24. 初護衛任務(4)
夜は何かが起こるものです。
「いやマジで美味かったわ……」
食後、ライルさんが満足げに腹をさすった。
他の護衛たちも似たような顔をしている。
野営飯とは思えない豪華さだったのだから、
無理もない。
「毎回これなら護衛任務も悪くねえな」
「次から追加料金取りますよ」
「商売上手か!」
そんな軽口が飛び交い、
野営地には穏やかな空気が流れていた。
そして食後。
「よし、夜番決めるぞ」
ライルさんの一声で、
場の空気が引き締まる。
護衛と御者で交代しながら、
夜通し見張りを立てるらしい。
「マコト、お前は後半組な。
新人は最初に寝とけ」
「了解です」
ありがたい配慮だ。
初野営で寝不足は避けたい。
そう思っていた――その時だった。
「……マスター」
レーヴァが静かに呼びかけた。
「どうした?」
「お客さまです。
少々大きめですが」
全員が反射的に立ち上がる。
ライルさんも、
笑みを完全に消していた。
「……おい、待て」
ライルさんが低く呟く。
「この気配――」
森の奥から、
重い足音が響いてくる。
ズシン。
ズシン。
一歩ごとに、
地面が揺れる。
明らかに、
ゴブリンなどとは比較にならない重量感だった。
「冗談だろ……」
誰かが掠れた声を漏らした。
そして――
木々を押し退けるようにして、
巨大な影が姿を現す。
二メートルを優に超える巨体。
灰色の皮膚。
隆起した筋肉。
手には、
丸太のような棍棒。
「なんでこんな街道沿いに……」
ライルさんが苦々しく呟く。
「――オーガだ」
野営地に、
緊張が走った。
now loading......
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回は話の区切りの関係で少し短めとなってしまいました。
続きが気になりましたら、ブックマーク・評価などで応援いただけると励みになります。
思ったより護衛任務が長くなってしまったので夜も1話更新予定です。




