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39. 教材:グリフォン

風哭き悲しいボス戦です。

注目度ランキング

連載中16位

全体30位にランクインしましたっ!

グリフォンが咆哮を上げた。


風を纏った翼が大きく広がり、

その巨体に似合わぬ速度で空へ舞い上がる。


「来ます」


レーヴァが静かに告げた。


次の瞬間。


グリフォンが急降下した。


「マスター、右へ三歩」


反射で従う。


鉤爪が鼻先を掠めた。


「初手の急降下です。

 高確率でこれから入ります」


「攻略本かよ!」


「基本を知るのは重要です」


グリフォンが空中で反転する。


「次は風刃です」


「なんで分かるんだよ!?」


「翼の動きを見れば分かります」


翼が淡く輝く。


「左へ二歩」


風刃が空間を裂いた。


「マジで全部読んでる……」


「当然です」


グリフォンが着地し、

嘴を大きく開いた。


「咆哮です。 耳を塞いでください」


轟音。


空気が震え、

鼓膜が軋む。


「耳潰れるかと思った!」


「隙も大きいので、

 本来は攻撃機会です」


グリフォンが怒り狂い、

翼を大きく広げる。


周囲へ無数の風刃が展開された。


「うおっ!?

 逃げ場なくねえかこれ!?」


「あります」


レーヴァが即答する。


「グリフォン正面足元。

 ここが安置です」


「そこ安全なのかよ!?」


「はい。 死角になります」


言われるまま飛び込む。


直後、

無数の風刃が周囲を薙ぎ払った。


「範囲攻撃には必ず穴があります」


グリフォンはさらに翼を広げ、

魔力を収束させる。


「最後ですね」


「大技テンペストブレスです」


暴風の奔流が一直線に薙ぎ払う。


「横へ回避」


紙一重で回避。


「威力は高いですが、

 予備動作が大きすぎます」


「以上で主要な攻撃は概ね網羅しました」


レーヴァが一歩前へ出る。


「では、最初からですね」


「何が始まるんだよ……」


――再び急降下。


レーヴァは、

ひらりと最小限の動きで躱した。


風刃。


半歩で回避。


咆哮。


耳を塞ぐことすらなく受け流す。


全範囲への風刃。


安置へ滑り込む。


テンペストブレス。


首振りを見て横へ抜ける。


「……全部かわしてるんだけど……」


「慣れれば容易です」


「慣れたくねえよ!」


グリフォンが息を切らし始めた。


「では、ここからは攻撃を入れていきます」


紅剣が閃く。


「まず翼。

 機動力を奪います」


右翼が断たれた。


絶叫。


「次に脚。

 地上での動きを封じます」


前脚が飛ぶ。


「尻尾も厄介ですね」


尾が断たれる。


「うわぁ……」


思わず声が出る。


「大型魔獣も、

 こうして手札を奪ってしまえば、さしたる脅威ではありません」


「冷静に解体すんな!」


片翼、

片脚、

尾を失ったグリフォンが

なおも吠える。


「根性は評価してあげましょう」


レーヴァが淡々と言った。


「ですが、終了です」


最後の一閃。


首が宙を舞った。


巨体が轟音とともに崩れ落ちる。


静寂。


「……終わった?」


「終わりました」


レーヴァが平然と言った。


「以上、グリフォン戦の基本でした」


「授業みてえに締めるなよ……」


――――――


グリフォンの死体が光となって消え、

その場にドロップ品が残された。


「おっ、何出た?」


リンが覗き込む。


だが。


「……羽根と魔石だけですね」


レーヴァが淡々と告げた。


「目当ての品ではありません」


「ハズレか」


ボス部屋中央に、

見慣れた転移陣が浮かび上がる。


レーヴァはそれを見下ろし――


にこりと微笑んだ。


「少し手を入れましょうか」


嫌な予感しかしなかった。


now loading......

ここまでお読みいただきありがとうございます。


グリフォンといえば強敵の代名詞ですが、

うちのパーティでは強敵と書いて教材と読みます。


次回、周回編です。

ボスが泣くので、風哭きなのかもしれません。


全体ランキングにものれたら嬉しいので、

ブックマーク・評価・感想等いただけますと励みになります!

(たまーに下の方に載ってますが)


引き続きよろしくお願いいたします。

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