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「こんな生物、見たことない」
「ううっ!」
険しい表情をした三上が声を漏らして化け物に近づこうとしたので止めた。
親が殺されてんだ。仕方ないと言えば仕方ないが、この生物には表情がないからこの転がっている状態がどんなものかがわからない。
近付いたとたんにこの赤黒く染まった棘でぐさりって可能性も否定できないんだ。
パンッ!
突如響いた乾いた音に体がビクつく。
音の出所は宇崎さんだった。化け物に拳銃を向けていた。
化け物はギューギューと声なのか空気の漏れる音なのか分からない妙な音をだして胴体をよじった。
拳銃の当たったと思われる穴からピュッピュと白い汁を出している。
「一発じゃ無理か」
パンッ!
もう一発筒状の体に撃つと化け物はギューギューと鼓膜に心地の悪い音を出してその場でのたうちまわり、「しぶといな」とさらに一発の銃弾を撃ち込んだ所で動かなくなった。
「殺したんですか?」
「どこが心臓で頭で脳なのかわからない。そもそもそんな器官をもっているのかもわからない。だから死んだのかどうかもわからない。いいか、近づくんじゃないぞ」
宇崎さんの言う通りだ。
胴体の穴から発せられていた光も消えたし触手もぴくりともしなくなったけど死んだかどうかはわからない。
気絶しているだけだったらと考えると一歩後ろに下がった。
「お父さん、お母さん」
三上がまた泣き出して、それを見た宇崎さんが「行こう。車に乗ってくれ」とうながした。
当然だ。この化け物は一匹じゃないんだ。あたりにも潜んでいるかもしれないんだから。




