表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/15

第12話 入学式前日後編

累計PV5,000 ユニーク1,200越え!

お気に入りは29件とテンション上がってます>_<

読んで下さる読者の方々に満足いただけるよう精進していきます!




講堂は寮から十五分程の所にあった。明日の入学式の準備の為か、荷物を持った人が引っ切りなし出入りしている。


「しっかし、ここも大きいな」


「そりゃそうだろ。初等科が全員入るらしいし」


「それで、次はどこに行くんだ?」


「ん~、どこ行きたい?」


「決めてなかったのか」


俺の言葉にガックリと肩を落とすレオン。イリヤは笑みを零し、エリスは……とくに変わりないな。


「私は学院舎を見てみたいですね」


「図書館に行きたい」


「俺は鍛練場だな」


見事にバラバラだ。


「う~ん、どうしよ」


近くにあった敷地内案内図を見ながら悩む。敷地が広い学院は、何年も通っている学生ならまだしも、来院者や新入生は迷子になってしまう。だから、至る所に案内図が設置されている。


「全部行くと夕食に間に合わなそうだな……。よし、一番近い鍛練場に行こうか」


「よし!そうと決まれば行こうぜ!」


「……残念」


「まあまあ、エリスはトーヤに色々教えてもらえるじゃないですか」


「ん、イリヤも」


「そうですね!」


とても仲の良さそうなエリスとイリヤ。やっぱり、女の子のコミュニケーション能力の高さはどの世界でも同じなんだな、と声には出さずに思う。

20分ぐらい歩くと、コロッセオみたいな形をした鍛練場が見えてきた。


「わくわくするな!トーヤ!」


「まあ、否定はしないけど程ほどにな?」


「分かってるよ!」


「………脳筋」


「うるせぇ!!」


「レオン、落ち着け。エリスも煽るな」


ギャアギャアと賑やかに騒ぎながら、鍛練場に到着。受付の男性に見学を申し出ると、学生紋を確認され”新入生なのに感心だな。でも脳筋にはなるなよ?”との言葉を頂いた。全員の視線がレオンに集まったのは、言うまでもない。


☆★☆


鍛練場内では夕食が近いからか、人数は多くないもののそれなりの人数が鍛練をしていた。

木剣のぶつかる音や魔法の色取り取りな光が視界に入る。

鍛練をしているのは学生紋から中等科生だと分かる。

ちなみに学生紋は、初等科が盾、中等科が杖、高等科が剣を模していて、第一学年から赤、青、緑と縁取りの色が変わる。目の前の中等科生の縁取りは青。中等科二年生だ。


「やっぱ動きがいいな」


「魔法の発動もスムーズ」


「そうなんですか、トーヤ?」


「多分ね。僕もそこまで詳しいわけじゃないから」


俺の評価基準はエリスやレオン、ツァリさんだから、どうしても辛口採点になってしまうのでアテにならない。

暫し無言で見学する。その中で、俺は一つ心配なことがあった。前世では数え切れないほど描かれていたこのシチュエーション。ほぼ絶対的なお約束として、弾かれたり避けられた魔法やら折れた木剣やらが飛んでくる。

警戒していて損はない。


「イリヤ、みんなもあんまり前に出すぎるなよ」


「なんでだよ?」


「いや、危な……」


「そこのお前ら!そこから離れろ!!」


見ると、成人男性の上半身ぐらいある巨大な火炎弾が迫っていた。恐らく、火系統中級魔法『地獄の炎弾(ヘルファイア)』だろう。


「……仕方ない。レオン、イリヤ、下がれ。エリス、障壁の用意」


俺の言葉に即座に反応する三人。それを尻目に、雷斬を引き抜く。鍛え上げられた刀身がギラリと瞬く。

意識を集中、魔力光を青白色に染め上げる。

発動するのは氷系統下級魔法。

勿論、そのままぶつけては意味がない。


「――術式固定(ホールド)


右手の青白い球体を雷斬にぶつける。


「『術式付与(スペルインベスト)』、氷刀、雪月花!」


冷気が刀身を被い、体感温度がグッと下がる。


「立花一刀流―――破断!」


斬ッ!と音を立てて振り下ろされた雷斬は、一切の抵抗も許さずに炎弾の切断面を凍りつかせながら、断ち切った。

左右に分かれて霧散する炎弾。


「……障壁、必要なかった」


「保険だよ。何もないならそれでいいんだ」


「それと、聞きたいことがある」


「ん、後で話すから」


こちらにやって来る二人の中等科生を見つめながら返す。


「君たち、怪我はないか!?」


「スマン!俺がよく確認せずに撃ったばかりに……」


「大丈夫ですよ、先輩方。驚きはしましたが……」


「それならいいんだが……今のは?」


やっぱり聞いてくるか。

まあ、その対策の為に術式固定(ホールド)する仕草を後ろ以外見えないように注意したんだけど。


「この刀ですよ。コイツ、魔法刀なんです。氷系統の魔力を流すとこうなるんです」


未だ冷気を纏っている雷斬を見せる。


「なるほど!これは、中々の業物だな」


「そうでしょう。両親が入学祝いに用意してくれたんです」


両親からのプレゼントを褒められて悪い気はしない。


「そうか、大事にしろよ。俺は中等科二年のザトラだ」


「同じく中等科二年のヒューイックだ。お詫びと言っちゃあ何だが、困った事があったら何時でも相談してくれ」


学生紋を見せながらそういう先輩二人。


「ご丁寧にありがとうございます。その時は是非頼らせていただきます。僕はトーヤ。こっちの三人は友達のイリヤ、エリス、レオンです」


それぞれ挨拶を交わす。


「それにしても、君の剣術は素晴らしいな。珍しく刀を使うようだが」


興味津々とばかりに視線を向けてくるザトラ先輩。


「いい師匠に恵まれたんですよ。いい両親にもね」


「なるほど、俺達もうかうかしてると追い越されかねんな」


「そうだな。お、六の鐘だ。ザトラ、飯にしようぜ。お前らも、今日は終いだ。残ってるの俺らだけみたいだしよ」


見ると、鍛練場に居た学生は俺達だけだった。


「そうみたいですね。僕達も夕食に行きましょうか」


「賛成、お腹空いた」


「俺も腹ぺこだぜ」


「私もです」


先輩二人が手続きを終えるのを待って、外に出る。


「それでは先輩方、また何時か」


「おう!困ったことがあったら中等科の二組に来てくれ」


「俺もそこに居る。君達が有意義な学院生活を送れることを祈っている」


「ありがとうございます。では」


二人と別れ、初等科寮へ向かう。


「トーヤ、さっきの説明」


「早速か。いいけど、学院内では許可された場所以外での魔法使用は禁止されてるから、理論だけになるぞ?」


「それでいい」


「私も気になります!」


「俺は聞き流すわ。難しい話は分からん」


それからツァリさん直伝の術式固定(ホールド)理論について語り、夕食を食べ、風呂に入り明日への英気を養う為に早め寝た。

因みに、夕食は家と同じぐらい美味しく、風呂は広かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ