④Surpass the past(過去を超える)
対象の城は、小高い山の上にあった。功を焦って先行をしたSRが、山の中腹で城を守るレッサーデーモンの群れと遭遇をする。
「ひぃぃっっ!」 「こんなの勝てるわけない!」
「たすけてっ!」 「にげろっ!」
俺達が合流をした時、SRは這う這うの体で雑木の斜面を駆け下りていた。見る限り、空中にいるレッサーデーモン達はほぼノーダメージだ。
「おいおい、まだ本命の城にも到達していないのに玉砕かよ?」
過去の仲間達には過剰すぎる任務だったようだ。
「きゃぁぁ!」
魔術師のマジュが転倒をするが、剣士ケン&神官シン&武道家ブドーはお構い無しで逃げている。
「いやぁぁ!待って!たすけてぇ!!」
レッサーデーモンの群れが、マジュに狙いを定めて襲い掛かる!
「競合中のライバルとはいえ、見捨てるわけにはいかないよな」
愛刀・神託剣を抜刀!まだ距離のあるレッサーデーモンに切っ先を向ける!
「グレートファールフォース発動!」
剣先から発せられた光がレッサーデーモンに着弾!体勢を崩したレッサーデーモンは墜落をするが、直ぐに翼を広げて飛び上がり、俺を睨み付けながら咆哮を上げた!これで、モンスター共のヘイトは、マジュから俺に移った!
「やれやれ、過去の仲間達を救うため・・・力を開放するしかあるまい!」
レッサーデーモンの群れが、急降下をしながら俺に襲い掛かる!
「セフィレ、セイドール、ショーフ!
派手な奥義を発動させるから、可能な限り離れてろ!」
「はい!」 「やっちまえ、ツィホー!」 「任せるわ!」
仲間の女の子達が指示に従い、大きく後退をして物陰に身を隠す。
レッサーデーモンに個人的な恨みは無い。レッサーデーモン程度はいつでも倒せるので、適当にあしらうだけで充分。
「この場にいるのが俺一人なら見過ごしてやるが・・・
それで許される状況じゃないんでね!」
気合を込め、神託剣をを構えなおす!
「うおぉぉぉっ!!ブラックホール弾っっ!!!」
神託剣の切っ先から漆黒弾が放たれ、レッサーデーモンの群れを穿つ!2匹は丸ごと飲み込まれ、1匹は広げていた両翼の先だけを残して消え、残る2匹は胸から下を削り取られて墜落をした!
「全員消し去りたかったけど・・・半端に残骸が残っちまったか。
満点とは言えないけど、レッサーデーモン5匹が相手なら上出来だろう」
神託剣を腰の鞘に納刀して、雑木を掻き分けながら斜面を上がり、マジュの元へ。マジュは、スカートが捲れ上がった状態で、尻(下着)を丸出しにして俯せに倒れていた。相変わらず魅力的な尻だ。
「お仲間達はどっかに逃げちまったな。
あの調子じゃ、麓まで一目散に駆け下りてるかもな」
「くっ!アイツ等・・・」
マジュは悔しそうな表情で顔を上げた。
「俺達はこの先にある城を目指すが、君はどうする?
ケン達を追いかけるか?
それとも俺達と合流してクエストを遂行するか?」
「え?パーティーに加えてくれるの?」
「君をこんな物騒な場所で放置はできまい」
「私はツィホーくんを散々小バカにしたのよ!」
「そのおかげで、今の俺がある。
それに、俺は過去の仲間を見捨てるほど冷酷にはなれない」
マジュの表情が和らいだ。俺の提案を受け入れたようなので、手を差し伸べる。
「既存の仲間達の立場ってもんがあるから、
今回のクエスト報酬での君の取り分は10%。
それから、匂いを嗅ぐだの、尻や胸をガン見するなど・・・
身に覚えのない罪は君の自意識過剰と考える。
君を見るたびに痴漢扱いなんてされたらたまったもんじゃないからな。
これが君を仲間に加える条件だ」
頷き、俺の手を取って立ち上がるマジュ。空気が動き、慣れ親しんだ彼女の肌と髪の匂いが、俺の鼻を喜ばす。
「マジュさん、よろしく~!
私はプリティー担当のセフィレ!第一志望はツィホーの彼女で~す!」
「セイドール。奴隷だった私を救ってくれたツィホーさんには一生従います」
「セクシーの担当、ショーフよ。キャラ被りをしないように気を付けてね」
「どいつもこいつも、駆け出しのヒヨッコ冒険者かしら?
個人ランクBの私は即戦力でチームの№2になれそうね」
それぞれが握手を交わす。これで契約成立だ。我がBSに5人目の仲間が加わった。
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仲間達を回廊に残し、単身で玉座の間に乗り込んで、城主と対峙をする。
「我が名はダークファントム」
漆黒のローブを着た長身の男だ。
「何故、人々や東都市の騎士達を襲った!
何故、人類の外地探索を妨害する!」
「貴様等が我が支配地に踏み込んだからだ」
「何故、平和的解決を望まないんだ!?」
「人間と共存をする必要が無いからだ」
「だからって一方的に襲うのかよ!?許せん!」
「我が領土を踏み荒らさなければ、特に干渉をする気は無い」
「問答無用だ!人間の未来の為に、オマエを排除する!」
神託剣を抜刀!切っ先をダークファントムに向ける!
「うおぉぉぉっ!!ブラックホール弾っっ!!!」
切っ先から放たれた漆黒弾がダークファントムに向かって飛ぶ!しかし、ダークファントムが掌を翳して気合を発したら、ブラックホール弾は霧になって消滅をした。
「フン!この程度の力量で私を討伐するつもりか?片腹痛い」
ダークファントムが手を上げ、天井に人差し指を向ける。すると、ダークファントムの頭上に大きな球体が出現した。
「ウンディーネ召喚!」
光る球体から、上半身は裸で下半身が魚の尾の形をした青肌の美女が出現!咆哮と共に津波が発生して押し寄せる!
「ぐわぁぁぁっっっ!」
弾き飛ばされて石造りの床を転がる!
拙い。まるで歯が立たない。我が奥義が全く通用しないなんて想定外。奴がこんなに強いなんて思わなかった。




