コント集36
コント集36
251・・・息子です
352・・・京都弁
353・・・闇鍋
354・・・ヒーロースーツ
355・・・若いんだから
356・・・血圧
357・・・足ツボ
358・・・気になる会話
359・・・食器
360・・・親父
『息子です』
・登場人物
北島(探偵)
藤原(依頼者)
美幸(藤原の妻)
枝村拓実(長男)
西岡聖弘(次男)
藤縄廸人(三男)
高橋和志(四男)
大島健瑠(五男)
儀間愛真(長女)
・舞台
探偵事務所
明転。
胆手事務所。舞台奥、プロジェクターのスクリーン。舞台上手側デスク扶突に椅子二つ。デスクの上にはノートパソコンとプロジェクタ―。
北島、藤原、板付き。
藤原「探偵さん。妻は……私の妻は、不倫していたんですか……?」
北島「おそらく最低でも若い男が五人はいますね」
藤原「えぇ!?五股、いや、俺を含めると六股ですか!?」
北島「明らかな不倫ですね」
藤原「最近、食事代が嵩んでて妙な感じはあったんですよね……」
北島「お気持ち、お察しします。ただ一ヶ月となったので料金が……」
藤原「金に糸目は付けません!」
北島「そうですか……それでは、ここ一ヶ月で大量の証拠が出揃いましたのでそれをお見せします」
藤原「相手は……!?相手は誰なんですか!?」
北島「百聞は一見に如かずです。これを見て下さい」
スクリーン、美幸と拓実が食事をしてるシーン。
北島「この男、枝村拓実と言いまして、普段から家に出入りしている者です。少なくとも週に一回は会ってますね。この後、二人でランチに行きました。その後も見ますか?」
藤原「あ、結構です」
北島「ホテルに入ったりする様子は確認出来ませんでしたが、よく二人きりで会ってますね」
藤原「あ、大丈夫です」
北島「ショックが大きいのはお察しします。ですが……」
藤原「これ、息子です」
北島「えっ!?」
藤原「息子です」
北島「で、でも苗字が……?」
藤原「婿養子に出たので苗字が違うんです」
北島「あ、そうなんですね……申し訳ありませんでした」
藤原「いえ。似てないのは確かですから」
北島「そうですか……ではこちらをご覧下さい」
スクリーン、美幸と聖弘が食事をしてるシーン。
北島「二人目ですが、こちらは西岡聖弘と言って、週に一回は会ってますね」
藤原「あ、息子です」
北島「こっちもですか!?」
藤原「はい。婿養子に出たので」
北島「あ、そう、ですか……ではこちらをご覧下さい」
スクリーン、美幸と廸人が食事をしてるシーン。
北島「こちらは藤縄廸人と言って……」
藤原「あ、これも婿養子に出た息子です」
北島「えぇ!?じゃ、じゃあこれは……?」
スクリーン、美幸と和志が食事をしてるシーン。
北島「こちらは高橋和志さんなんですが……」
藤原「これも婿養子に出た息子です」
北島「読めてきたぞ……?じゃ、じゃあこれは……?」
スクリーン、美幸と健瑠が食事をしてるシーン。
北島「こちらは……?」
藤原「あ、婿養子に出た息子です」
北島「やっぱりそうか……ではこちらは?」
スクリーン、美幸と愛真が食事をしてるシーン。
藤原「娘の愛真です」
北島「あぁ、やっぱり息子……えっ!?む、娘さんですか!?」
藤原「何か問題が?」
北島「いや、かなり中性的なお顔立ちだなぁと思いまして……」
藤原「よく言われます」
北島「じゃ、じゃあ不倫関係ではなかったとという事で……?」
藤原「そうなりますねぇ」
北島「というか婿養子に出ていながら親にご飯代を奢ってもらってるんですね?」
藤原「お金にだらしないのが私の家系ですからねぇ……」
北島「は、はぁ……?では料金の方を請求したいのですが……?」
藤原「おいくらですか?」
北島「一日六千三百五十円×八時間×三十日で、長期割で割り引いて百五十万円になります」
藤原「それくらい払います!」
北島「あぁ、本当にお金にだらしない人だ……じゃあこちらの口座にお振込み下さい」
藤原「はい!お世話になりました!(舞台上手に退場)」
北島「はぁ……骨折り損のくたびれ儲けだったな……まぁお金貰えたから良いけど」
―――終わり
『京都弁』
・登場人物
北島(男性)
小川(女性)
・舞台
小川宅
※作者は京都弁に詳しくないので、詳しい方が翻訳して下さると助かります。
明転。
小川宅。テーブル一つに座布団二つ。
北島、小川、板付き。笑い合っている。
小川「もう、もう堪忍して!」
プロジェクター「もう堪忍して=もう耐えられん」
北島「え?あぁ、すみません。下らない話しちゃって……」
小川「え?いやいや、本当に面白くてお腹がよじれてしまいそうで」
北島「あ、そうですか」
小川「ほんま、よう言わんわぁ」
プロジェクター「よう言わんわぁ=呆れてモノも言えん」
北島「あ、つまんなかったですか?ごめんなさい」
小川「そんな事あらへんよ?ほんま元気な人ですなぁ」
プロジェクター「元気な人ですなぁ=ウザいよ」
北島「あ、ウザかったですか?ごめんなさい」
小川「何が?」
北島「元気な人って京都弁で『ウザい』って意味だって聞いた事があるもので」
小川「そんなの使ってるの古い人しかおらんわぁ」
北島「そうなんですか?」
小川「えぇ。ところでアンタ、洒落た物、着てはりますなぁ」
プロジェクター「洒落た物着てはりますなぁ=ダサっ」
北島「そんなにダサいですかね……?一応、オーダーメイドのスーツなんですけど……」
小川「ダサくない、ダサくない!そしてええ時計してはりますな?」
プロジェクター「ええ時計してはりますな=話が長い」
北島「あ、もうこんな時間か。そろそろお暇を……」
小川「え?もっとゆっくりしていって下さいな」
プロジェクター「もっとゆっくりしていって下さい=もう帰れ」
北島「え?でももう帰れって……?」
小川「アンタといると時間を忘れてしまうくらい楽しいんです」
北島「あ、そうですか?」
小川「喉渇いたなぁ」
プロジェクター「喉渇いたなぁ=もう帰ろうか」
北島「あ、俺、帰りましょうか?」
小川「いやいや、本当に喉が渇いただけなんよ。お茶いります?」
プロジェクター「お茶いります?=もう帰れ」
北島「あの、やっぱり帰りますよ?」
小川「何で?」
北島「京都弁ってそういう言い回しがあるじゃないですか?」
小川「あはは!アンさん面白い事言うなぁ!今時そんな言い方せんよ~!」
北島「そ、そうなんですか?」
小川「そうよぉ?ちょっと待ってておくれやす。(舞台上手に退場し、お茶を持って舞台上手から登場)お待たせしました~。お茶どす~」
北島「ありがとうございます(一気に飲み干す)」
小川「あら、そんなに喉が渇いてらっしゃったの?」
北島「お喋りのし過ぎですかね?楽しくて、言われてみてやっと喉が渇いている事に気が付きました」
小川「もう一杯、如何どすか?」
プロジェクター「もう一杯如何どすか?=もう帰れ」」
北島「あー……もう帰りましょうか?」
小川「何でそんなに帰りたがるの?ウチの事、嫌い?」
北島「いやいや!そんな事は!」
小川「じゃあもう一杯どうぞ」
北島「ありがとうございます」
小川「あ、ぶぶ漬けでもどうどすか?」
プロジェクター「ぶぶ漬けでもどうどすか?=もう帰れ」
北島「やっぱり帰れって言ってません?」
小川「何で?」
北島「ぶぶ漬けって京都弁で『帰れ』の代名詞じゃないですか?」
小川「そんな深い意味はあらんよ~!?ウチのぶぶ漬け、本当に美味しいから食べてみてほしくて言っただけどす!」
北島「そうなんですか?じゃあ頂きます」
小川「じゃあちょっと待ってておくんなはれ。(舞台上手に退場し、ぶぶ漬けを持って登場)お待たせ~」
北島「ありがとうございます。あ、本当だ!美味しい!」
小川「アンタ、ほんま美味しそうに食べはりますなぁ」
プロジェクター「美味しそうに食べはりますなぁ=グチャグチャ五月蠅い」
北島「あ、五月蠅かったですか?」
小川「いいえ?本当に美味しそうに食べてくれてて嬉しくて」
北島「だって本当に美味しいんですもの!」
小川「北島はんとぶぶ漬け、似合いますなぁ」
プロジェクター「似合いますなぁ=そんな恰好で恥ずかしくない?」
北島「そんなに似合いませんか?」
小川「何が?」
北島「似合ってるって京都では『そんな恰好で恥ずかしくないの?』って意味だって聞いた事あって」
小川「そんな事あらへんよ?それにしても京都弁の事、よう知ってはるな」
プロジェクター「よう知ってはるな=黙れ」
北島「小川さんの為に少しでも京都の事を知っておこうと思って」
小川「よう勉強してはりますなぁ」
プロジェクタ―「よう勉強してはりますなぁ=余計な事言うな」
北島「頑張りました!」
小川「純な人やなぁ」
プロジェクター「純な人やな=ハッキリせぇ!」
北島「…………」
小川「どうなさいました?」
北島「俺、本当に小川さんの事が好きなんです。どうか付き合って下さい!」
小川「えっ?本当に……?」
北島「ウザがられてても、嫌われてても、何度だって来ます!どうか、俺の気持ちを受け取って下さい!」
小川「……お上手どすなぁ」
プロジェクター「お上手どすな=下手糞だからやめろ」
北島「そんな事言わずに!俺は、真剣です!」
小川「……月が綺麗どすなぁ」
プロジェクター「月が綺麗ですね=顔は不細工ですね」
北島「……そうですか。それが答えですか……」
小川「は?」
北島「俺、小川さんの事は諦めます。こんなブ男と一緒じゃ、釣り合いませんよね?」
小川「いやいや。そこは『死んでも良いわ』やろ?」
北島「え?でも京都弁で『月が綺麗ですね』は『顔は不細工ですね』って意味でしょう?」
小川「さっきからよう勉強しなはったみたいやけど、ウチはそんな含みのある女やないで?」
北島「え?じゃあ……」
小川「しっかりしたはる方、ウチは大好きやで」
プロジェクター「しっかりしたはる=ガメツイ奴だな」
北島「良かったら、この指輪、受け取って下さい!」
小川「こんなお上品な物を……?」
プロジェクター「こんなお上品な物を=いらん」
北島「気に入りませんか?」
小川「いつからこれを用意してたんですのん?」
北島「半年前から、オーダーメイドで、宝石商の俺が作ったんです!」
小川「丁寧な仕事してはりますな……」
プロジェクター「丁寧な仕事してはりますな=遅いわ!」
北島「……あの、俺、やっぱり帰ります……」
小川「え?何でですのん?」
北島「小川さんが俺の事、嫌いだってよく分かりましたから……」
小川「ウチだって本気やで!?そっちこそ何でウチの気持ちに気付いてくれんのん!?」
北島「じゃあ標準語で言ってみて下さいよ!?」
小川「めっちゃ好っきゃねん!」
北島「それ標準語ですか!?」
小川「全国的に知られてる言葉でしょ!?」
北島「じゃあこれからドンドン、デートに誘いますからね!?ストレートに受け取って良いんですね!?」
小川「せやで!ほんま京都弁って難儀やわぁ……」
プロジェクター「難儀=難儀」
―――終わり
『闇鍋』
・登場人物
北島
藤原
枝村
西岡
・舞台
北島宅
・声
「()」は心の声
明転。
北島宅。テーブル一つに椅子四つ。テーブルの上には鍋一つ。
北島、藤原、枝村、西岡、板付き。
北島「闇鍋パーティー!」
藤原枝村西岡「イエー!」
北島「今夜は闇鍋するぞー!」
藤原枝村西岡「おー!」
北島「じゃあ電気消すぞー!?」
藤原枝村西岡「おー!」
照明、薄暗く。
北島「じゃあまず俺からな!出汁担当!」
藤原枝村西岡「おー!」
北島「(どうせ滅茶苦茶になるんだし、ふざけてコレ入れとくか)。じゃあ次、藤原!」
藤原「おー!野菜担当な!(どうせ滅茶苦茶になるんだし、コレで彩を増やしておくか)。次、枝村!」
枝村「おー!肉担当な!(どうせ滅茶苦茶になるんだし、コレでも入れて吐かせよう)。次、西岡!」
西岡「おー!饂飩担当な!(どうせ滅茶苦茶になるんだし、コレ入れて様子を見よう)出来た!」
北島「何か甘い香りがするな。電気点けるぞー?」
藤原枝村西岡「おー!」
照明、明るく。
北島「……何だコレ?」
藤原「スイーツ鍋?」
枝村「甘い香りが凄い」
西岡「皆、何を入れた?」
北島「出汁枠にココアパウダー」
藤原「野菜枠にフルーツ」
枝村「肉枠に生クリーム。西岡は?」
西岡「饂飩枠に白玉」
北島「……何か成功しちゃったな」
藤原枝村西岡「だな」
北島「まぁ、これはこれとして喰うか」
藤原枝村西岡「だな」
暗転。
北島藤原枝村西岡「美味い!」
明転。
北島宅。
北島、藤原、枝村、西岡、板付き。
北島「第二回、闇鍋大会~!」
藤原枝村西岡「イエー!」
北島「今夜も闇鍋するぞー!」
藤原枝村西岡「おー!」
北島「じゃあ電気消すぞー!?」
藤原枝村西岡「おー!」
照明、薄暗く。
北島「じゃあまず俺からな!出汁は前回の反省を活かして、コンソメで良いなー!?」
藤原枝村西岡「おー!」
北島「じゃあ適当に入れてくぞー!?まず俺なー!?」
藤原枝村西岡「おー!」
北島「(まぁコレを入れときゃどうにかなるだろ)。次、藤原ー!」
藤原「おー!(まぁコレを入れときゃどうにかなるだろ)。次、枝村ー!」
枝村「おー!(まぁコレを入れときゃどうにかなるだろ)。次、西岡ー!」
西岡「おー!(まぁコレを入れときゃどうにかなるだろ)。良し!入れたぞー!」
北島「じゃあ電気点けるぞー!」
照明、明るく。
北島「……何だコレ?」
藤原「肉、だな」
枝村「確かに肉だな」
西岡「うん。肉だ」
北島「お前ら何を入れた?」
藤原「牛肉」
枝村「豚肉」
西岡「鶏肉」
北島「俺は羊肉。肉ばっか集まったな」
藤原「まぁこれはこれとして……」
枝村「そうだな。食べるか」
西岡「頂きまーす」
暗転。
北島藤原枝村西岡「美味い!」
明転。
北島宅。
北島、藤原、枝村、西岡、板付き。
北島「第三回、闇鍋大会~!」
藤原枝村西岡「イエー!」
北島「今夜も闇鍋するぞー!」
藤原枝村西岡「おー!」
北島「じゃあ電気消すぞー!?」
藤原枝村西岡「おー!」
照明、薄暗く。
北島「じゃあまず俺からな!出汁は前回と同様に、コンソメで良いなー!?」
藤原枝村西岡「おー!」
北島「電気消すぞー!」
藤原枝村西岡「おー!」
照明、薄暗く。
北島「まず俺からなー!(まぁコンソメだしコレも合うだろ)。次、藤原ー!」
藤原「おー!(まぁコンソメだしコレも合うだろ)。次、枝村ー!」
枝村「おー!(まぁコンソメだしコレも合うだろ)。次、西岡ー!」
西岡「おー!(まぁコンソメだしコレも合うだろ)。入れたぞー!」
北島「じゃあ電気点けるぞー!」
照明、明るく。
北島「……何だコレ?」
藤原「スープ、だな」
枝村「具が無い……」
西岡「お前ら何を入れた?」
北島「鰹出汁」
藤原「昆布出汁」
枝村「顎出汁」
西岡「俺は煮干し出汁」
北島「……どうする?コレ」
藤原「飲むしか無いだろ」
枝村「お腹タプタプになっちゃうな」
西岡「俺達、闇鍋の才能無いのかも」
北島藤原枝村西岡「(スープを飲む)やっぱり美味い!」
―――終わり
『ヒーロースーツ』
・登場人物
北島
藤原(博士)
・舞台
研究所
・衣装
北島・・・ヒーロースーツを着ている。
藤原・・・白衣。
・小道具
ヒーローマスク・・・ヒーロースーツに見合うマスク。ヘルメット型。
明転。
研究所。テーブル一つに椅子一つ。テーブルの上にはPCとマスク。テーブルには棍棒が立て掛けてある。
北島、藤原、板付き。
北島「藤原博士。これを着ければ、完成なんですね?」
藤原「そうだ。君が、この世界を守るヒーローになるんだ」
北島「俺に出来るでしょうか……?」
藤原「自信を持ちなさい。君なら、やれる!」
北島「……はい!」
藤原「そのマスクを着ければ、全ての機能が解放される」
北島「超人的な、パワーを、ですね?」
藤原「そうだ。常人の千倍の力が、手に入る」
北島「……分かりました」
藤原「今日は実験だ。とりあえず、その力を制御出来るように訓練しよう」
北島「はい!(マスクを着ける)」
藤原「じゃあ起動しよう。(PCを操作する)」
北島「……あ、あぁ!」
藤原「どうだね?気分は?」
北島「ああああああああああああああああああああああああああ!」
藤原「え?」
北島「五月蠅ぇええええええええええええええええええええええ!」
藤原「え?え?え?」
北島「ああああああああああああああああああああああああああ!眩しいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
藤原「どうした!?北島君!?」
北島「寒いぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!そして熱いぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
藤原「どうした!?どうしたんだ!?北島君!」
北島「あぁああああああああああああああああああああああああ!五月蠅ぇえええええええええええええええええええええええええ!臭ぇえええええええええええええええええええええええええええ!」
藤原「本当にどうした!?北島君!?」
北島「だから五月蠅ぇえええええええええええええええええええ!痛ぇえええええええええええええええええええええええええええ!いや、痒いぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!そしてくすぐったいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」藤原「ど、どうしたら良い!?」
北島「マスクを!マスクを取ってくれぇえええええええええええ!」
藤原「わ、分かった!今、外す!(PCを操作し、マスクを外す)」
北島「はぁ……!はぁ……!はぁ……!」
藤原「一体どうしたんだね!?」
北島「どうしたもこうしたもありませんよ!何ですか!?このスーツ!?」
藤原「常人の千倍の力だよ?」
北島「千倍になるとこんなに不便なのか……!」
藤原「何があったんだね?」
北島「まず、音が凄く聞こえました……ちょっとした風の音や博士の声が物凄く五月蠅く聞こえました……」
藤原「そして?」
北島「次に眩しかったです……太陽を直視するよりも物凄く四方八方から光が俺を刺しに来ました……」
藤原「それで?」
北島「次はここの空調の温風が物凄く熱くて、そして風が物凄く寒く感じました……」
藤原「そして、そして?」
北島「そして物凄く臭かったです……埃の臭いから博士の体臭、油の臭い……もうこの世の物とは思えない臭さでした……」
藤原「それで、それで?」
北島「最後に痛覚があらゆる感じに私の体を駆け巡りました……痛いのか痒いのかくすぐったいのかよく分からない、とにかく触覚が弄られて死にそうになりました……」
藤原「成程……」
北島「博士……これ、失敗ですよね……?」
藤原「いいや、成功だ」
北島「は?」
藤原「これで良い。これを敵に売り付ける」
北島「正気ですか!?こんな兵器を!?」
藤原「そうだ。兵器だ。これを着ければ、敵は正気ではいられなくなる。その隙にこの棒で……」
北島「その棒は何か特別な棒なんですか?」
藤原「いいや?只の棍棒だよ?」
北島「えぇ!?だって敵は凄いテクノロジーを持っているんですよ!?それにこの兵器を渡してしまえば、そんな棒きれで戦える訳ありませんよ!?」
藤原「じゃあもう一回それを装着して打たれてみるかい?」
北島「……あー、成程?そういう事ですか?エグいですね」
藤原「だろう?それに私からすれば、これを敵に渡して倒せば世界の英雄。向こうが勝てば私は優遇。どっちに転んでも勝ちって訳だ」
北島「世界を救いたいんじゃないんですか!?」
藤原「世界を救うって具体的に何?敵を倒して世界が平和になるのと、敵が勝って世界が新たに統一されるのと何が違うの?どっちに転んでも私の勝ちに変わりは無いんだよ」
北島「最低な考え方じゃないですか!?」
藤原「だって死にたくないもん」
北島「じゃあ俺はどうすれば良いんですか!?」
藤原「君は私の助手として来れば良い。そしてこのスーツを相手に着用させて人類が勝てそうなら戦えば良いし、逆に敵が克服して人類が負けそうなら敵に味方すれば良い」
北島「そんな人類を適当に扱うなんて……!」
藤原「じゃあ死にたいか?」
北島「それは……!いや、死にたくないです」
藤原「だろう?じゃあ、やろう?」
北島「はい」
藤原「じゃあとりあえず行こうか」
北島「はい(藤原と共に舞台上手に退場)」
藤原「世界平和と自分の命、どっちが大事かね?」
北島「やっぱり自分の命の方が……」
藤原「だよねー」
北島「ヒーローとして失格ですかね……?」
藤原「良いかい?英雄はね、英雄になろうとした瞬間に失格だって誰かが言ってたよ?」
北島「成程。肝に銘じておきます」
暗転。
音声「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!」という声。
明転。
研究所。
北島、藤原、板付き。北島、ジャージを着ている。
北島「敵組織、壊滅しましたね」
藤原「あぁ」
北島「完全にアレ。殺人兵器でしたね」
藤原「元々、人外レベルで改造されてた軍団だ。私のスーツを着ければすぐに発狂する」
北島「これで世界平和ですね」
藤原「そうだな」
北島「ところで博士はこのマスク着けた事あるんですか?」
藤原「無いけど?」
北島「じゃあ俺と同じ目に遭え!(藤原にマスクを被せる)」
藤原「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!五月蠅ぇえええええええええええええええええええええええええ!眩しいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!臭ぇえええええええええええええええええええええええええええ!」
―――終わり
『若いんだから』
・登場人物
北島(部下)
松本(部長:デブ)
枝村(部下)
西岡(部下)
・舞台
居酒屋
明転。
居酒屋。テーブル一つに椅子四つ。テーブルの上には酒とつまみ。
北島、松本、枝村、西岡、板付き。
松本「どうだ!?この店の料理、美味いだろ!?」
北島「あぁ、まぁ……」
枝村「はい……」
西岡「そうですね……」
松本「唐揚げが特に美味いだろう!?」
北島「あぁ、まぁ……」
枝村「はい……」
西岡「そうですね……」
松本「どうした?元気、無いな?」
北島「あー……その、なぁ?」
枝村「はぁ……まぁ、何と言いますか……」
西岡「ちょっと仕事の事で……」
松本「何だ!?仕事の事で悩んでるのか!?」
北島枝村西岡「まぁ、そうですね……」
松本「何だ!?何を悩んでる!?嫌な事は喰って忘れようじゃないか!おーい!店員さーん!唐揚げ四つ、お願いしまーす!」
北島枝村西岡「止めて下さい!」
松本「え?」
北島「あ、いや、えーっと……」
枝村「あ、そうそう!悩み!悩みですよ!なぁ!?」
西岡「あ、おう……ちょっと仕事関係の事で悩んでて……」
松本「何だ!?若いんだから色々と悩みもあるだろう!部長の俺が何でも相談に乗るぞ!?」
北島「あー……」
松本「若いんだから喰って忘れよう!?」
枝村「そうじゃなくてですね……」
松本「飯を喰え!若いんだから!」
西岡「だからですね……」
松本「嫌な事は喰って忘れよう!?さぁ!喰え!」
北島枝村西岡「それが嫌なんじゃーい!」
松本「え?」
北島「松本部長!この際だからハッキリ言わせてもらいますけどね!?迷惑なんですよ!」
松本「何が?」
枝村「その飯を喰えってやつ!」
松本「若いんだから喰って寝ればどうにかなるだろ?」
西岡「その『若いんだから』って決め付けを止めて下さい!」
松本「へ?」
北島「若いからってそんなに飯は喰えません!」
松本「でもまだここにきてから米を一人辺り五合くらいしか食べてない……」
北島枝村西岡「十分に食べてます!」
松本「えぇ?俺の若い頃はそれくらい一食で喰ってたもんだけどなぁ……」
枝村「じゃあ部長、食ってみて下さいよ!今、ここで!五合の飯を!」
松本「もう歳だから無理だよー?」
西岡「『無理だよー?』じゃありませんよ!自分でも出来ない事を人にさせないで下さい!」
松本「若いんだから私の頃よりも出来る事は多いだろう?だから元気付けようとして飯をだな……」
北島「だからって毎晩、毎晩、飯に誘わないで下さい!」
松本「でもノリノリで着いてきたじゃない……?」
枝村「最初はね!?最初は『タダ飯やったー!』って感じでしたけど、もうここらが限界です!」
松本「限界だって!?」
西岡「そうです!限界です!」
松本「そこまで悩んでいたのか……!気付けなくて申し訳ない!」
北島「いや、分かって頂ければ良いんですけど……」
松本「そんなに悩んでいるなら喰って忘れよう!若いんだから!」
北島枝村西岡「だからそれ!」
松本「え?」
枝村「若いからってそんなに喰えないって何べん言ったら分かるんですか!?」
松本「喰って元気を出してほしくて……」
西岡「もう瀕死です!逆に!」
松本「瀕死だって!?そりゃ大変だ!喰って回復するんだ!」
北島「もう無理ですって!」
松本「無理でも若ければ喰ってどうにかなる!」
枝村「だから無理ですって!」
松本「無理かどうかは喰ってみないと分からないじゃないか!」
西岡「喰った結果が毎日これなんですよ!?」
松本「ならもっと体力を付けなきゃ!若いんだからもっと喰うんだ!」
北島「それが出来ないから無理だって言ってんですよ!」
松本「限界を超えてからが、壁を乗り越えてこそ得られる高みという物がある!喰うんだ!」
枝村「喰えたら喰ってますよ!」
松本「喰う気はあるんだな!?」
西岡「無理ですけどね!」
松本「今の若いモンは根性が無いなぁ……喰える時に喰っとかないと、将来、後悔するぞ?」
北島「何て含蓄のある言葉なんだ……」
枝村「まさに含んで蓄積している体なだけあって……」
西岡「重い思いだ……」
松本「俺の気持ちが分かったか!?さぁ、喰え!」
北島枝村西岡「嫌です!」
松本「何で!?」
北島「シンプルに!」
枝村「お腹が!」
西岡「いっぱいだからです!」
北島「これ以上!
枝村「お腹に負担を!」
西岡「掛けさせないで下さい!」
藤原「負担が掛かる!?それは大変だ!体力作りの為に喰え!」
北島枝村西岡「もういいよ!」
―――終わり
『血圧』
・登場人物
小川(看護師)
儀間(患者)
・舞台
病院
明転。
病院。テーブル一つに椅子三つ。テーブルの上には血圧計。
小川、儀間、板付き。
小川「儀間さーん。儀間愛真さーん。お待たせしましたー」
儀間「はーい(席を立ち、血圧計の席に着く)」
小川「健康診断の血圧を測ります。緊張してますか?」
儀間「いえ。もう慣れたので」
小川「そうですかー。でもそう言って実は緊張して血圧が上がっちゃう可能性があるんですよねー」
儀間「まぁ多分、大丈夫でしょう」
小川「じゃあ測りますねー……」
SE、「ホワンホワンホワン」という音。
照明、少し明るく。
小川「あら、上が100の下が60ですね。低血圧ですねー」
儀間「正直、眠いですからねー。ここに来るのだって必死こいて来たんですから」
小川「一応、もう一度測り直しますねー。今度は正常値出るかもしれないのでー」
儀間「あ、じゃあ血圧が上がるような言葉を下さい」
小川「え?」
儀間「腹が立ったら血圧が上がるかもしれません」
小川「は、はぁ……?えーっと、バーカ、バーカ!」
儀間「はっはっは!それしきの事で怒るとでも?」
小川「えーっと、えーっと……」
儀間「舐められたもんだなぁ……!こんな馬鹿にされるとはよぉ……!」
小川「あっ!上が180の下が90になりました!高血圧です!」
儀間「私を怒らせるからこうなるんだ……!」
小川「こんなに高い巣鬱になるなんて!いっそ献血しませんか!?」
儀間「献血?」
小川「血の量が減れば血圧は下がります!血圧が下がって健康的になるし、他人の為になるしで丁度良いじゃないですか!」
儀間「無料で私の血を得ようと言うのか?」
小川「何ですって!?」
儀間「私の血は高いぞ?」
小川「値段を付けようって言うんですか!?」
儀間「いや、私の血を受け入れるには相当のレベルが必要という意味だ。一般人に入れたら、死ぬぜ?」
小川「逆にそんな血を手に入れたら学会を揺るがす事態になる……!」
儀間「そもそも私の腕を注射針如きが通るとは思えんがね」
小川「面白れぇ……!やってみようじゃねぇか!(注射器を取り出す)行くぜ……?覚悟は良いか?」
儀間「良いだろう……やってみろ!」
小川「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
儀間「はあああああああああああああああああああああああああ!」
小川「くそっ!針が通らねぇ!」
儀間「だから言ったろう?注射針如きが通る訳が無いと!」
小川「こうなったら手術用のメスを使うしかねぇ!(メスを取り出す)」
儀間「それでも力不足だと思うがね!」
小川「超えて見せる……限界という壁を!科学の力で!」
小川「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
儀間「はあああああああああああああああああああああああああ!」
小川「くそ!日本刀と同レベルと言われるこのメスが通用しないだと!?」
儀間「はははははははははは!私は、無敵だぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
小川「畜生ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
SE、「ホワンホワンホワン」という音。
照明、元の明るさに。
小川、儀間、血圧計の続きをやっている。
小川「はい、上が118の下が71ですねー」
儀間「はーい」
小川「じゃあ次は採血に行って下さーい(採血用の順番のカードを渡す)これ持って受付で渡して下さーい」
儀間「はーい(舞台下手に退場)」
小川「こういう患者、来ないかなぁ……」
―――終わり
『足ツボ』
・登場人物
松本A(デブ。そこそこの年齢)
松本B(痩せている。若い)
藤原
・舞台
フットケア施設
明転。
フットケア施設。椅子一つにカウンター一つ。
藤原、板付き。松本A、舞台上手から登場。
松本A「すみませーん」
藤原「はーい」
松本A「今日予約した松本Aです」
藤原「あ、松本A様ですね?こちらへどうぞ。お荷物はこちらの籠を儀利用下さい。後、靴下もお脱ぎ下さい」
松本A「はい」
藤原「この問診表と、同意書にサインをお願いします」
松本A「はいはい……はい、どうぞ」
藤原「はい。お預かりします。では足ツボのみで宜しいですか?」
松本A「はい。お願いします」
藤原「では始めていきますねー(足ツボをする)」
松本A「イッタ!?そこはどこのツボですか?」
藤原「肝臓ですねー」
松本A「禁酒するかぁ……イッタ!?今度はどこのツボですか?」
藤原「肺ですねー」
松本A「禁煙するかぁ……イッタ!?それはどこのツボですか?」
藤原「頭ですねー」
松本A「え?脳梗塞的な感じですかね?」
藤原「いえ。純粋に頭が悪いです」
松本A「え?どういう事ですか?」
藤原「勉強してきてないから学力が足りないんですねー」
松本A「馬鹿にしてます?」
藤原「はい」
松本A「あのねぇ……!イッタ!?今度はどこが悪いんですか!?」
藤原「これは私が悪いです」
松本A「は?」
藤原「ミスです」
松本A「何の?」
藤原「私の力不足です」
松本A「力があったから痛いのでは?」
藤原「そうとも言えます」
松本A「イッタ!?それはどこが悪いんですか!?」
藤原「私の性格です」
松本A「と言うと?」
藤原「意地悪な性格が出てワザとただ痛い所を押しました」
松本A「さっきから失礼だなぁ!」
藤原「はい」
松本A「悪いと思っているのか!?」
藤原「はい」
松本A「言うべきことがあるだろう!?」
藤原「はい」
松本A「言うべき事を言え!」
藤原「はい」
松本A「だから言うべき事を言えって!」
藤原「はい」
松本A「何で謝らないの!?」
藤原「謝って済む事ではないと思って」
松本A「謝ってよ!?」
藤原「謝ってこの痛みが無くなりますか?」
松本A「押さない間は痛くないよ!?」
藤原「どれ」
松本A「イッタ!?だから痛いですって!」
藤原「こんなもんじゃ済みませんよ?ここからが本番です」
松本A「もう良い!帰る!」
藤原「一時間コースですよ?良いんですか?」
松本A「こんな所でただ痛い思いをするくらいなら他の良心的な所に行く!」
藤原「しょうがいないお客さんだなぁ……(足ツボを押す)」
松本A「イッタ!?だから痛いって……!?あ、あれ?体が、動かない……!?」
藤原「効きましたか?」
松本A「な、何をした……!?」
藤原「秘孔、全身麻痺のツボ」
松本A「全身麻痺……!?じゃあ、このまま痛い思いを後、一時間弱、過ごさなきゃいけないのか……!?」
藤原「痛いだけじゃありませんよ?(足の裏をくすぐる)」
松本A「あひゃひゃひゃひゃひゃ!な、何をする!?」
藤原「笑いのツボです」
松本A「くすぐってるだけだろ!?」
藤原「この際だから色んなツボを押して綺麗になりましょう」
松本A「あああああああああああああああああああああああああ!」
暗転。
明転。
フットケア施設。
松本B、藤原、板付き。
松本B「これが……俺……?」
藤原「ダイエット、美白、若返り、全てのツボを押させて頂きました」
松本B「足ツボ……!凄ぇ……!」
藤原「今この足壺を買うともっと健康的になりますよ?(足の形をした壺を出す)」
松本B「買います、買います!いくらですか!?」
藤原「九千八百七十五円。あ・し・つ・ぼ、で買えます」
松本B「安い!買います!」
藤原「では今回のマッサージ代と壺代でこれになります」
松本B「カードで」
藤原「畏まりました。ではこちらをお持ちになってお帰り下さい(壺の入った袋を渡す)」
松本B「ありがとうございます!ではまた!……ん?どこが、あ・し・つ・ぼ、なんだ?」
―――終わり
『気になる会話』
・登場人物
北島
藤原
枝村
西岡
小川(店員)
・舞台
居酒屋
・衣装
北島、藤原、枝村、西岡・・・スーツ。枝村と西岡は鞄を持っていない。
明転。
居酒屋。テーブル二つに椅子四つ。一つのテーブルの上には酒とつまみ。
北島、藤原、板付き。北島、上手が見える方に、藤原、下手が見える方に座っている。
北島「あー、何か面白い話無いかなぁ?」
藤原「お前いつもそればっかりじゃん」
北島「だって毎日、家と会社の行き帰りだけで、休みの日は本当に家から出ないし、面白い事がマジで無いんだよ」
藤原「俺は仕事が趣味みたいなものだから毎日が楽しいけどな」
北島「社畜だなぁ」
藤原「悪いか?」
北島「いや、立派だなって思って」
枝村西岡「(舞台下手から登場)」
小川「(舞台上手から登場)いらっしゃいませー。何名様ですか?」
枝村「二人で」
小川「カウンターとテーブル、どちらになさいますか?」
枝村「テーブルで」
小川「畏まりましたー。こちらの席へどうぞー」
枝村「とりあえずビールで」
西岡「俺も」
小川「畏まりましたー。少々お待ち下さーい(舞台上手に退場)」
枝村「会社でPDCAしてる?」
西岡「それこそROIしてるわ。そっちはKGIどう?」
枝村「KPIならねー。BtoBが大変だから逆にBtoCやってるわ」
西岡「アジェンダがコンセンサスしてんだよな」
西岡「そこなんだよなー」
小川「(舞台上手からお通しを持って登場)こちらお通しでーす。ビールの方はもう少々お待ち下さーい」
枝村西岡「はーい」
北島「……何か、向こうの人達、凄い話してるな……」
藤原「ビジネス用語を使い回してるな」
小川「(舞台上手からビール二つを持って登場)お待たせしましたー。ビールでーす」
枝村西岡「どうもー」
小川「ごゆっくりどうぞー(舞台上手に退場)」
枝村「そうそうエスカレーションがキャパだからさ、大変なのよ」
西岡「タスクのデッドラインは?」
枝村「ステークホルダーをブレストしてるよ」
西岡「あ、とりあえず乾杯しようぜ?」
枝村「そうだな。カンパーイ」
西岡「カンパーイ」
北島「なぁ、なぁ?ちょっと隣の席の人達の話、聞いてみない?」
藤原「悪趣味だぞ」
北島「良いじゃん。面白そうだし」
西岡「スキームしてるからフィードバックがさー」
枝村「それを言うならマイルストーンコスト感がリスケしちゃってない?」
西岡「ペンディングなんだよなロジカルシンキングしてるからそこは大丈夫」
枝村「成程なー。あ、そうだ。この前のキャンーンどうした?」
西岡「あー、あれな?あれはアイラインした」
枝村「えっ?それってスパチャじゃない?」
西岡「大丈夫。パウダー使ってるから」
枝村「でもメンバーシップじゃないと……」
西岡「だから前にも言ったけど、そこはアイシャドウでどうにかなってるのよ」
枝村「あー!そうだった!ごめん!配信の事忘れてた!」
西岡「謝る事ぁ無いよ。誰しもファンデーションするから」
枝村「すまんな。あ、つまみ頼むか?」
西岡「そうだな」
北島「……何を言ってるのかさっぱり分からん」
藤原「そうか?」
北島「え?」
藤原「あれだろ?アルファがベータをかっぱらったらイプシロンした話だろ?」
北島「えぇ……?どういう事……?」
藤原「聞いてたら分かるよ」
枝村「すみませーん」
小川「はーい(舞台上手から登場)。ご注文ですか?」
枝村「はい。えーっと、枝豆とナッツの盛り合わせ。お前は?」
西岡「ホッケの塩焼きと、唐揚げで」
小川「以上で宜しいですか?」
西岡「あ、ビールお代わりで」
枝村「俺も」
小川「畏まりましたー。少々お待ち下さーい(舞台上手に退場)」
西岡「あ、そういえばこの前、醬油派かソース派かの論争あったじゃん?」
枝村「あぁ、結局デスメタルが勝ったやつね?」
西岡「そうそう。最終局面でラー油が乱入してきたから一瞬、場が凍り付いたんだよ」
枝村「まぁバラードが野次を入れっちゃったからねぇ。荒れるのも仕方ないわな」
小川「(舞台上手からビールを持って登場)お待たせしましたー。お先にビールでーす」
枝村西岡「どうもー」
枝村「じゃあ仕切り直しで」
西岡「おう。カンパーイ」
枝村「カンパーイ」
北島「……まるで意味が分からんぞ?」
藤原「だからアルファがベータをかっぱらったらイプシロンした話だって」
北島「それってドラえもんじゃね?」
藤原「そうだよ?」
北島「……頭痛くなってきた」
藤原「もう二日酔いか?」
北島「違うわ」
小川「(舞台上手から枝豆とナッツを持って登場)お待たせしましたー。枝豆とナッツの盛り合わせでーす。ホッケの塩焼きと唐揚げはもう少々お待ち下さーい(舞台上手に退場)」
藤原「ちなみにあの二人、無職だよ?」
北島「えぇ……?あんなパリッとしたスーツ着てるのに?」
藤原「鞄を持ってないだろ?それが証拠だよ」
北島「……本当だ!え?じゃあ何であんな訳分からん会話してんの?」
藤原「さぁ?」
北島「『さぁ?』って……」
小川「(舞台上手からホッケの塩焼きと唐揚げを持って登場)お待たせしましたー。ホッケの塩焼きと唐揚げでーす」
枝村西岡「どうもー」
小川「ごゆっくりどうぞー(舞台上手に退場)」
枝村「そういえばこの前、幼馴染の胡瓜がさ」
西岡「あぁ、西郷隆盛ね?」
枝村「そうそう。そこで人参がトマトしちゃって参ったよ……」
西岡「それこそ坂本龍馬じゃね?板垣退助の線もあるけど」
枝村「でもさぁ、茄子もキャベツも言うんだぜ?『お前は白菜だ』って……」
西岡「それはお前が悪いよ。だって徳川家康だもん」
枝村「そういう話じゃないって。春菊が大根だって話」
西岡「あー。そういう事ね?じゃあ織田信長も宮本武蔵だわ」
北島「マジで頭痛くなってきた……」
藤原「出来るもんだよ?意外と」
北島「えっ?何が?」
藤原「あの会話」
北島「えぇ……?じゃあちょっとやってみてよ」
藤原「良いよ?あのー」
枝村西岡「はい?」
藤原「今までの話を聞いて思ったんですけど、サーモンと鮪が鯖したと思うんですよ」
枝村「おっ、話しが分かりますね!一緒に飲みません?」
藤原「ありがとうございます。じゃあ失礼して……烏賊が蛸で海月だと思うんですよ」
西岡「ハヤシライスだと思いません?それ」
枝村「いや、案外、的を得ているかもしれない。だってビデオテープだろ?」
西岡「あ、そうか。シチューだ」
藤原「そうです、そうです。このホッケのように、蟹と雲丹とハマチだと思うんですよ」
枝村西岡「あ~!成程ね~!」
西岡「その発想はありませんでした。だってカレーですもん」
枝村「そうだな。DVDもブルーレイディスクもあるし」
藤原「でしょう?だから海老と蝦蛄がイクラだと感じていて……」
北島「あー!頭がおかしくなる!」
枝村西岡「何だ?」
藤原「あぁ、俺の連れです。お前もこっちに来るか?」
北島「行く訳無いだろ!何だよ!?その会話!」
藤原枝村西岡「だからアルファがベータをかっぱらったらイプシロンした話だって(ですって)」
北島「訳が分からん!俺もう今日は飲みまくる!」
枝村「どうしたんですか?あの人」
藤原「まぁ発作みたいなものです。お気になさらず。ところでラーメンが餃子だと思う話なんですけど……」
西岡「あー!俺もその話しようと思ってました!だってドルと円でしょ!?」
枝村「貴方、凄いですねぇ!まさに爪切りとハサミだわ……」
藤原「でしょ?だから回鍋肉が麻婆豆腐だと思うんですよ……」
暗転。
明転。
居酒屋。
北島、藤原、枝村、西岡、板付き。
北島「だぁかぁらぁ!日本酒とワインはビールに限るって話なんですよぉ!」
枝村「でもそれって電話じゃないですか?」
西岡「いや、一理ある。だって緑茶と麦茶を考えた時、紅茶になるからな……」
北島「でしょぉ!?だからウォッカとジンはハイボールだと俺はずっと思ってるんですぅ!」
藤原「おい。北島。飲み過ぎだぞ?」
北島「五月蠅ぇ~!お前は俺のベルモットかってんだ!」
枝村「大分、回ってきましたね……まるで兎のようだ」
西岡「あぁ。まさに映画館のようだ」
小川「(舞台下手から登場)お客様。もう閉店のお時間です」
藤原「あ、はーい。じゃあここは俺達が奢るんで」
枝村「良いんですか?」
西岡「悪いですよ」
藤原「いえいえ。楽しい時間を過ごさせてもらったので、そのお礼です」
枝村「そうですか?じゃあお言葉に甘えて……」
枝村西岡「ご馳走様です!」
藤原「どもども。えーっと、八千九百円ね。意外と飲まなかったな」
北島「二軒目行くぞ~!」
藤原「北島。もう終わりだ」
北島「なぁんでだ~!?やっと面白くなってきたのに~!」
藤原「もう……こんなに酔っぱらっちゃって……さっきの否定的な意見はどうした?」
北島「郷に入っては郷に従え、だ!」
藤原「入り過ぎだろ」
―――終わり
『食器』
・登場人物
北島
藤原
・舞台
喫茶店
明転。
喫茶店。テーブル一つに椅子一つ。
北島、藤原、板付き。
北島「ここがお前の店かぁ」
藤原「お前がこの店のお客様、第一号だよ」
北島「でも開店自体はまだ先なんだろ?」
藤原「うん。まだ準備中。でも味自体は完成してるから、先に食べてもらいたくてな」
北島「メニューは?どれどれ……ほほう。喫茶店らしいじゃないか」
藤原「一応、拘ってるから」
北島「じゃあ無難にナポリタンとエスプレッソとショートケーキかな」
藤原「エスプレッソとケーキは食後に致しますか?」
北島「おっ、様になってるねぇ」
藤原「照れるぜ。で、どうする?」
北島「全部、一緒のタイミングで良いよ」
藤原「畏まりました。少々お待ち下さい。(舞台下手に退場し、暫くしてナポリタンとエスプレッソとショートケーキを持って舞台下手から登場)お待たせしました。ナポリタンとエスプレッソとショートケーキです」
北島「……何これ?」
藤原「ナポリタンとエスプレッソとショートケーキです」
北島「それは見れば分かるよ。ただ何でこの器なの?」
藤原「何か問題が?」
北島「あるだろ。何でナポリタンがパフェカップでエスプレッソがお猪口でショートケーキが刺身皿なんだよ?」
藤原「まだディッシュが届かなくて有り合わせなんだ」
北島「えぇ……?」
藤原「味自体は良いから」
北島「まぁ、食べるけど……うん……うん……うん……美味い」
藤原「そう?良かった~」
北島「でも見た目がなぁ……」
藤原「そこは当日までに間に合わせるから」
北島「あのー、一応、パフェって注文出来る?」
藤原「出来るよ?」
北島「じゃあそれ一つお願い」
藤原「畏まりました。(舞台下手に退場し、暫くしてパフェを持って舞台下手から登場)お待たせしました。パフェです」
北島「だからさぁ……」
藤原「何?」
北島「パフェカップがあるのに何で丼で出すんだよ?」
藤原「おかしい?」
北島「せめて逆だろ。丼にナポリタンでパフェカップにパフェだろ」
藤原「まぁ、まだ準備がね?ほら、間に合ってないから」
北島「準備以前の問題だろ。普通を考えろよ」
藤原「まぁ、まぁ。そんなカリカリするなよ。まずは喰ってみろって」
北島「まぁ、まぁ、な……うん。美味い」
藤原「だろ?」
北島「でもなぁ……間に合うか?」
藤原「間に合うようにはしてるよ?」
北島「あっそう。じゃあ食後の珈琲くれ」
藤原「さっきエスプレッソ頼んだのに?」
北島「まぁそれはそれとして」
藤原「アイス?それともホット?」
北島「ホットで」
藤原「畏まりました。少々お待ち下さい。(舞台下手に退場し、ホット珈琲を持って舞台下手から登場)お待たせしました。ホット珈琲です」
北島「だから何でだよ?」
藤原「何が?」
北島「何でホット珈琲がショットグラスと急須なんだよ?」
藤原「まだ製品が届いてないから……」
北島「だからって何でこれはあるんだよ?」
藤原「とりあえず俺の家からあるもので用意したんだけど?」
北島「おかしいって。絶対に開店には間に合わせろよ?」
藤原「分かってるって。まぁ飲めよ」
北島「無理だよ。このままの勢いで飲んだら火傷するわ」
藤原「冷ましゃ良いじゃん」
北島「それはそうだけども」
藤原「でも問題は味だろ?」
北島「まぁなぁ……うん。味は良い」
藤原「だろ?」
北島「でも雰囲気がなぁ……」
藤原「駄目?」
北島「味が良いだけに食器が悪目立ちする」
藤原「そっかぁ……まぁ今だけだし」
北島「いや、寧ろこのまま行ったら良いんじゃね?」
藤原「え?」
北島「この悪い組み合わせの方が逆に有名になれるんじゃねぇの?味は良いし」
藤原「そうか?」
北島「店名は何だっけ?」
藤原「『喫茶トンチキ』」
北島「じゃあ丁度良いじゃん。このままで行けよ」
藤原「そうか?でももう半年後には食器類が届くんだよな……」
北島「それはまだキャンセル出来るんじゃないか?」
藤原「そうかな?まぁ聞いてみるわ」
暗転。
明転。
喫茶店。テーブル一つに椅子一つ。
音声、ガヤガヤと声がしている。
藤原、板付き。北島、舞台上手から登場。
藤原「いらっしゃいませ……あ、北島か」
北島「よう。繁盛してるか?」
藤原「お陰様でな。一人か?」
北島「うん」
藤原「じゃあこちらへどうぞー」
北島「おう」
藤原「何にする?」
北島「じゃあ今日はプリンとアイス珈琲で」
藤原「畏まりました。少々お待ち下さい。(舞台下手に退場し、プリンとアイス珈琲を持って舞台下手から登場)お待たせしました。プリンとアイス珈琲で御座います」
北島「……茶碗蒸し?」
藤原「いや?プリン」
北島「後これは……スープ皿?」
藤原「スプーンでお召し上がり下さい」
北島「プリンさぁ、これ緑色の丸いやつがあるんだけど、これ銀杏?」
藤原「いや、ピスタチオ」
北島「あっそう……じゃあ頂きます。うん……うん……美味い」
藤原「それは良かった」
北島「脳が騙されるけど、これがこの店の味だなぁ」
藤原「良い味、出てるだろ?」
北島「味だけな」
―――終わり
『親父』
・登場人物
康介(息子・兄)
正将(父)
拓実(息子・弟)
・舞台
自宅
明転。
自宅。卓袱台一つに座布団三つ。
康介、正将、板付き。
正将「康介。今、何時だ?」
康介「えーっと……もう十二時を回るね」
正将「また夜遊びか……拓実にも困ったものだ……」
康介「アイツももう高校二年生……俺みたいに大学に行ってほしいけどなぁ……」
正将「お前みたいなMARCHじゃなくても良いから、Fランでも良いからどこかに進学してほしいんだけどなぁ……」
康介「まぁ、まだ一年は余裕があるし、それまでに更生してもらえれば良いだろ。なぁ?親父」
正将「まぁ、特効薬になれば良いが、いざとなったらこの拳で……!」
康介「なるだけ穏便に済ませてくれよ?」
正将「いいや。やっぱり殴る。殴って更生させる」
康介「まぁ、その時は一応、止めに入るけどね」
正将「もし歯止めが効かなくなったらその時は止めてくれ」
康介「分かった」
正将「それにしても、昔は『お父ちゃん!お父ちゃん!』って後を着いてきてくれた拓実がなぁ……」
康介「何でこうなっちゃったかなぁ……?」
正将「なぁ?」
拓実「(舞台上手から登場)」
康介「お、おかえり。拓実」
拓実「……チッ(舞台下手に行こうとする)」
正将「おい。『ただいま』くらい言えんのか?」
拓実「うっせーな。黙ってろよ」
正将「何だ?その態度は」
拓実「うっせーって言ってんだよ!」
正将「拓実。そこに座りなさい」
拓実「何でテメーなんかに指図されなきゃいけねぇんだ!?」
正将「親に向かって『テメー』とは何だ!?」
拓実「五月蠅ぇ!死ね!(舞台下手に行こうとする)」
正将「馬鹿野郎!(巧実を殴り飛ばす)」
康介「親父!」
正将「はぁ……はぁ……はぁ……!」
拓実「……イッテェ……」
正将「もう大丈夫だ。放してくれ。康介」
康介「お、おう……」
正将「拓実。そこに座りなさい」
拓実「(座る)」
正将「拓実。何でお父さんがお前を殴ったか分かるか?」
拓実「…………」
正将「分かるか!?」
拓実「……会社での鬱憤を俺を殴る事で解消したいから?」
康介「違うだろ!」
正将「そうだ!」
康介「えっ!?」
正将「俺は最近、仕事が上手くいかない!そこで不良息子を叱る体でどこかにこの鬱憤を晴らしたい!そう思って!今!お前を!殴った!」
康介「違うだろ!親父!?息子の再教育を目的としてるんじゃなかったのかよ!?」
正将「全然、違う!俺は、ただ、殴りたいから殴っただけだ……!」
康介「何でだよ……?」
正将「聞いてくれるか?二人共」
康介「あー、まぁ」
拓実「うん」
正将「お父さんはな?最近、課長になったじゃないか」
康介拓実「うん」
正将「課長になったらなったで、部長から叱られ、部下からは煙たがられ、そしてそこでまた部下がミスをして部長に怒られ、そしてそれを抱えたままパワハラだのモラハラだのと言われるこのご時世で部下に説教一つ言えず、帰っては胃薬を飲む毎日……そして始発、出社の終電、退勤。有給はあって無いようなもので、休日出勤は当たり前。たまの休みにこうやって家で過ごしてるけど、またいつトラブルで呼び出されるかも分からない。呼ばれたと思ったら接待ゴルフだった事もある。今日だってそうだ。早朝に部長から電話で起こされ、ついさっきまでおべっか、諂い、おだてて帰って来た。そんな中で息子が不良となったらもうこれは殴るしかストレス発散の方法が見付からない。分かってくれるか?」
康介「……ごめん。分からない」
拓実「分かったよ。親父」
康介「えっ!?」
正将「今、久し振りに『親父』って……?」
康介「どこに感動してんだよ?」
拓実「父さんも苦労してんだな……いつも家にいないから、てっきり外に女でも作って遊んでるんだと思ってたよ……」
康介「苦労……まぁ、そこは分からなくはないけど……」
正将「だから今は黙って俺に殴られてくれないか……?」
康介「そうはならんやろ」
拓実「俺で良ければ、いつでも殴ってくれ!お父さん!」
康介「だからそうはならんやろ」
正将「ありがとう……!お前は、本音を出せばきっと言う事を聞いてくれると信じていたよ……!」
康介「本音を出す前に手を出したけどな」
拓実「俺、これからは真っ当に生きるよ!父ちゃんの為に!」
正将「いや、それは困る」
康介「えっ!?」
正将「お前が真っ当になってしまったら、殴る理由が無くなる。それだけは避けたい」
拓実「じゃ、じゃあ俺はどうすうれば……?」
正将「そうだな……将来の事を考えて、勉強しつつヤサグレてってくれ。そしてFランでも良いから、二年後に大学に進学してくれ」
康介「無理があるだろ」
拓実「インテリ不良になれって事だね!?」
康介「厄介だな。それは……」
正将「そうだ」
康介「『そうだ』じゃないんだよ」
拓実「分かった……!分かったよ!お父ちゃん!大学に行って、無事に就職したら、また昔みたいに仲良く暮らそう!?」
正将「そうだな!その時は一緒に酒を飲もう!」
拓実「お父様!」
正将「今日のところは黙って俺に殴られて、ストレス発散させてくれ!」
拓実「えぇ!分かりました!父上!」
正将「ありがとう!じゃあ殴るね!?うおおおおおおおおおお!(拓実を殴る)」
康介「親父!?親父!?」
正将「止めるな!康介!」
拓実「そうですよ!兄上!ここは私の仕事として、やられさせて下さい!」
康介「変なん日本語!?分かったよ!もう好きにしろ!」
正将拓実「ありがとう!うおおおおおおおおおおおおおおおお!」
康介「拓実が何で不良になったかが分かった。親父譲りの暴力性だ」
―――終わり




