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第十四話・久々の休息

十四話が一応完成しました。もしかすると、今後十三話と結合するかもしれません。


フォースアイランドをいつもご観覧いただきありがとうございます。


これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。


 館内は木造建築らしく、至るところに木の温もりを感じる事ができた。

 国の重要文化財にも指定されている建物であるが、大衆温泉としては日本で唯一である。


 清二達は靴箱に靴を入れ、急勾配の階段を登った。


 温泉は一階にあり、休憩所が二階、三階にあるからだ。


 二階には広々とした座敷になっており、浴衣姿の観光客が団らんをしたり景色を眺めたりしていた。


 金子と高志が見とれていると、清二が「こっちだ」と合図した。


「どこ、いくんすか?」


「オイラ達は三階の個室だぞ」


「個室ですか?」と高志が首を傾げる。


 一行は、先ほどよりも更に急勾配の狭い階段を登った。


「いらっしゃいませ」

 着物姿の若い女性が出迎えた。



「森山様ですね、お待ちしておりました」深々とお辞儀をする浴衣女性。


伊代野(いよの)と申します。本日は道後温泉本館におこしいただき、ありがとうございます。ただいまより、お部屋にご案内いたします」


 着物女性に案内され狭い木造廊下を進む。

 案内されたのは、六畳間の畳部屋であった。


「なんか、修学旅行みたいな気分だよ」はしゃぐ金子。


「それでは、ごゆっくり」と、障子扉を音もなく閉める着物女性。


 金子は、木の長机に置いてあったパンフレットを手にとり、障子窓を開けた。


「うあ!めっちゃ良い眺めやん!」

 先ほどよりさらに気分上々の金子。よほど、道後温泉が気に入ったよいだ。



「浴衣に着替えて風呂にいくぞ」


 清二は、綺麗にたたんであった浴衣をホイと金子に渡した。


 全員が着替え、一行はあの狭い階段を降り、一階にある温泉へ向かった。

 道後温泉本館には三つの浴室があった。

 一つ目は神の湯であり、庶民に親しまれており料金も安く設定されている。二つ目の(たま)の湯はこぶりな浴室であるが、少し高い料金で入る事が出来た。三つ目の湯は皇室専用の湯であり、一般人は利用ができない特別な浴室である。

 清二達は、個室料金を払っている為、霊の湯に入る事が出来た。



 脱衣所で服を脱ぎ、浴槽へと向かう清二達。


「やった! 温泉だ!」


 四人の中で一番興奮しているのは勿論金子である。

 フェリーで松山に向かっている時から楽しみにしていた念願の道後温泉の湯船が目の前にあるのだ。無理も無いであろう。


 金子が想像していたより浴室は広くは無かった。


「どうした?」


「いや、道後温泉っていったらもっとでっかい風呂かと思ってたんですけど」


「あっ、ここは霊の湯だからね。広いのは神の湯だよ」


「神の湯ですか?」


「オイラ達は、個室料金払ってるからどっちでも入れるんだよ」


 あーなる程と頷き湯船に浸かる為にシャワーへ向かう金子。


 金子がシャワーを浴びていると洋介が隣にやってきた。


「温泉これてよかったな」


「松山最高じゃん」


「それよりさ…傷…大丈夫なのか?」


「傷?」


「ほら、あれだよ。噛まれた傷」


 洋介は、斎藤に噛まれた傷の事になるべく触れたくは無かった。

 せっかくの休養なのに、あの夜を再び思い出すような事は余りしたくなかったのだ。


「傷は大丈夫だよ。ほら」ケロリとした表情で腕を見せる金子。


「大丈夫ならいいんだよ」シャンプーを始める洋介。


 洋介にはなんとも無い表情であった金子だが、実は噛まれた事はかなり気にしていた。

 一番問題なのは、噛まれたのにウイルスによる変化が起こらない事だ。

 もし、自分が"奴ら"になってしまったらどうしよう。

 胃の方から何とも形容しがたい不安がこみ上げてくる。

 金子はその不安を忘れる為に、備え付けのシャンプー液を頭にのせ、ゴシゴシと擦った。

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