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6-1・藤原組の戦い

 最初の関門・ダークファントムとの戦で、頼れるツィホーさんが真っ先に脱落をした。セフィレ&セイドール&ショーフは「どうする?また寝返る」なんて相談をしちゃっている。


「シッカリしろ!情けねーこと言ってんな!」


 僕&真田さん&陽ちゃん(吉見くん)&武藤さんは動揺しまくっているんだけど、藤原くんだけが動じていない。勝ち筋があるの?


「本音を言えば、ツィホーのオッサンにもう少し善戦してもらって、

 アイツ(ダークファントム)の手札を暴いてもらいたかったんだがな。

 こうなりゃ、俺等でヤツの底を引っ張り出すしかない」


 勝ち筋は戦いながら作るっぽい。


「沼田のヒールと、オッサンのリダクションは借りっぱなしだよな?」

「う、うん」


 確認したら、どちらもレンタル状態になっている。


「ヒールの有効人数は?」

「多分2人・・・かな」

「先ずはリダクションを使ってくれ!」


 リダクションは僕以外が受けるダメージを軽減してくれる。僕を後衛にして戦うってこと?


「吉見!俺等の戦いを見て戦略を組め!」

「了解!」

「早璃!動けるか?」

「うん!任せてっ!」

「ヤツの飛び道具に気を付けて、深追いしない戦いだ!」

「うん!」


 真田さんは、その場でピョンピョンと飛び跳ねて、足の痛みが無くなったことを確認する。


「僕も戦えるよ!」

「アホッ!オメーは下がってろ!」

「でもっ!」


 真田さんを前に出して、僕が見学してるなんて有り得ない。


「戦線に出れば良いってわけじゃねーんだよ!

 オメーが潰れたら、ヒールとリダクションはアテにできなくなる!

 これは、オマエの補助が基点の作戦なんだ!」

「・・・う、うん」


 僕の“勇敢”は“無謀”と判断されてしまった。


「いいな、オメー等!

 オッサンは迂闊すぎただけ!

 要は、戦ってもいねーうちにビビるなってことだ!」


 藤原くんの言う通りだ。これが、喧嘩になる前に白旗を上げちゃう僕と、喧嘩慣れをした藤原くんの違い。前よりも勇敢になったつもりだったけど、まだ藤原くんの胆力には全然及ばない。


「富醒!レンタル!!・・・リダクション発動!!」


 どの程度のダメージ軽減ができるかは解らないけど、僕以外の全員に特殊効果が干渉する。

 藤原くんがグラディウスを構えて突進!


「富醒・ピークエクスペリエンス発動!・・・ファイヤー!!」


 真田さんが魔法の火の球を飛ばした!だけど、ダークファントムは左掌を翳して黒い障壁を発して受け止め、火の球を真田さんに弾き返す!


「おぉぉっ!」


 その間に接近をした藤原くんがダークファントム目掛けて剣を振るう!しかし、後退で回避をされてしまう!


「やぁっっ!」


 ダークファントムの死角側から近付いた真田さんが、ダガーナイフの突きを放つけど、リーチの短さと「深い追い禁止」の為に、楽々と回避されてしまう。


「アイシィクルっ!」


 真田さんの突き出した魔石ダガーから氷柱が発せられて、ダークファントムに向かって飛ぶ!しかし、ダークファントムが左掌から放った障壁に弾き返されてしまう!


「きゃぁっ!」


 戻ってきた氷柱が真田さんに着弾!


「真田さんっっ!!」


 堪えきれなくなって飛び出そうとしたら、陽ちゃんに腕を掴んで止められる。


「まだだ、みこっちゃん!藤原くんが仕掛けるつもりだよ!」


 ダークファントムとの距離を2mくらいまで詰めた藤原くんが、剣を持ったまま両掌を翳していた!


「はぁっ!ファイヤー!!」


 藤原くんが発した火球がダークファントムに向かって飛ぶ!


「え?藤原くんが魔法を?」


 ダークファントムは右掌に障壁を作って火球を受け止めた!


「まだ解らぬか?

 我が障壁は、大小に関わらず、いかなる攻撃も弾き返す!」


 弾き返された火球が藤原くんに着弾!


「とわぁぁぁぁっっっ!」


 次の瞬間、サーベルを構えた陽ちゃんが突進をしていた!


「えっ?えっ?陽ちゃん??なんで???」


 性根の「喧嘩は苦手」は僕と同レベル。1年前の戦いで、僕は前線に立つ機会が多かったけど、陽ちゃんは参謀に徹して前線には出なかった。


「無謀すぎるってっ!」


 慌てて追うけど、出遅れてしまってフォローできそうにない。

 陽ちゃん、メッチャ隙だらけ。戦慣れしていない陽ちゃんのへっぴり腰な攻撃では、届く前に迎撃をされるのが目に見えている。僕でも、陽ちゃんの攻撃を受け流して、一撃を入れることができそうだ。


「とわぁっ!」


 余裕で迎撃できそうなのに、ダークファントムは大きく後退をして回避!体勢を立て直して、踏み込んできた陽ちゃんに掌を向け、光弾を放つ!


「ひやぁぁっっっ!」


 弾き飛ばされた陽ちゃんが転がりながら僕のところまで戻ってきた。


「大丈夫?」


 手を貸して、陽ちゃんを立ち上がらせる。


「うん、痛いけど、みこっちゃんのダメージ軽減効果のおかげで大丈夫」

「なんで、あんな無茶なことを?」

「君が言うほど無茶じゃないよ」


 陽ちゃんが、体勢を立て直した藤原くん&真田さんを順番に見詰める。


「2人とも見てた?今のが僕のストラテジーで導き出したタイミングだよ」


 真田さんと藤原くんが頷く。2人の態度を見て僕も理解した。今の一連は、真田さんと藤原くんの攻撃が囮で、陽ちゃんの突撃が本命攻撃。今までは「深い追い禁止」だったけど、タイミングを把握したここからは、本気の攻撃に切り替わる。

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