酔っ払い小話『チョモランマ伝説』
「サブレさん」
「ん?」
「今更なんですけど、『チョモランマ』ってなんですか?」
「あぁ。エベレストのことだな」
「エベレスト?」
「現地ではエベレストのことをチョモランマと呼ぶらしい」
「なるほど?」
「意味は『大地の女神』」
「へえ」
「昔働いてた海鮮居酒屋も『チョモランマ』って名前でな」
「海鮮居酒屋なのに?」
「あぁ。やっさんという先輩が作る見事な『刺身盛り合わせ』が名物だ」
「うまそうっすね」
「うまいぞ。俺も最後までやっさんを超えることはできなかった」
「サブレさんが超えられなかったとは……」
「やっさんは俺に大人の世界を教えてくれた」
「師匠の師匠だったんすね」
「うむ。チョモランマもやっさんから教わったんだ」
「チョモランマを?」
「そうだ。ジョッキの淵より高く泡を盛るだろ?」
「はい」
「あれが山頂だ」
「なるほど」
「ちなみに、チョモランマを交わした男女は結ばれるという伝説がある」
「マジすか!」
「古くからな」
「じゃあ、やっさんも?」
「やっさんは三桁を超える異性とチョモランマしていた」
「三桁!?」
「『結ばれる』の定義は人それぞれだが」
「……」
「確かにやっさんは結ばれていたよ」
「すげぇ……」
「やるか?チョモランマ」
「え?」
「ちょっと待っとけ。持ってくる」
「ちょっ、サブレさん!!」
この無駄に顔の良い茶坊主は何かがおかしかった。
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。また、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
【酔っ払い小話は箸休めとして楽しんでください。本編とはあまり関係ないことを書きます。】




