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37. 風哭き 攻略開始

風哭き攻略開始です。

「ここが“風哭き”か……」


迷宮入口を見上げ、

僕は思わず呟いた。


入口からして、

ごうごうと風が吹き荒れている。


「嫌な予感しかしねえ名前だと思ったけど、

 見た目からして嫌な迷宮だな」


リンが顔をしかめる。


「高難度迷宮ですからね」


レーヴァは涼しい顔で言った。


「では行きますよ」


――――――


迷宮内は、

常に風が吹き荒れていた。


足場は悪く、

風切り音で周囲の気配も掴みにくい。


「くっそ、やりづれえ!」


飛びかかってきたウィンドホークを、

リンが短剣で迎え撃つ。


だが、

二体目が死角から迫った。


「リン!」


「わかってる!」


リンは腰からもう一本短剣を抜き――

そのまま投げた。


一直線に飛んだ刃が、

ウィンドホークの眉間を貫く。


リンが得意げに鼻を鳴らした。


「リターナだ。 罠喰らいのレアドロップ品だぜ」


刺さった短剣が淡く光り、

次の瞬間にはリンの手元へ戻っていた。


「便利だなそれ!?」


「だろ?」


「良い判断です。 その装備は積極的に活用しなさい」


レーヴァの言葉を聞いた、その直後。


左右の壁から風刃が飛んだ。


「っ!」


身体強化で踏み込み、

風刃の間をすり抜ける。


その先で待ち構えていたウィンドホークを、

一太刀で斬り伏せた。


『オミゴトデス、マスター』


「お前いたのかよ」


『イツモオリマス』


「動きは悪くありません。 ですが左足への魔力配分がまだ甘いですね」


「褒めた直後にダメ出し!?」


「改善点は即時伝えるべきですので」


鬼軍曹は健在である。


「左上!」


リンの声に反応し、

僕は即座に身体を捻る。


次の瞬間、

すぐ横を風刃が通り抜けた。


「危なっ!?」


「今の見えてたのか!?」


「見えるかよ! 空気の流れだ!」


リンが叫ぶ。


なるほどわからん。


「油断しないでください。 この迷宮の脅威は魔物だけではありませんよ」


レーヴァがそう告げたのがきっかけか、直後。


前方の床が沈み込んだ。


「こんどは落とし穴かよ!?」


身体強化を全開にし、

僕は一気に跳躍する。


リンを抱えたまま、

崩落する床を飛び越えた。


「うおっ!?」


「舌噛むなよ!」


「先に言え!?」


着地と同時、

前方の通路から十を超えるウィンドホークの群れが押し寄せてきた。


「多っ!?」


「まとめていく!」


身体強化を維持したまま踏み込み、

群れの中心へ飛び込む。


全身へ巡らせた力を、刃へと集中させる。


「サークルエッジ!」


薙ぎ払った剣閃が円を描き、

周囲のウィンドホークを一息に斬り裂く。


「おおっ!? やるじゃねえか!」


――訓練で叩き込まれた魔力循環。

それによって初めて扱えるようになった、

剣士の固有技。


訓練が実を結んだ、確かな手応えがあった。


『ワガグンハアットウテキデス』


「いつから軍になったんだよ」


少し締まりはしないものの、

風哭きの攻略は順調に進んでいた。


now loading......

ここまでお読みいただきありがとうございました。


新装備、新技、そして新たな迷宮。

ようやく訓練の成果が目に見えてきました。


次回はさらに風哭き攻略を進めていきます。

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