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バズり女王なのに俺の声にだけフニャるひよの先輩 (旧: スーパー美人インフルエンサーなのに、冴えない俺の声にだけフニャるひよの先輩)  作者: 茉森 晶


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第41話 一緒にお昼(with おじゃま虫)



「わ~、なんかマジメな感じの部屋! も~ちょい可愛くしたいなぁ」



 初めて電網部部室に入ったツグミは、ギャルらしく内装(インテリア)に要望を出す。


 嫉妬と恥じらいでワケがわからなくなっている陽代乃のストレスを肌で感じ、鷹也はとにかくツグミと距離をとって問いかける。



「あの……乃村先輩と友達? ってことは3年生?」


「違う違う! あーし、1年生だよ? ほら、肌もピッチピチしょ?」



 そう言って、鷹也と腕同士をこすり合わせてくる。



「のむっち、コスプレ好きじゃん? あーしが関わってるメイドカフェの常連で、【はいすぴ】にもよく来るんだ。あーしの友達のライブにも来てくれるし~」


「そ、そうなんだ。まさかそんな繋がりがあったとは……」



 陽代乃は相変わらず湯気が立ちそうな赤い顔で、そんなふたりを見つめる。



(1年生じゃなくてもピッチピチだもん! 何だよ~! 1年若いくらいでぇ~ッ!)



「あーしは技術コースD組で、普通学科に加えて衣装関係の授業も受けてる~。たかっちは?」


「技術コースA組だよ。映像系」


「タレント組じゃないんだ? ぴよ子ちゃんと知り合いだから、てっきりそっち系かと~。ちょっと安心~! だって、世の中にバレたら大変なことになるもん」



 相変わらず、ツグミには鷹也のビジュがドストライクのようで。


 どうにか否定しようと、鷹也は頭をフル回転させる。



「あ、あの! 俺はほんと表に出るタイプじゃなくて……実は、Vtuberで配信やってるんだ」



(なんで言っちゃうのよぉ――――――ッ!!)



 陽代乃の笑顔が引きつり、唇がピヨピヨと開く。



「Vtuber……ってーと、アニメキャラみたいな絵が出てて、声だけ当てるみたいな?」


「そうそう。だから、この部で収録できたりもするかな~みたいなね」


「あ~、声いいもんね。あーし的にはアニメより実写の方が好きだから、もったいない気がしちゃうけど~」



 ふと今さら、鷹也が弁当箱ケースを持っていることに気づくツグミ。



「あっ、ふたりともゴハン食べて! あーしはダイエット~」



 時間も限られているので、持参の食料を広げる鷹也と陽代乃。


 鷹也が弁当を開くと、陽代乃とツグミは目をまん丸にしてその中身を見つめてしまう。



「ふわぁ……めっちゃステキな弁当! これ、お母様が?」


「え? あ、そうですけど……」


「最っ高の『()え』だね~! なんか料理アプリの見本みたい!」



 【トンカツ】【いんげんの豚肉巻き】【卵焼き】【きんぴらゴボウ】【ゆでブロッコリー】【俵むすび】


 彩りもボリュームも満点の、いかにも『良き日本の母のお弁当』という出来栄え。



「あはは……母さんが作ってくれるのなんて月に1回あるかって感じだからね。たまのやれる機会だけ頑張るんだ」


「うっ……私、めっちゃ恥ずかしくなってきたんだけど……」



 見たまんま、コンビニで目についたものをつまんできたような【おにぎり(シャケ&ツナマヨ)】【紙パックの野菜ジュース】【イチゴ大福の中身が入ったクレープ】。


 美容系としても、あまりにお粗末な3点+デザート。


 しかも、それが握りつぶされ、ぐんにょり平べったくなっていた(クレープはケースに入っていたのでセーフ)。



「違うの。ちょっと起きたのがギリギリ過ぎて……てきとーに買っちゃっただけで! ほんとは『お米大好き!』とかじゃないの!」


「あはは、『お米大好き!』は動画でもネタにされてますから。最近、忙しいみたいですし、しょうがないですよ」


「うう……『一緒にお昼』ってこと、その時はすっかり抜けちゃってたよ」



 観念して、おにぎりのフォルムを整えながら、封を開ける。


 あらためて横目で鷹也の弁当をチラ見し、また溜息をつく。


 そんなやりとりをしばらく見ていたツグミが、首を傾げた。



「それにしても~? 部活同じだからって、忙しいぴよ子ちゃんが『一緒にお昼』なんて……」



(ハッ……マ、マズい! 気をつけてたつもりだけど、そもそも【スーパー美人インフルエンサー】と普通に話してることが不自然だよな?)



 彼氏彼女の関係であることがバレたら『すべておしまい』と思っている鷹也だが、陽代乃はすでに『バレるならバレろ!』くらいに思っていた。



(だって、どうすんの? こっちは『そんな関係じゃありません』って顔しなきゃなのに、堂々と目の前でアタックし放題なんだよ? こんなのがずっと続くなら……私、爆発しちゃう!)



「たかっちとぴよ子ちゃん……やっぱ同じYo!tuberだから、共感するところ超あるんだろうな~って」


「そ、そうなんだよ。俺は元々【ぴよ子っこチャンネル】のファンで。俺の方は弱小チャンネルなんだけど……この人はすごく気さくに接してくれてさ」



 鷹也は笑顔を貼りつけ、陽代乃に目くばせ。


 陽代乃も不本意ながら、なんとか笑顔を作る。



「いやいや、鷹也くんのチャンネルめっちゃいいコンテンツになってるからね。数字なんて気にする必要ないよ、世の中のみんなが真の良作を『探す』能力ないだけ!」


「いや、褒めすぎですよ……あは、ははは」


「ってことは~……たくさんの人が見つけてる【ぴよ子】ちゃんは『真のイイモノ』じゃないってこと?」



 ツグミは何の悪気もなく、陽代乃のオタク語りに素朴なツッコミを入れた。


 『険悪な空気になる?』と鷹也はヒヤッとする。


 が、陽代乃は皮肉でも何でもないナチュラルな笑顔で答えた。



「そうだよ。がおー氏の戦略(プロデュース)、事務所のスカウトあってからはお金の力で認知度が上がって。私なんて中身はポンコツだし……」


「そんなことないですよっ!!」


「ふにゃあッ!!」


「ふにゃあ?」



 気をつけていたのは何だったのか、陽代乃のセルフサゲ発言を鷹也は全力で否定してしまう。


 不意打ちを食らった陽代乃は、ビクビクと弾けてフニャった。



「も~、たかっちダメだよ? 突然おっきい声出すから、ぴよ子ちゃん超ビビっちゃったじゃん?」


「あ、そ、そうだよね。ごめんなさい……あはは」



 勘違いし続けてくれるツグミにある意味感謝しながら、鷹也は頭をかいた。


 陽代乃は机に顔を伏せたまま、胸に飛んだゴハン粒をコッソリ口に入れ直す。



(うう……また人前でフニャっちゃった。まぁ、最初のPC実習室で不特定多数の人に見られてるから今さらなんだけど……!)


前回(40話)、恐怖するくらいポイントが伸びず(むしろ減り?)、日間ランキングからも即消え……。

お色気的なシーンやってたので、それが嫌われたのかな? と落ち込んでます笑。


ちょっと評価増えて舞い上がってしまい、求められてるものと違ってたかもですね。

バランス感覚を見直していきたいところ。


もしかしたら、またちょっとペース落ちていくかもしれませんが、

応援してもらえたら嬉しいです。

よろしくお願いします!

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