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【お陰様で4万pv】ハズレスキルで"最弱"霊獣ダンゴムシを引いた俺、実は"最強"霊獣だった件〜戦争を止めろ!王都の次は世界を救え  作者: タルトタタン
第四章 ダニエル救出編

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19 石を齧るダンさん

 「ダンさん? どういう事だ?」

ダンさんは、ぴょんと外壁へ飛び乗る。


 そして、鉄格子の周囲の石壁に触れた。

「……やっぱりな」


  カリッ――。

  一口、石を齧る。


  すると。

ぽろり、と欠片が崩れ落ちた。

「この石、北部の寒さで劣化しにくい石だな」

「でも、その分――強度は弱い」


  ダンさんがニヤリと笑う。

「この石なら、おいら削れるぞ!」


「えっ……!?」  エトが目を見開く。


「柵そのものは無理でも――」

「周りを削れば、柵ごと外せる!」


「そんな事が……」


ダニエルが、わずかに顔を上げる。

「ダンゴムシの霊獣が……」

「へへっ。おいらこういう穴掘り系は得意なんだ!」


 ダンさんは胸を張る。

「さっそく齧るぜぃ!」


 ガリガリガリ――。

静かな夜に、石を削る音が響き始める。


  その音を聞きながら。

エトは、初めて少しだけ安堵した表情を浮かべた。


───


 同時刻、城内訓練場。

夜気を裂くように、松明の火が揺れている。


 ヤコブは足を止めた。


  視線の先。

  そこには、審判服を着た二人の男が立っていた。

  訓練場の周囲には、最低限の兵。


  妙なほど静かで――妙なほど、整いすぎている。

 (……違う)

  胸の奥で、嫌な感覚が膨らむ。

 「……マルコ殿下」


 ヤコブが低く言う。

 「稽古のはずでは?」


 マルコはゆっくり振り返った。


 月光の下。

 その口元だけが、薄く笑っている。

「いや……決闘と伝えたはずだが」


 「ヤコブ」

マルコの視線が、真っ直ぐ突き刺さる。

笑っているのに、目だけが冷たい。


 その瞬間。

ヤコブは理解した。


(仕組まれている)


 これは逃げ場のない、処刑場だ。

   



続く


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