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星を紡ぐ魔法使い  作者: しふぉん
第一章 新芽
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【第6話】 魔法

「こ、こんにちわぁ……」


目の前に広がったのは薄暗い書庫?......と言うよりは物置小屋に近いみたいなところだった。左も右もびっしりと本が棚に置かれていた.....あと何故か薬品臭い。


うぅん...え?ほんとに人いる?


「ぁえっと......パパ?ひだまりしょてんってここで合ってる?」


「あぁ、合ってるぞ」


「なら、てんいんさんよばないとだよ?」


「ははは、ここには店員なんか居ないさ、いるのは店長ただ一人」


その時だった、奥の部屋からガサガサと人が物をかき分けて来るような音が聞こえた。


「久しぶりだな、ガルシア」


出てきたのは、お父さんと同じくらいの年齢に見える大柄な男性だった。

鋭い目つきに無精ヒゲ。黒いコートを羽織ったその姿は、お世辞にも「街の本屋さん」には見えない威圧感を放っている。怖すぎて思わずお父さんの服の裾をキュッと掴んでしまった。


「ヒッ...パパぁ」


……すぅぅ...あの...むっちゃ怖いんだけど。


「なんだ、誰かと思ったらアルか...」


「おぉい...その呼び方やめろって前いったよな?」


「はは、いいじゃないか呼び方なんて...ところでお前の横にいる子はだれだ?」


ギロリ、と鋭い眼光が僕に向けられる。うわ、目が合っただけで蛇に睨まれたカエル状態なんだけど……!


「ああ、俺の子だ、名前はアルセラ。ほら、アルセラも挨拶しなさい」


「あ、アルセラです...」


こ、怖ぇぇ......


「おう、よろしくな……坊主。しっかし、あのアルに子供ができるなんてなぁ……なんだか感慨深いぜ」


「お前、俺の過去をなんだと思ってんだよ」


どこか遠い目をするガルシアさんに、お父さんは苦笑いを浮かべながら呆れたように肩をすくめた...あれ?思ったよりいい人っぽい?


「パパ、家で言ってたアレって?」


僕はお父さんの袖をクイッと引っ張った


「おぉ、そうだな...ガルシア、ちょっとお願い聞いてもらってもいいか?」


「おう、なんだ?」


「アルセラに魔法を教えようと思うんだが、お前のところに魔導入門書的なのないか?」


「ま、まほう!?」


ついに来た、僕が待ち望んでたものが!








「魔法なぁ……」



ガルシアさんは顎の無精ヒゲをガリガリと掻くと、奥の棚から拳ほどもある透明な水晶玉を取り出してきた。


「言っておくが、誰でも魔法が使えるわけじゃねぇ。まずはこいつに手をかざしてみろ」


「ガルシア、それは?」


「はぁ......お前には前話したろ?魔力量を測るやつだよ。全く、相変わらず物忘れしがちなんだな...アル」


「うるさいぞ、ガルシア」


「まぁいいさ。ほれ、坊主...手をかざしてみな」


カウンターに置かれた水晶を、僕はゴクリと唾を飲み込んで見つめる。じっと息を呑むお父さんに見守られながら、小さな手をそっと水晶へ重ねた。


────次の瞬間、水晶の奥からまばゆいばかりの青い光が溢れ出し、店内をパッと照らし出した。


「うおっ……!?」


「なっ……!?」


ガルシアさんとお父さんの目が見開かれる。光はどんどん強くなり、小さな水晶全体が割れそうな勢いで輝いていた。


「が、ガルシア......アルセラって...」


「あ、あぁ。しっかし、生きてればいいことあるってホントだったんだな」


お父さんとガルシアさんは信じられないといった様子で頭を抱えた...。するとガルシアさんは不敵な笑みを浮かべて僕を睨みつけた。


「……ふん。坊主、驚いたぜ。生まれ持った魔力量だけなら、そこらの人間の大人より遥かに上だ。よくそれほどの魔力を持って今まで生活してこれたな...大したもんだ、これなら……努力次第で一流の魔法使いになれる器だぞ」


「い、一流の魔法使い……!?」


僕は思わず口角が上がった。


「ああ、だが勘違いしないように言っておくがな、 どんなに大きな器を持ってたって、中身を鍛える地味で泥臭い努力ができねぇ奴はただの宝の持ち腐れだ。……地道な修行から逃げねぇ覚悟はあるか?」


地道な修行......その言葉を聞いて前世の受験勉強のことを思い出してしまった...いや、あれよりかは地獄じゃないはずだ、よし...やってやるぞっ


「はいっ!僕、一流の魔法使いになれるようにがんばりますっ!」


なんて...口ではこういったが正直僕はまだ不安だった。ほんとに魔法なんて使えるんだろうか。


「よしっ、いい返事だ...てことで少し待っててくれ」


ガルシアさんは満足そうに頷くと、ドタバタと大きな足音を立てて店の奥へと消えて行った。残された店内には、古本の独特な匂いと静寂が広がる。


「……よかったな、アルセラ」


頭の上から優しく降ってきた声に顔を上げると、お父さんが少し誇らしげな...でもどこか寂しそうな顔で僕を見下ろしていた。


「パパ、僕魔法のお勉強頑張る!」


「そうだな……しかしあいつがあそこまで言うのは珍しい。......本当に、自慢の息子だよ」


「パパ……」


「でもなクリス、才能も時には自分を苦しめる刃になることだけはちゃんと理解しておくんだぞ...。」


「うんっ」


たしかに、才能があるやつって嫉妬されやすかったり利用しようとしてくる人もいるからな、お父さんの言ってることもわかるなぁ。それはどこに行っても同じなんだな...。


そんな会話をしてる時に奥からガルシアさんが一冊の薄い本を持って戻ってきた。


……ん? 思ってたより全然薄い……ていうか、表紙に可愛い魔法使いのイラストが描いてあるんだけど?...え?こ、これが魔法入門書?


「……ガルシアさん、これって?」


「おう、一見ただの子供騙しに見えるだろ? だがな、魔法の基本中の基本だ。魔力の巡らせ方が一番わかりやすく書いてあるのは、結局こういう入門書なんだよ」


へぇ、てっきりよくある理論ややり方とかを教科書風に書いてるのかと思ったけど、こういうポップな感じで書かれてるほうがわかりやすいんだろうなぁ。


「ありがとうございますっ!ガルシアさん」


「おうよ、だが改めて言うぞ。才能があるのと一流の魔法使いになれるとでは話が違うからな、ちゃんと努力を重ねて才能を磨けば自然と実力はついてくる、慢心せずに鍛錬を怠らないことだな。」


「はい、がんばります!」






こうして僕は魔法と初めて出会った。




えー昨日は投稿できずすみませんでした。

なんか最近忙しくなってきたのでもしかしたら投稿ペース落ちるかもしれないです( i꒳i )

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