21. 初護衛任務 (1)
初護衛任務スタートです。
なお、道中が平和に終わる保証はありません。
「あ」
「おや……! あなたは、あの時の」
目の前の商人――タインさんが、驚いたように目を見開いた。
「まさか護衛をお願いする冒険者があなたとは。
これは心強い」
「どうも。まさかこんな形でまた会うとは思いませんでした」
「私もです」
穏やかに笑ったタインさんは、
ふと僕の全身を見てから小さく頷いた。
「……きちんと服をお召しになっていて安心しました」
「その話やめません?」
まだ擦るのかその件。
いや、
そりゃ印象には残るだろうけども。
すると、
荷馬車の横で準備をしていた大柄な男がこちらを見て吹き出した。
「はっ!
やっぱあの時の全裸坊主か!」
ライルさんである。
「服着てるから誰かわからなかったぜ!」
「だからその呼び方やめてください!」
「悪ぃ悪ぃ!」
全然悪いと思っていない笑い方だった。
そんなライルさんは、今度は隣のレーヴァへ視線を向けた。
「んで、そっちのべっぴんさんは?」
「妻です」
「は?」
思考が止まった。
「違うだろ!?」
慌てて否定すると、
レーヴァは不思議そうに首を傾げた。
「マスター。
私はいつでも構いませんよ?」
「何の話だ!?」
「式の話ですが?」
「する予定ねえよ!?」
「はっはっは!
面白えな、お前ら!」
ライルさんが腹を抱えて笑い出した。
「……で、実際のところは?」
にやにやしながらそう聞かれ、
僕は軽く肩をすくめる。
「まあ、家のつながりでちょっと。
詳しくは勘弁してください」
「あー、そういうやつか」
ライルさんは何か察したように頷いた。
「ふふっ、賑やかで何よりです」
タインさんが苦笑する。
どうやら商隊の空気はかなり良さそうだった。
「では、改めてお願いします。
ラビラリンズまでよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
そうして、
僕たちの初護衛任務が始まった。
荷馬車がゆっくりと動き出し、
スタットの街門を抜けていく。
目指すは迷宮都市ラビラリンズ。
新たな舞台へ向けた旅の始まりだ。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回、護衛任務本番です。
まずは無事にラビラリンズへ辿り着くのでしょうが
何がおきるのか......
スタット編もこの護衛任務で終了し、迷宮都市編に移ります。迷宮都市では新たな出会いも?
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今日は夜にももう1話更新予定です。




