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【お陰様で4万pv】ハズレスキルで"最弱"霊獣ダンゴムシを引いた俺、実は"最強"霊獣だった件〜戦争を止めろ!王都の次は世界を救え  作者: タルトタタン
第四章 ダニエル救出編

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26 水底へ消えた相棒

 リクが振り返る。

「ダンさん泳げないだろ!!」

「溺れるぞ!!」

「少しくらいなら大丈夫!!」

 ダンさんはそう言うと、ぴょんっと壁へ飛びついた。

 小さな足が石壁に食い込む。


 水が湧き出てる穴へよじ登るが──


 濁流が身体を叩く。

 ザバァッ!!

「うわっ!」

 顔面に水を浴びる。

 だが落ちない。


「もう少し……!」

 穴との距離はあと数メートル。

 しかし。


 ゴォォォォッ!!

 激流が再び叩きつける。

「わわわわっ!?」

 ダンさんの身体が大きく揺れる。

 壁にしがみつきながら必死に耐えた。


「ダンさん!!」

 リクの悲鳴が響く。

「おいらなら大丈夫!」

 そう言った直後。


 ザバァァッ!!

 さらに大量の水が顔面へ直撃する。

「あわわわわっ!!」

 小さな足が滑る。


 だが。

 なんとか踏ん張った。


「い、今だ……!」

 背中の泥を掴み、丸める。

 ──そして霊力を込める。


「泥団子――!!」

 ダンさんの瞳が輝いた。

「百発百中で当たる魔法!!」


 ビュンッ!!

 泥団子が放たれる。 

 激流を切り裂き。

 一直線に飛ぶ。


 そして――

 ビシャッ!!

 水の噴出口へ命中した。


 一瞬。

 何も起きない。

 次の瞬間。

 ググググッ――。

 泥が穴へ押し込まれていく。


 そして。

 ピタリ。

 水が止まった。

「止まった!!」

 エトが叫ぶ。


「やった!!」

 リクも拳を握る。


 ララが水面へ顔を出す。

「はぁっ……はぁっ……」

 ようやく呼吸ができる。

 ダニエルも安堵の息を吐いた。

「助かった……」



 その時だった。

 バサバサバサッ!!

「えっ?」

 ダンさんの目が見開く。

 天井付近の闇から飛び出した数匹のコウモリ。

 一直線にダンさんへ突っ込んだ。


 ドンッ!!

「わっ!?」

 小さな身体が大きく揺れる。


 足が壁から離れる。

「ダンさん!!」

 リクが叫ぶ。

 ダンさんは空中で必死に手足を動かした。

 だが届かない。


「しまっ――」

 次の瞬間。

 ドボォォォンッ!!

 ダンさんの身体が濁流の中へ消えた。


「ダンさん!!」

 リクの悲鳴が響く。

 ダンさんの姿は一瞬で見えなくなる。


「くそっ!!」

 ダニエルは反射的にララの背から飛び降りた。

「ダニエルさん!?」

 エトが叫ぶ。

 だがダニエルは構わない。


 水中へ潜る。

 ザブッ!!

 冷たい濁流が全身を包む。

(いた……!)


 薄暗い水の中。

 激流に流されながら沈んでいく小さな影。

 

 ダニエルは必死に腕を伸ばす。

 あと少し。

 あと少しで届く。

「っ……!」

 指先が触れそうになる。


 ──だが。

 ゴォォォォッ!!

 濁流が二人の間を引き裂いた。


「なっ……!」

 ダンさんの身体が横へ流される。

 ダニエルも逆方向へ押し流される。


 指先が――

 かすめた。

 それだけだった。

 掴めない。

 届かない。


(待て……!クソっ!濁って見えねぇ!!)

 必死に泳ぐ。

 だが水流の勢いがそれを許さない。


 

 それでも手を伸ばした。

 しかし。

 ダンさんの小さな姿は。


 濁った闇の奥へ沈んでいく――。

「ダンさんっ!!」

 水面へ顔を出したダニエルの叫びが、水牢に響いた。






続く

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