【第5話】王都観光と陽だまり書店
ほんとに来たんだ……異世界に。
「うわぁ......すごぉい!」
「だろ〜?アルセラ、王都は1日かけても端から端まで行けないくらい大きいんだぞ。」
なるほどね、どうりで人がいっぱい集まるわけだ。たしかにここには仕事や娯楽があって生活するには困らないと思うけど...まず真っ先に来たのは......匂い。あちらこちらに馬のフンや
「パパぁ...なんかここくさいよぉ」
「ん?あぁ...まぁなぁ...人がいっぱい集まるからしょうがないよ、でもこれでもまだ綺麗な方なんだぞ〜?」
えぇ...嘘でしょ、綺麗なのは建物だけで路上とかは綺麗じゃないのか......なんか思ってた王都と違うなぁ。
「パパ、そのひだまりしょてん?はどこにあるのぉ?」
「まずはアルセラ、せっかく王都に来たことだし観光するのはどうだ?」
「かんこう!行きたいパパ!」
パァッとした笑顔でお父さんと観光することになった僕...正直めちゃくちゃ楽しみである。なんせ今までフィクションの世界だと思っていたからね、でも……やっぱりくさい。鼻が曲がりそうになっていると、ふと街灯らしきものが目に留まった
「パパ!あれなに?」
僕は右斜め前の街灯らしいやつを指をさしてお父さんに尋ねた。一瞬電気?...かと思ったけどここは異世界だからそんなもんはないよなぁ...ならなんなんだろ。しかも中に石みたいなのがふわふわ浮いてる......
「ん?あぁあれは魔鉱石っていう魔力を帯びた石で作られた照明だね、あれは光の魔鉱石」
ま、魔鉱石!?な、なんてこった...いきなりファンタジー要素と出会っちゃった。
......ん?しかも今光の魔鉱石って言った?なら他にも色んな魔鉱石があるのかなぁ。ん?あれはなんだろ...
「じゃあパパ、あれは何?」
次に僕が見つけたのは色んな服やローブがあるお店?らしいところだった...まぁ多分服屋さんなんだろうなとは思うけど...
「ああ、あれは服屋兼仕立て屋だね。街の人が着る普段着から、魔法使いや学者が着る特別なローブまで売ってるんだ」
「へぇー! あの黒くて長いお洋服、かっこいいねぇ」
いやぁ、やっぱりローブはかっこいいなぁ..... やっぱり魔法使いはローブを着るのが定番だよねっ。.....よく見ると、刺繍の色や生地の質感でランクや階級が分かれてそうだぞ?
いつか僕もあんなカッコいいやつ、着られるようになるんだろうか......
いや、着られるようになるんだろうか......じゃなくて着られるように頑張るんだ!
────そしてその後も観光を一通り楽しんだ。
「さぁて......観光もたっぷり楽しんだし、そろそろ目的地に行こうか」
あ、そうだった...あまりに夢中になりすぎてて本来の目的を忘れちゃうところだった。
「うんっ!」
そうして僕は、お父さんの後ろをついて行った。父はこの道に慣れているのか、やけに歩き方に迷いなくスムーズに歩いている。
普通の人ならこんなところに来るわけないとわかるほど大通りから外れた薄暗いところ。
……ちょっと怖い。
「パパぁ......いつまであるくのぉ?もう僕疲れたよぉ」
「もう少しだから頑張れっ」
いや、普通四歳児に歩かせる距離じゃないって思うほど歩いたんだけど、せめて抱っこだけでもしてほしかったなぁ。
「よし、着いたぞアルセラ。ここが『陽だまり書店』だ」
「ここ?」
それは大通りから少し離れた、静かな路地裏の一角にひっそりと佇んでいた。
店の前に掲げられた木彫りの味わい深い看板には、『陽だまり書店』と刻まれている。
うぅん……一見すると潰れかけの書店にしか見えない、失礼だけど。
「アルセラ、そこにドアがあるだろう?開けて中に入ってみるかい?」
「う、うんっ!」
僕はごくりと唾を呑み込む。
お父さんは優しく僕の背中を押すと、ドアノブに手をかけた。
ガチャッ
カランコロン、と小さなベルの音が響く。
「こ、こんにちわぁ......」
皆さん、今週もお疲れ様でした。
次回も今日と同じ時間に出せればなと思い頑張ります(ง •̀_•́)ง




