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少し怪しい組織に狙われてました、嘘ですリフレッシュしてました。

なかなかアイディアが出なかったんです。

「うーん、どうしよう?」


庭で空を見上げる僕。

こうなった訳はダンジョンから戻った次の日のこと。


毎日水をあげてる状態異常植物達に異変が起きていた。

変わったのはこの種類。


クロエンサー

色が白くなり、呪いが消えた。

名状しがたいキノコ

周りの植物を締め付けていた。萎れていた。

涼ミント

枯れてしまった。


あと光なしの暗闇に入ったせいで、枯れてしまったものがいくつかあった。

光なしは離しておけば問題ないだろうけど、その他は原因を突き止めないとダメだね。


「やっぱり環境の違いだろうね」


植物の枯れる原因はほとんどそれだと思う。

とはいえ、どうしたものかな。


とりあえず今ある分の植物達を回収して、色んな条件で育ててみる。

まずは名状しがたいキノコから。

3つの植木鉢に名状しがたいキノコの菌糸を置く。

本来ならキノコは木や腐葉土に根を張るけど、これはそもそも移動するからどうしようもないね。


1つには栄養をたっぷり、一つには枯れ木を置いてみる。最後に水を大量に与えておく。

このうちのどれかが育ったらいいんだけど。


次はクロエンサー。

こっちは骨を砕いて撒いてみる。死体の近くに生えていたなら、これで育つかもしれない。

後は水を大量に与えたものと、栄養をたっぷり与えたものを用意した。


そして涼ミント。

これは多分寒い所に育ってたから冷やせばいいだろうけど、どうやって冷やせば良いのかな?


こういう時に便利なのがインターネット。

ニューパラでは検索エンジンが3つほどあるので、細々とした調べ物が便利なのだ。


とりあえず冷やすで調べてみると、氷や水を使ったものが多い。

でも流石に機械が無いと作れそうにないので、却下。


氷や雪は魔法なら出来るかなとスキルを調べてみたが、見当たらなかった。

あったら冷蔵庫とか作れそうなのに。


でも氷属性はあると思う。

根拠はこれだ。


鑑定スノーマンのボタン(ランクC)

スノーマンに付いてるボタン。スノーマンの顔が刻印されてる。氷属性の補正がつく。(効果 氷魔法補助[1])


スノーマフラー(ランクB)

スノーマンが付けていたマフラー。綺麗な青色。雪の力がある。

HP+10

MP+20

氷魔法補助[3]

耐寒[3]

氷魔法強化[1]


氷魔法の存在を示唆する効果があるから、きっと条件で出てくるんだろうね。


と、これを見て思い出した。確か一緒に取った物に…。


鑑定

スノーバケツ(ランクC)

スノーマンがかぶっていたバケツ。水が1L入る。魔力を流すと冷える。(効果:製氷)


やった!これで氷を砕いて上に撒いたら環境再現出来るはず!

早速砕こうと氷を作った、が!


「どうやったらふわふわになるんだろう……?」


雪並みにふわふわにするなんてどうすればいいんだろう?

氷、ふわふわで調べてみた。


「美味しいかき氷の作り方……そうか!手回しかき氷機を作ろう!」


そうと決まればかき氷機を見よう。

確か家に結構高いかき氷機があったはず。


-----------------------


1回ログアウトして倉庫を探ってみる。

良かった、ちゃんとかき氷機があった。クマさん型だけど。


「歯の形はこうで、ふんふん。なるほど」


歯の形以外は案外簡単そうで良かった。

とここで、結構な暑さだなと気が付く。


季節的にも夏で丁度いいし今日は土曜日だ、折角だからかき氷作ろう。

スーパーでシロップを買いに行く。とりあえずイチゴとメロンにしよう。

そう言えばシロップって全部同じ味って本当なのかな?


帰ったらいつの間にかお父さんがいた。

かき氷機を前にウキウキしている。


「なにしてるのお父さん?会社は?」

「今日はリフレッシュ休暇だ。映画見に行ってたんだが、帰って来たらかき氷機があるからワクワクしてるところ」

「イチゴとメロンどっち?」

「じゃあメロン」


自分で作れば良いのにと言うと、御使の作った方が美味しいと言う。

氷削るだけだから変わらないと思うけどなぁ。


ガリゴリ、ガリゴリ

「ところでなんでかき氷機引っ張り出してきたんだ?」

「えっとね、雪作ろうと思ってかき氷機を参考にしようと」

「このまま使えばいいじゃないか?」

「ニューパラで作るんだよ」


その言葉に目を輝かせるお父さん。

なんでそんなに喜んでるんだろう。


「そうかそうか!そんなにハマってるんならお小遣い減らされても買ったかいがあったよ」

「いきなりVRMMO(そういうの)買うからお父さんお小遣い制にされるんだと思うよ……でもありがとう」

「くぅ〜御使いは可愛いなぁ〜。流石俺の子!」

「ちょっ!?止めてよ!」


お小遣いの話で落ち込んでいた顔から一転、ニヤニヤしながら僕の髪を撫で回す。少し力強いって!


「もう、そんな年じゃないよ!」

「俺から見たらいつまで経っても子供さ。だからたまには甘えてこい」


少しふざけた空気を出しながらもこっちを見る目は真剣で、少しお父さんをかっこいいと思った。


「お父さんも超寂しいからな!」

「台無しだよ!」


お父さんは最後にこんなふうにふざけるから、素直に感謝しづらい。

多分わざとやってるんだろうけど。


-----------------------


「これは難しい………」


日本の物作りのクオリティ舐めてた。

今困っているのは回す棒のところ。ネジと同じ様に回すことで下に氷を押し付けるものだけど、溝を掘るのが難しいのだ。

一定間隔で、角度が同じに作るのが難しい。


どうしよう?

やっぱり諦めるしかないのかな?


「いや、諦めるには早いよね」


こういう時は気分転換に外に出てみる。

とりあえずハンマの所に行って、ヒントがないか探してみよう。


-----------------------


[ヘファイストス]に着いたが、なんか騒がしい。


「だから銃を作ってくれって!」

「何回も言うが、そんなもん作り方知らんわ!知ってたら問題だろうが!」


オッサンと呼びたくなる人と、ハンマが何か言い争いをしている。

どうやら銃が欲しいみたいだけど、何でだろう?


「あのー、ハンマどうかしたの?」

「おう、ミーか。ちょっと頭硬いオッサンに絡まれてな」

「だから俺は銃を欲しいだけなんだが」

「だから構造分からないものは作れるわけねーだろ!」


きっと作るって言うまでこの人諦めないと思うけどなぁ。

それにしても銃か。ネジとか作れるようになったら作れるかな?


「ハンマ、ネジを作りたいんだけど何かいい情報とかないかな?」

「え、あぁ、それは「ちょっと待った、なんの利益も無しに情報を求めるのはどうかと思うぜ」…おい」


オッサンに止められてしまった。確かにそうかもしれない。

何か与えるものは……そうだ。


「じゃあ、《選択》と《付与(エンチャント)》で部品が2つに分かれてるものなら、それぞれに《付与》が付けられて実質2つ付けられるよ」

「なん…だと……」


固まってしまったハンマ。大丈夫かな?


「明らかに釣り合ってない報酬なんだが」

「え、じゃあもう一つ何か情報を「俺の方が足りないんだよ!」え?」


そんなに凄い情報かな?誰かが見つけてそうだけど。


「そんなに凄いのか?」

「だって今つけられる上限をあっさりと越えたって言ったんだぞ!俺には払いきれないわ!」

「別に情報貰えたらいいんだけど」

「せめて情報あるか確認してから言えよ!俺が何も持ってなかったらどうするつもりだ!」


確かに情報だけ貰ったらハンマ気にしそうだもんね。

悪いことしたな。


「ごめんなさい、ちょっと考えなしだった。とりあえず情報教えてくれる?」

「…はぁ、《彫金》ってスキルに[金型加工]ってアーツがあるから、そこにネジがあったはずだ」

「うん、ありがとう」

「で、オッサンはなんでタダで立ち聞きしてるんだ?さっさと何か出してもらおうか」

「はっはっは、さっきのっていくらぐらいの情報だ?」

「600万ゴールド」

「えっ!?」「……わぉ」


え、嘘でしょ!そんなに高くないよね!?

ちらりとハンマを見るけど、しっかりと頷く。


「オッサンは何も聞いてませんよ、それより銃を作ってくれって」

「ふざけるな!オッサンのせいで俺は600万も払うことになったんだぞ!少しは出せ!」

「あの、《細工》教えてくれただけでいいですよ?」

「掲示板に載ってることと釣り合う訳ないだろ!」


うん、どうしよう?

何か適当なものでも頼めばいいかな?


「はぁ、仕方ねぇ。じゃあいい事教えてやるよ、ミーだったか?」

「はい、何でしょう」

「服を着けた女のスリーサイズを当てる方法をだな」

「何教えようとしてんだ!?」

「出来るんでいいです」

「え!?出来るのかよ!!」


だって見たら分かるし。従姉妹(いとこ)の服を作ってあげたら怒られたから、分かっても言わないし使わないけど。


「俺の得意分野が……ちくしょう!ならあと一つしかないな」

「女のナンパとかじゃないだろうな?」

「お前ナンパすら上手くいかないのか?可哀想なやつだな」

「がぁぁあ!!」


オッサンのおちょくりのせいで、ハンマが少しおかしくなってしまった。

とりあえず紅茶を飲ませる。茶葉と砂糖が売ってたから、簡単に作れる。


「そろそろハンマからかうのは止めにしてくれませんか?」

「しょうがねーな、じゃあ俺のスキルを教えてやるよ」

「じゃあそれで」

「おいミー!?どんなものか確認してから言えよ!」

「大丈夫、この人みたいな人はちゃんと貸しは返したい人だよ」

「オッサンの性格ばれちったか。まぁいいや」


とりあえず、オッサンのスキルを教えて貰えることになった。

プレイヤー名もオッサンだった。自分で名乗ってるんだ……。

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