酔っ払い小話「合格報告」
「もしもし、タカシ」
「おう。どうした?」
「高田大学、受かった」
「……マジで?」
「マジだ」
「うおおおお!サブレ!お前すげえじゃん!」
「ふっ」
「いや、本当にすげえよ。あそこからよく高田受かったな」
「当然だ。俺を誰だと思っている」
「偏差値三十くらいの高校で授業中ずっと寝てたフリーター」
「過去の話だ」
「その過去から高田まで来たから褒めてんだよ!」
「二年だぞ、タカシ」
「ん?」
「勉強を始めてからな」
「あぁ」
「そして高校を卒業してからは四年だ」
「あぁ」
「四年という年月は長い」
「まあ、長いな」
「お前が童貞を捨て、おちんちん侍として立派に成長するほどにな」
「誰がおちんちん侍だよ」
「足軽から始まったお前は四十万石の城主になり」
「大出世だな」
「その挙句、最後はユニコーンにまで成長したわけだ」
「まだ覚えているのかその話を」
「お前が成長できて、俺が成長できないわけがないだろう」
「俺を物差しにすんな!」
「良い物差しだと思うぞ。成長幅が大きい」
「うるせえな!」
「はっはっは!」
「……まあ、確かにな!」
「何がだ?」
「高田大学って変人多いらしいし、サブレに向いてると思うよ!」
「褒めてるのか?」
「めちゃくちゃ褒めてる」
「かつて童貞だった男が言うようになったな」
「世の中には今も童貞の男とかつて童貞だった男しかいねーんだわ」
「秀逸な返しだな」
「四年間でちゃんと卒業しろよ」
「ああ。今度は本物の大学生として、しっかり楽しんでくる」
「新歓荒らすなよ」
「もう荒らす必要がない」
「そうだったわ」
「また東京に戻るから、飲もう」
「おう。俺も春から仕事始まるから、忙しいかもしれないけど」
「新卒社会人か」
「そう。お前が大学一年生で、俺が社会人一年目」
「人生とはわからんものだな」
「お前が言うと重いんだよ」
「ふっ」
「でも、絶対時間作るよ。久しぶりに飲もうぜ」
「ああ。じゃあ、また連絡する」
「おう」
「じゃあな」
「あ、サブレ」
「ん?」
「……なんか困ったことあったら言えよ」
「…………」
「あの頃と違って、今度は俺も東京いるし。できることなら手伝うから」
「ああ」
「金は貸さねえぞ。ちょっとしか」
「頼まん」
「女も紹介しねえけど」
「それも頼まん」
「じゃあ何なら困るんだよ、お前」
「知らん」
「ははっ。まあ、なんでもいいや」
「ああ」
「大学、楽しめよ」
「ありがとな、タカシ」
「おう」
「じゃ」
「あ」
プツ。
ツー、ツー、ツー。
(ん?なんかタカシのやつ言いかけてたか?まあいい。またすぐ会えるだろう)
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。また、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
【酔っ払い小話は箸休めとして楽しんでください。本編とはあまり関係ないことを書きます。】




