27. 迷宮都市ラビラリンズ
おまたせしました。
ようやく迷宮都市編スタートです。
巨大な門をくぐった瞬間――
思わず息を呑んだ。
広い。
とにかく広い。
石畳の大通りは人で埋め尽くされ、
両脇には露店がずらりと並ぶ。
香辛料の匂い。
焼きたての串肉。
見たこともない食材や雑貨。
そして何より目を引いたのは、
スタットではあまり見かけなかった多種多様な種族の姿だった。
耳や尻尾を持つ獣人。
長い耳をしたエルフ。
大柄な体躯の亜人たち。
迷宮都市には、
財宝や力を求めて様々な者が集まるらしい。
そのすべてが、
スタットとは比べものにならない規模だった。
「すご……」
思わず漏れた声に、
ライルさんがにやりと笑う。
「だろ?
ここが迷宮都市だ」
冒険者、
商人、
職人、
旅人。
あらゆる人々が行き交い、
街全体が熱を帯びていた。
まさに、
“迷宮で食ってる街”という感じだ。
「では、この辺りで」
やがて、
タインさんが荷馬車を止めた。
立派な倉庫付きの建物。
どうやらここが商会らしい。
「このたびは本当に助かりました」
タインさんは深々と頭を下げる。
「こちらこそ、
色々お世話になりました」
「また護衛依頼を出すこともあると思います。
その際はぜひよろしくお願いいたします」
どうやら気に入ってもらえたらしい。
ありがたい話だ。
「じゃあ俺らもここまでだな」
ライルさんが肩を竦めた。
「短い間でしたけど、
ありがとうございました」
「おう。
次会う時ゃもうちっと手加減してくれ」
「手加減って何ですか?」
「怖ぇよ」
最後までこの人はこんな調子だった。
軽口を交わしながら、
僕たちは商隊と別れた。
そして向かう先は――
「おお……こっちもでかいな」
冒険者ギルド。
同じ三階建てとは思えないほど、
スタットのギルドより遥かに大きかった。
中へ入ると、
熱気が押し寄せてくる。
受付の列。
酒場の喧騒。
依頼掲示板を囲む冒険者たち。
完全に別世界だった。
「さて、まずは受付だな」
窓口へ向かう。
そこにいたのは、
柔らかな笑みを浮かべた女性だった。
年齢は二十代半ばほどだろうか。
落ち着いた雰囲気の、
知的な美人である。
「ようこそ、冒険者ギルド・ラビラリンズ支部へ」
そう言って彼女は一礼し――
次いで、にこりと微笑んだ。
「タニアから色々と聞いておりますよ。
それに――」
彼女は意味深に笑う。
「先ほど、オーガ討伐の報告も届きましたので」
……早くない?
「色々とお話を伺いたいことがありますので」
受付嬢は営業スマイルのまま告げた。
「まずは、こちらへどうぞ」
……なんだろう。
歓迎されてるはずなのに、
少しだけ嫌な予感がした。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
新たな受付嬢も登場しました。
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