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5-5・ダークファントム

 ダーク四天王、立派なのは名前だけでメッチャ弱かった。

 ツィホーさんは動揺で戦意を喪失させていたけど、藤原くんが気勢で威嚇をしながら突進をしてダークプリティー(セフィレさん)の体勢を崩す為に太腿を蹴ったら「男のクセに女の子に暴力振るった」と言われて泣かれた。


「やってらんねー!睦姫、早璃、あとはオマエ等で何とかしろ」


 藤原くんがダークプリティーに謝罪をして引き下がり、代わりに真田さんと武藤さんが前に出る。武藤さんが足早に近付いて、ビビっているダークセクシー(ショーフさん)の髪を掴んでビンタしたら泣き出した。真田さんがダークラブリー(セイドールさん)に近付いて「わっ!」って大声を上げて脅かしたら尻もちを付いて泣き出した。

 以上で戦闘終了。


「なんなの、この人たち?」


 ツィホーさんの恋人さん達は、ダークファントムに洗脳されていたのではなく、寝返っていたっぽい。


「寝返ったとかって大層なもんじゃなくて、ダークファントムって奴が

 ツィホーより強かったから惚れちまったんだろ?」

「モーソー人って、いつもそんな感じだよね?」

「な、なるほど」


 藤原くんと陽ちゃんに言われて納得できた。異世界の女の人って、強い人、ちょっと優しくしてくれた人、場合によっては特に何もしていないの会話をしただけで一目惚れをしちゃうんだっけ。


「セフィレ、セイドール、ショーフ、すまなかったな!

 二度とオマエ等のことは離さない」

「ツィホーっ!」×3


 ツィホーさんが優しく接したおかげで縒りが戻ったみたい。ダーク四天王の3人を新たな仲間に加えて、僕等は城に突入をする。


「四天王ってことは、あと1人いるのかな?

 ツィホーさんの彼女さん達みたく、あんまり強くないと良いんだけどね」

「マジュさんを入れて4人のつもりだったけど、

 逃げたから3人しかいないんじゃね?

 ボスに媚びるために勝手に四天王を名乗ってたっぽいし」

「ああ・・・なるほど」


 真田さんに言われて「四天王なのに3人しかいない件」は納得できた。



 玉座の間に乗り込んで、城主と対峙をする。


「我が名はダークファントム」


 漆黒のローブを着た長身の不気味な男だ。黒いローブを着ていただけのダークプリティー(セフィレさん)達とは別格の雰囲気を発している。


「あの・・・僕等は、東の果てに行きたいだけです。

 あなたの領地を荒らす気はありませんから通してもらえませんか?」

「我が領地を通過することは許さん」

「ミコト殿!奴との問答は無用!押し通るのみです!」


 ツィホーさんがダークファントムの前に立って睨み付け、聖剣・天地真理を抜刀して構えた!


「うおぉぉぉっ!!超ミラクルブラックホール弾っっ!!!」


 切っ先から放たれた漆黒弾がダークファントムに向かって飛ぶ!


「フン!この程度の力量で私を討伐するつもりか?片腹痛い」


 ダークファントムが掌を翳して気合を発したら、超ミラクルブラックホールは跳ね返されてツィホーさんに着弾!


「うわぁぁぁぁぁっっっっ!!!」


 ブラックホール弾に飲み込まれたツィホーさんが消滅をする!


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」×たくさん


 目の前で何が起きたのか直ぐには理解できず、ツィホーさんが立っていた場所を3度見して「間違いなくツィホーさんは居ない」と確認してから、仲間達と視線を合わせる。仲間達も「嘘でしょ?」って表情をしていた。


「えぇぇぇぇっっっ~~~~~~~~~~!!!!」×たくさん


 ツィホーさんを心配しなきゃなんだろうけど、そんな余裕は無い。僕等自身を心配しなきゃならない。


「ヤバいんじゃね?」

「ヤバいよね」

「確実にヤバいでしょ!」

「アイツなんなの?」

「使えなさすぎだろうっ!」


 僕等は、ツィホーさんがいなければ、ここまで来られなかった。ツィホーさんの戦力に頼りきりだった。それなのに、頼みの綱のツィホーさん、真っ先に脱落しちゃった!


「どうしよう?とりあえず『領土を通過しません』って謝って逃げる?」

「内地まで撤退して戦力を立て直すべきだろ」


 真田さん&武藤さんの案に乗りたい。弱腰ではなく、次戦で勝つ為の勇気ある撤退だ。どう考えても、僕等だけでどうにかなる相手ではない。


「でも、逃がしてくれるのかな?」


 陽ちゃんの言い分にも一理ある。でも、マジュさんは逃げたらしいから、どうにか逃げられるのではないだろうか?


「オメー等、狼狽えるな!」


 ビビりまくっている僕等に、藤原くんの一喝が飛ぶ。


「まだ戦ってもいねーのに、なに、負けの算段をしてんだよ!?

 睦姫まで一緒になって慌ててんな!らしくねーぞ!」

「だ、だけど・・・ツィホーさんがアッサリと・・・」

「尊人、オマエはヘタレのままか!?

 吉見、オマエの頭はカラッポか!?

 早璃、オマエの手足は飾りか!?

 ツィホーのオッサンは、無策で突っ込んだから返り討ちになった!

 アイツがマヌケだったってだけだ!」


 藤原くんのおかげで、少し気持ちが落ち着いた。さすがは藤原くん。肝が据わってる。

 でもどうするの?どう考えても、ツィホーさんを瞬殺した奴に勝つ手段なんて無いでしょ?


次話(6-1)の投稿は、一日空けて9月1日になります。

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