【第三話】そうだ、王都へいこう
僕がここに来て......いや、正確には生まれての方が正しいか、とにかく四年が経った。
この四年で特に何かあった訳でもないが......
少しづつだけど自分の置かれてる状況がわかってきた。
まず、ここが僕の知っている現代日本ではないこと。
窓の外に広がるのは、見渡す限りの緑と、見たこともない巨大な樹々。僕の住んでるここ「セネル村」はのどかで自然が豊かなところだ。文明の利器なんて何ひとつない、いわゆる異世界というやつだ。
まぁ......だからと言って何か特別なことはないけど。
あえて言うなら、僕は結構いい暮らしをさせてもらってることかな。
大きくて綺麗な家と、毎日美味しいご飯。そして何より……「魔法」がある。
え?異世界なんだから魔法があって当たり前だって?
いやまぁ……頭では分かっててもさ。
前世で漫画とかゲームの中の存在だったものが、目の前で当たり前に使われてるのを見るのは……やっぱり感動するんだよ......うん
その時お母さんの声が聞こえた。
「アルセラ〜ご飯よ〜」
「はーい、ママのご飯たのしみー」
あ、あとわかったことがもう一つだけ......赤ちゃんっていいなぁ。
食堂に入ると、すでに美味しそうな匂いが漂っていた。
「アルセラ、おいで。お肉焼けたわよ〜」
そう言って笑顔で皿を運んでくるのが、お母さんのエレナ・ハイデンベルクだ。優しくておっとりしているが、指先から魔法でポッと火を出す姿はいつ見ても格好いい。……あとすっごい美人
「こらエレナ、料理に魔法を使うなと言ってるだろ。……アルセラは今日も可愛いなぁ」
呆れ顔で注意しつつ、僕を見るなりデレデレな顔になるのが父のアルフレッド・ハイデンベルク。元剣士らしい厳つい見た目のくせに、僕にはすこぶる甘い。......正直僕は甘やかされるのはあまり慣れてない。
そんた時にお父さんがこんなことを言った。
「よし、アルセラも四歳になったことだしそろそろアレを始めてみるか。」
「パパ、アレって?」
「それを知るなら......王都にある陽だまり書店に行かなきゃな!」
「お、おうと!?」
その言葉を聞いた瞬間、僕は開いた口が塞がらなかった。
なぜなら、僕は今まで話でしか王都のことを知らなかったからだ。
「ちょっとあなた!何を言っているの!」
急にお母さんが鋭い眼光でお父さんを睨みつける......やっぱお母さんはどこに行っても怖いんだなぁ。
「アルセラはまだ四歳なのよ?そんな早くから練習させちゃって大丈夫?」
練習?......なんだろう、でも一つだけわかる
……多分決定権は僕にある。
でもせっかくのチャンス、ここで失うわけにはいかない!
「れんしゅうってなぁに? パパ、お買い物いくの? 僕も王都いってみたい!」
僕は首をかしげながら、4歳児の無邪気さ全開でお父さんの方を見た。お恥ずかしながら、前世から異世界知識や魔法への興味があったがゆえの好奇心には勝てなかったのだ。
「……ほら見ろエレナ! アルセラもこう言ってるぞ!」
「もう、クリスがそう言うなら断れないじゃないの」
────数日後
「アルセラ、忘れ物はないか?」
「うんっ!ないよパパ!」
王都に行くからなのか、それとも初めての家族と行くからなのか分からないが今日の僕はやけに上機嫌だった、まるで遠足前日にワクワクして寝れない子供みたいな......そんな感じだ。
「「いってきまーす!」」
こうして僕は、初めての「王都」へ向けて出発した。
読んでいただきありがとうございます
今回は3話分一気に出してみました!
初投稿ってすごいドキドキするんですね




