30. 新たな仲間(?)
わーい、あたらしい仲間が手に入った(?)ぞ
「姉ちゃんいきなり何すんだよ!」
ズタ袋から這い出した少年――に見える子供が、
レーヴァを睨みつけた。
「マスターを持たせるわけにはいきませんので」
「そこ!?
その配慮そこ!?」
いや確かに持ちたくはないけど。
「……ほんとに攫ってない?」
「合意の上です」
レーヴァは即答した。
「それ犯罪者の言う台詞なんだよ」
「失礼ですね」
失礼かなぁ。
僕は改めて、
その子を見る。
薄汚れた服。
痩せた身体。
だが目だけは妙に鋭い。
「……ほんとに大丈夫?
無理やりじゃない?」
そう尋ねると、
少年は鼻を鳴らした。
「兄ちゃん、
金稼げるんだろ?」
「まあ、多少は」
「だったらいい。
ここにいるよりマシだ」
……随分と達観したことを言う。
だが、その目は本気だった。
「……分かった。
じゃあよろしく頼む」
そう言って手を差し出す。
少年も不承不承といった様子でその手を取り――
その瞬間。
「……くさっ」
僕は思わず顔をしかめた。
「はぁ!?」
「いやごめん、
でもこれはちょっと……」
正直、かなりきつい。
スラム暮らしなら仕方ないのだろうが、
これは迷宮以前の問題である。
「まず風呂だな」
「は!?
なんでだよ!」
「なんでじゃない」
――――――
というわけで。
僕たちは昨日訪れた共同浴場へ戻り、
少し割高だったが貸切風呂を借りた。
「自分で洗うって!」
「信用できない」
「なんでだよ!?」
「逃げそうだから」
実際逃げそうである。
少年は全力で抵抗していた。
「離せ!
オレは平気だって!」
「平気じゃない!」
「観念してください」
レーヴァに羽交い締めにされ、
じたばたともがく少年。
なんだこの状況。
「ほら、
まず服脱げ」
「嫌だ!」
「じゃあそのままいくぞ」
桶に湯を汲み、
頭からぶっかけた。
「うわっ!?」
服が一瞬で張り付き――
その瞬間。
ぴたりと、
僕の動きが止まった。
濡れた服の胸元。
そこに、
明らかに不自然な膨らみがあった。
「…………」
「…………」
「…………え?」
少年――いや、
“少女”は顔を青くした。
「女か?」
沈黙。
そして。
「……バレた」
バレた、じゃない。
「女の子じゃないか!?」
「知っていましたが?」
レーヴァが平然と言った。
「知ってたの!?」
「はい」
「なんで言わない!?」
「特に重要ではないかと」
重要だよ!!
すると、
レーヴァは少女を一瞥し――
それから、
すっと僕を見た。
「……マスター」
「な、なに?」
「出ていきましょうか」
妙に圧のある声だった。
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ようやくここまで来ました。
匂いの都合上、今回事情聴取までたどり着きませんでした。無事にあたらしい仲間が増えるでしょうか?
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