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最果ての機械技師ノア  作者: 楓まんじゅう
第二章 異界門編

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第四話 眠れる真実

いつも読んでいただきありがとうございます!


今回は探索がメインのお話です。

少しずつ世界の謎に近づいていきますので、細かい部分にも注目してもらえると嬉しいです!


それでは、第7話「眠れる真実」をお楽しみください!

「ど、どうするんですか……?」

ネイアが不安そうに呟く。

「決まってる。」

ノアはにやりと笑った。

「俺らも行くぞ。」


なんなんだここは。


森の奥深くに不自然に隠された扉。

その先には地下へ続く石造りの階段。

どう考えても普通じゃない。

「お前ら離れるなよ。」

そう言いながらノアはランタンを掲げ、一歩階段へ足を踏み入れた。

「は、はい」

「にしても森の中にこんなもんが隠されてるとはなぁ」

中は冷たく湿っていて下に行くほど空気が重くなっていくのを感じる。

「なぁここ、古代の遺物にしては妙に新しいんだよな。巫女、お前はこの場所のこと知らないんだよな?」

ノアが振り返りながら尋ねる。


「はい……私には何も話してくれませんから……」

ネイアは寂しそうに目を伏せた。

「何も知らずに生贄になれってのも酷い話だよなぁ」

ルフトが腕を組みながら苦言を漏らす。


「だからこそ、確かめる。」

ノアは前を向き、ランタンを高く掲げた。

「お前が知らねぇなら、俺たちで見つけりゃいい。」

三人は再び歩き出した。

やがて階段は途切れ、巨大な石造りの広間へと続いていた。


「こ、ここは…」

ノアがランタンの灯りで周囲を照らした。

「なんなんだこれ?」

壁一面に、人や巨大な猿の姿が彫られていた。

「壁画……?」

ネイアが息を呑む。


一枚目にはエルフとドワーフと巨大な猿が機械生物と戦っている。

「機械生物に追われて、この洞窟まで逃げ込んだってことか?」

「……おそらくな。」


二枚目の壁画を見ると、村人たちが猿に抱えられる巫女を囲んでいるように見える。

「これは巫女を崇めてるって感じか?」

「この辺りで巫女って存在ができたのかもな。」

ルフトは壁画を眺めながら呟く。


三枚目は、槍を持った村人たちと巫女に手を伸ばす猿が描かれていた。

「これは…巫女を取り返そうとしてる?」

「いや、これが生贄の始まりって考える方が自然じゃないか?」

「あぁたしかに…」

「私もそう思います。」


最後の壁画は、月を仰いで祈る人々が描かれていた。

「これは……月に祈ってるのか?」

「多分な。」

「でもなんで月なんだ?」

「さあな。でも巫女も月で占いをしてたろ?こいつらにとって月は特別な存在なんじゃねぇか。」

「……なるほど。」


「機械生物との戦争、巫女の誕生と生贄、そして月への祈り……。これがこの森の歴史ってことか。」

ルフトはぐるっと壁画を見渡し呟いた。


「だいたいのことはわかったし戻ろうぜ。」

そう言って階段に戻ろうとしたその時。


―――カチッ。

「ん?」「なんの音だ?」

ゴゴゴゴゴゴ。

鈍い音と共に天井の一部が開く。

「はぁ…嫌な予感しかしねぇ。」


キキッ!

天井から猿型機械生物【エイプ】が降ってきた。

「おい!ノア!何踏んだんだよ!」

「知らねぇよ!こいつらがいきなり降ってきたんだろ!」

「とりあえずネイアを守るぞ!」

「ルフトお前武器使えねぇだろ!俺が前に出る!お前は下がってろ!」

「お、おう!」

ギギギギ……

「一、二、三匹か。」

一匹一匹は大したことなさそうだけど数が厄介だな。

何とか距離を取って出口まで行けたら…


ギギッギャ!

エイプの一匹が叫ぶと同時に、素早く出口へ回り込んだ。

くそ、出口塞ぎやがった…戦うしかねぇか。

「うぉりゃ!」

ノアは赤牙を横薙ぎに振るう。


ギャッ!

エイプは四肢をしならせ、地面を蹴る。本物の猿のような身軽さで刃を紙一重でかわした。

「くそ!早すぎて当たる気がしねぇ!」

ギャギャッ!

躱したエイプが壁を蹴り、そのままノアへ飛びかかる。

「ちっ!」

ノアは咄嗟に身を捻る。


ガキン!

肩を掠めた爪が壁を削り、石片が飛び散った。

「速ぇな!」

「ノア!後ろだ!」

「っ!」

振り返ると別のエイプが天井から逆さまにぶら下がり、飛びかかってくる。

ノアは赤牙を振り上げた。


ガギィッ!


赤牙がエイプの装甲を叩き割る。


ギャアッ!

火花を散らしながらエイプが地面へ転がった。

「よし!まずは一匹!」

だが喜ぶ暇はなかった。残った二匹は距離を取り、赤い複眼を光らせながらノア達を囲むように動き始める。

「こいつら……連携してやがる。」


―――ギィャ!

二匹が同時にネイアに襲いかかる。

「くそ!止まれ!」

ギャ!

ノアの赤牙がエイプの腕を破壊した。もう一匹のエイプは一直線にネイアへ突っ込んでくる。止まる気配はない。

「ネイア!」

ルフトは咄嗟にネイアを突き飛ばし、自分が間に入る。

ガギャ!

鋭い爪がルフトの腕を浅く切り裂いた。

「ぐっ!」

ギギギギ…グギャ!

「や、やめて…」

ネイアは恐怖で足がすくみ身動きが取れずにいた。

エイプはノアには目もくれずネイアだけを狙って鋭い爪を突き立てる。

「巫女!」

ノアは地面を蹴り、一気に間合いを詰める。

「くそ!間に合わない!」

ネイアの顔面に鋭い爪が当たろうとした。

―――その瞬間。

「やめろぉぉぉぉ!!」

ピカッッ!!

ノアの持つ赤牙が今までに見た事のない激しく光を放った。

「な、なんだ?!」

激しい緑光が赤牙を包み込む。

ギィィィィ!

赤牙が、渋い軋むような音を立て震えている。

―――次の瞬間。

赤牙そのものがゆっくりと膨れ上がっていく。

柄は太く、先端の顎は大きく開き、鉄塊のような質量をまとっていく。


ズズズズズ……

気付けば赤牙は、人の背丈ほどもある巨大な姿へと変貌していた。

「でけぇ……!」

ノアは考えるより先に、その重さに身を任せるように赤牙を振り抜く。

「くらえっ!!!」

ブォンッ!

唸りを上げた赤牙がエイプを真正面から叩きつける。


ドゴォォォン!!


鈍い衝撃音が遺跡を揺らし、エイプの身体はひしゃげ、壁へと吹き飛んだ。


「ふぅ…お前ら大丈夫か?」

「あ、あぁ大丈夫だけど、それよりお前、その赤牙どうなってんだよ」

「しらね。やべぇ間に合わねぇて思ったらなんかデカくなった」

頭を掻きながらノアはへへっと笑う。

「…あれが赤牙のアークギアとしての能力だったのかもな。」

やがて巨大化していた赤牙は軋むような音を立てながら徐々に縮み、何事もなかったかのように元の大きさへ戻っていった。

「……戻った。」

ノアは赤牙を何度か振ってみる。

「んー…ま、いいか!」


「しかしあの猿たちどっから入ってきたんだ?」

ノアは周囲を見渡す。

すると天井から光が差し込んでいることに気づいた。

「あの天井、外に繋がってたのか!」

「まさか外から来てたとは…」

ノアが一人考え事をしていると。


「…え?」

「あれって…。」

後ろから巫女の戸惑う声が聞こえた。

「ん?どうした、何かあったか?」

そう言うとノアは巫女の方へと振り返る。

―――は?なんなんだよこれ…。


第四話 終

読んでいただきありがとうございました!


赤牙の新しい力も出てきて、物語も少しずつ核心へ近づいてきました。

次回は今回のラストの続きです!ノア達に何があったのか、お楽しみに!


毎週日曜日20自投稿予定です!

面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけるとめちゃくちゃ励みになります!

また次回、お会いしましょう!

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