61. 死都中枢
ついにアクアリス中枢へ。
ミスティ本体、そしてエミリーとの再戦です。
アクアリス中心部にそびえる巨大建造物。
マコトたちは、
巨大な石階段を上り、
その内部へ足を踏み入れていた。
内部は異様なほど静かだった。
白亜の壁。
天井まで伸びる巨大な柱。
水没都市の中とは思えないほど、
この空間だけは完全な形を残している。
「……神殿みてーだな」
リンが小さく呟く。
「ああ」
マコトも周囲を見回した。
その時だった。
「――とうとうここまで来ましたか」
静かな声が吹き抜けへ響いた。
上層回廊。
そこに、
二つの人影が立っていた。
「ここは水剣の神殿。
アクアリスの中枢です」
そう告げたのはエミリーだった。
長い黒髪。
静かな瞳。
前回のような激情はない。
落ち着き払ったその様子が、
逆に不気味だった。
「……エミリー」
その隣には、
ミスティが穏やかな笑みを浮かべて立っている。
先までの分身体とは違う。
そこにいるだけで、
空間全体へ莫大な圧が満ちていた。
レーヴァの口元が、
僅かに吊り上がる。
「……ようやく本体ですね」
その声音には、
確かな愉悦が滲んでいた。
ミスティもまた、
どこか楽しそうに微笑む。
「随分と待たせてしまったみたいね」
レーヴァが剣を抜き放つ。
「どちらが上だったか、
改めて教えて差し上げます」
ミスティはくすりと笑う。
「お手柔らかにお願いね」
次の瞬間。
大量の水が空間を埋め尽くした。
レーヴァは真正面から踏み込み、
紅蓮を纏った刃で濁流を強引に切り裂く。
水と炎が衝突し、
白い蒸気が吹き荒れる。
轟音と共に、
レーヴァとミスティの戦場が上層へ移った。
「っ……!」
リンが顔をしかめた。
規模が違う。
建造物全体が震えている。
その一方で。
エミリーが、
ゆっくりとこちらへ視線を向ける。
「……まだ邪魔するんだ」
その背後へ、
無数の水球が浮かび上がった。
「おいおい……またかよ」
リンが顔を引き攣らせる。
だが、
前回よりも数が多い。
空間そのものを埋め尽くすような水球群。
それら全てが、
こちらへ狙いを定めていた。
「死んで」
次の瞬間。
砲撃のような水弾が、
一斉に空間を埋め尽くした。
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最後の戦いが始まりました。
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