【第4話】初めての王都
ガタゴトと揺れる馬車内、もう随分座ってるからさすがにおしりが痛くなってきた......そういえば王都ってどんなところなんだろ、聞いてみるか。
「ねぇパパ、王都ってどんなところ?」
「王都か?うーん......一言で言えば色んな人達が集まるところかな」
「へぇ〜たのしみだなぁ」
人が集まる......ということは政治もそこが中心なのかな、日本でいう東京みたいな感じかな。
まぁ、東京よりかはスケールが大きすぎるとおもうけど。......あ、他種族もいるのかな、聞いてみるか
「パパ、王都って人間しかいないの?他の種族とかは?人間とみんな仲良しなの?」
「......」
その時、父は僕の方を一瞬探るような目で僕を見つめる。.......あ、まずい....さすがにやりすぎたかな。
「ぱ、パパ?」
「......まぁ、仲良しって言うと違うがお互いに上手く暮らそうと頑張ってるんだ、だからアルセラも他種族の人と関わる時は種族とか関係なしにその人自身のことをちゃんと見るんだぞ」
あぁ...仲良しではないんだなぁ、ならなんだろう...利害関係とかの一致で仕方なく暮らしてるだけなのかな......しかも今お父さん妙に顔をひきつらせてたなぁ、さすがに踏み込みすぎたかな。
その後も色んな質問をした、お父さんは嫌な顔ひとつしないで僕の四歳らしい質問に答えてくれたりした。
────数時間後
「おぉアルセラ!見ろ!あれが王都を囲む城壁だぞ!」
やけにテンションが高いお父さんを横目に僕はお父さんが指をさした方角を見た、そして言葉を失った
「す、すごいぃ」
無理もない、目に飛び込んできたのは頑丈な石レンガで周囲をぐるーっと築かれた壁でその要所要所に門とその前に立つ兵士が見えたからだ。
「すごいだろう、あの向こうが王都リオネールだ」
リオネール...それが王都の名前らしい
……まぁ、由来が何なのかは知らないけどね。
しばらく進むと長蛇の列を見つけた。おそらく検問所なのだろう、まぁこんだけでかい国なら当たり前か。
よく見ると長蛇の列の先に三つの門があった。
「パパ、あれなぁに?」
「あれは検問所だよ、王都に入るにはあそこを通らなきゃいけないんだ」
「なら、あのとなりにある誰もいないところは?」
「……あそこは高貴な貴族様や、お城の偉い魔法使い様たちが通る門さ。審査なしで通れるんだ」
お父さんの声が、一瞬だけ低くなった。なるほどね、露骨な身分制度があるところか
......ん?なんだあれ。
「っ....」
「どうした?アルセラ」
「な、なんでもないよ!パパ」
見ただけでわかった。……あそこは人間以外の種族が通るところだ、 ボロボロの布を纏い、まるで家畜のように重い鎖で繋がれた異種族たちが、白銀の鎧を着た兵士たちに乱暴に突き飛ばされながら暗い檻のような通路へ押し込められていた。
現代で言う人種差別や奴隷制が、この世界では当たり前にあるってことね……。
うぅ胸がキリキリ痛む......。
「パパ......王都に入るの楽しみだね!」
「あぁ、初めての王都なんだから存分に楽しめよ?アルセラ」
「うんっ!」
そうして検問所についた、そこでは兵士たちが商人や通行人の馬車に乗り荷物をガサツに検査し通していた。
その時前の馬車に乗ってる商人が検査しに来た兵士になにか渡してるものが見えた、おそらく通行税だろう。......あ、やっぱこの世界でも通行する時にはお金はいるんだなぁ……。
そして僕たちは何事もなく検問所を突破した、今は石レンガのトンネルを通っている。
.....ちょっと怖い。
「怖いか?アルセラ」
なんでこの人は無駄に察しがいいんだ......。
「こ、こわくないっ...もん」
「嘘つけ〜震えてるぞー?」
「こ、これはさむいから!」
こんな会話をしてるうちに前が明るくなってきた。
馬車がトンネルを抜けた瞬間、まばゆい太陽の光と一緒に、大勢の人々の賑やかな喧騒がどっと馬車内に飛び込んでくる。
眩しさに目を細めながら窓の外を覗き込んだ僕は、思わず言葉を失った。
どこまでも美しく続く広大な石畳の道路。見たこともないほど立派な石造りの建造物が立ち並び、行き交う人々や馬車で溢れかえっている。
セネル村とは比べものにならない、圧倒的な富と活気がそこには満ちていた。
「すごいだろう、アルセラ。ここがこの国の中心、王都リオネールだ」
お父さんが誇らしげに僕の頭を撫でる。
「うんっ……! すっごくおっきいね、パパ!」
僕はきらきらと目を輝かせながら、純粋な笑顔をお父さんに返した。
だが、幼い無邪気さの裏で、僕の心臓はこれまでにないほど激しく、うるさいほどに脈動していた。前世の十八年間の常識を遥かに超える、新しい人生の本当の舞台が目の前に広がっていたのだ。
ほんとに来たんだ......異世界に。
次も金か土の20〜21に投稿する予定
めちゃ悩みながら書いてました。




