表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/66

31. 仲間になるなら

迷宮突入準備、完了です。

風呂から上がったその子を見て、

僕は思わず目を見張った。


「……見違えたな」


汚れを落とし、

髪を整えれば、

そこにいたのは普通に美少女だった。


「……うっせ」


その子は露骨に顔をしかめた。


すると、隣から冷たい視線を感じた。


「……マスター」


「はい」


「ほどほどになさってください」


「褒めただけなんだけど!?」


理不尽である。


――――――


その後、改めて事情を聞いた。


両親はいない。


物心ついた頃にはスラムにいて、

盗みや荷運びで日銭を稼いできたらしい。


罠を見抜く勘の良さも、

生きるために身につけたものだという。


「……で?」


その少女は腕を組み、

こちらを睨む。


「オレを雇うのか雇わねえのか、

 はっきりしろよ」


「……やる気はあるんだな」


「金になるんだろ?」


現金である。


だが、嫌いじゃない。


「分かった。

 じゃあ正式に仲間になってもらう」


「……ほんとかよ」


「その代わり、

 ちゃんと働いてもらうからな」


「へっ、 望むところだ」


――――――


まずは身なりを整えることにした。


「その格好のままじゃ迷宮以前の問題だからな」


「う……」


連れて行ったのは装備屋だ。


動きやすい軽装。

革製の胸当て。

小型の短剣を二本。

腰には小物入れ付きのベルト。


斥候役を想定した最低限の装備を整える。


「……いいのかよ、

 こんな買ってもらって」


「必要経費だ」


「……そっか」


新しい短剣を握るその顔は、

少しだけ嬉しそうだった。


――――――


そして冒険者ギルド。


受付には、いつものようにリディアさんがいた。


「本日はどのようなご用件でしょうか?」


「この子の冒険者登録をお願いします」


「……その子を?」


やはり少し驚かれた。


「では登録しますので、

 そちらの方のお名前を伺っても」


「えーと……」


僕は固まった。


「……あ」


知らない。


リディアさんの視線が冷えた。


「……本当に仲間にされるのですよね?」


「いやその、

 色々あってまだ聞いてなくて」


「お前も言ってくれよ!」


「聞かれなかったし」


ぐうの音も出ない。


「……リンだ」


少女はぶっきらぼうに名乗った。


「リン様ですね」


リディアさんが淡々と記入していく。


「登録完了です」


差し出されたギルドカードを、

リンはまじまじと見つめた。


「……これでお前も冒険者だ」


「……へえ」


その声音は、

ぶっきらぼうながらも、

どこか誇らしげだった。


――――――


そして。


僕たちはついに、

迷宮の入口へと立っていた。


巨大な石造りの門。


その奥へ続く、

底知れぬ闇。


「行くぞ」


新たな仲間を加えた僕たちの、

最初の迷宮探索が始まる。


now loading......

名前を知らないまま仲間にしていましたね。

次回、いよいよ初迷宮です。

ようやくそれっぽく?


見てくれている人がいるかは(?)ですが、活動報告やXに載せた作品タイトル?に載ってる子がリンでした。

迷宮都市でのワンシーン(AIの力)となります。


続きが気になりましたら、ブックマーク・評価などで応援いただけると励みになります。

ブクマ、評価いただいた方ありがとうございます!、

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ