盾だ。

つまりは少年は満たされていたかった。ずっと何かを探し続けていた。そんなとき、その少年はあるモノを見つけた。おそらくずっと彼が求めていたであろう、その小さな丸い玉を。


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