14. 初クエストを受けてみよう
初クエスト回です。
昨日は色々あったのだが、
気を取り直して今日は朝から冒険者ギルドへやってきた。
新規クエストは基本的に朝に張り出されるらしい。
初日ということもあり、
眠い目を擦りながらわりと気合いを入れて早く来たのだが、
ギルドの入り口には、
すでに先客がそれなりに並んでいた。
前に並んでいる人へ一声かけて、
僕たちも列へ加わる。
僕たちの前にいたのは、
駆け出しに見える少年少女だった。
「こんにちは」
挨拶は人間関係の基本である。
なるべくにこやかな顔で、
近くにいた少年へ話しかける。
「お、おお。見ない顔だな」
「実は最近来たところなんだ。
よろしく、マコトだ」
「おう、よろしく。
おれはマークだ」
差し出された手を握ろうとしたその時。
「(ちょっと……)」
隣にいた少女が、
ひそひそと何かを耳打ちする。
マークの視線が僕の横へ移り、
その表情が驚きに変わった。
「わ、悪い」
そう言って道を開ける。
それに続くように、
列に並んでいた冒険者たちが次々と道を譲っていく。
まるでモーゼの海割りである。
思わず戸惑ってレーヴァを見ると、
なぜか彼女は誇らしげな顔をしていた。
……なぜに?
「さあ、行きましょう」
レーヴァに促され、
僕はなんとも言えない気持ちのまま
冒険者たちに見送られて中へ入った。
二階へ上がった瞬間、
受付嬢たちの視線が一斉にこちらへ向く。
全員が硬直したように直立している。
どうしていいか分からず困惑する僕。
そんな空気など一切気にせず、
いつもどおり僕を見つめてにこにこしているレーヴァ。
こんなに綺麗で可愛いのに、
至近距離で見つめてくるので
普通に理性が危ない。
その緊迫した空気を破ったのは、
ちょうど奥の階段から下りてきたタニアさんだった。
「マコトさん……と、レーヴァさん。
もういらしたんですね。こちらへどうぞ」
そう言って、
僕たちを奥のカウンターへ案内してくれる。
「皆さん、マコトさんたちは私が担当しますので、
仕事に戻ってください」
その声で、
受付嬢たちの止まっていた時間がようやく動き出した。
僕たちが席につく頃には、
他の冒険者たちも二階へ上がってきていた。
特別扱いと言えば聞こえはいいが、
他の冒険者と大きく距離を空けられているあたり、
どう見ても隔離である。
「マコトさん?」
「あ、すいません。聞いてます」
「それではですね、
お二人には初クエストとして、
まずは薬草採集を受けていただこうと思いますが、
よろしいでしょうか?」
タニアさんは、
なぜか僕ではなくレーヴァの方を窺うようにしながら言った。
「僕はいいと思うけど、どうかな?」
「そうですね……
マスターの初クエストとしては少々物足りませんが、
まずはチュートリアルを受けておくのも悪くありません」
「チュートリアル?」
「いえ、問題ありません」
その瞬間、
タニアさんが露骨にほっとした顔をした。
……ほんとなんだかすみません。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
いよいよ初クエストです。
まずは冒険者らしく、堅実に?いきます。
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