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コント集  作者: 河野吉田
PR
34/37

コント集34

コント集34



331・・・重複

332・・・・呪いの人形

333・・・烈火の如く

334・・・業界用語

335・・・カラオケ

336・・・フランス料理

337・・・早口言葉の競馬

338・・・寿司屋

339・・・マラソン

340・・・似ている



『重複』



・登場人物


 北島

 藤原



・舞台


 藤原宅

 北島宅






 明転。


 藤原宅。卓袱台一つに座布団二つ。後ろには布団と枕。

 藤原、板付き。

SE、チャイムの音。


藤原「開いてるよー……」


北島「(スーパーの袋と中身を持って舞台上手から登場)よう。大丈夫か?」

藤原「あんまり大丈夫じゃない……」

北島「昨日あんなに飲むからだぞ?次からは気を付けろよな」

藤原「あぁ、すまねぇ……」

北島「今どんな状態?」

藤原「頭が頭痛で痛い……」

北島「『頭が痛い』か『頭痛がする』で良いだろ」

藤原「それくらい痛いって事だよ……」

北島「あっそー。とりあえず、はい。頭痛薬」

藤原「ありがとう……」

北島「他は?」

藤原「腹が腹痛で痛い……」

北島「だから『腹が痛い』か『腹痛がする』で良いだろ」

藤原「それくらい痛いって事だよ……」

北島「あっそー。じゃあ、はい。漢方胃腸薬」

藤原「ありがとう……」

北島「他は?」

藤原「吐き気で吐く気持ちがある……」

北島「だから『吐き気がする』か『吐く気持ちがある』で良いだろ」

藤原「それだけ辛いって事だよ……」

北島「あっそー。じゃあこれ、酔い止めね」

藤原「ありがとう……」

北島「お前さー、何で重複するの?」

藤原「重複?」

北島「同じ事を言い方替えて二回、言うじゃん?」

藤原「どういう事?」

北島「いや、こっちのセリフなんだけど……こう、頭が頭痛で痛いとか、腹が腹痛で痛いとか。二回、言わなくて良いだろって事を言うじゃん?」

藤原「だからそれくらいキツイって事なんだよ」

北島「だとしてもクドいよ?」

藤原「お前だってあるだろ?普通の痛みよりキツイ頭痛とか腹痛とか」

北島「まぁ、あるな」

藤原「そういう事だよ」

北島「誇張し過ぎじゃない?」

藤原「だからそれぐらい辛いって事だよ」

北島「俺、そこまで酷いのってそんなに無いからなぁ……分からんでもないけど、理解しかねる」

藤原「じゃあお前も昨日の俺みたいに酒を飲んでみろよ。分かるだろうから」

北島「その前に吐いて寝込んでるからそうはならん」

藤原「じゃあ酒を飲んでその辺、全力で走って来いよ。分かるだろうから」

北島「その前に吐いて倒れるから嫌だ」

藤原「じゃあどうすればこの気持ちが分かるんだ?」

北島「まぁ……風邪とか?」

藤原「分かった。じゃあすぐそこのベランダで裸になって一晩過ごしてみろ」

北島「その前に警察に捕まるから嫌だ」

藤原「ああ言えばこう言う……じゃあその時になったら教えてくれ。俺の気持ちが分かるから」

北島「その時があればな」


 暗転。


 明転。


 北島宅。卓袱台一つに座布団二つ。後ろには布団と枕。

 北島、板付き。

 SE、チャイムの音(一回目とは違う音)。


北島「開いてるよー……」

藤原「(舞台上手からスーパーの袋と中身を持って登場)来たぞー」

北島「おう……」

藤原「過労で倒れたって?」

北島「エナジードリンクの飲み過ぎだって……」

藤原「馬鹿だなぁ。その前に休めば良いものを」

北島「労って労働して働いてたらこうなった」

藤原「お、やっと俺の気持ち分かった?」

北島「寒気で寒い気がする……」

藤原「おう、おう。分かって来たな」

北島「分かったよ……お前の気持ち……」

藤原「どんな感じ?」

北島「気持ちの気の持ちようだってね」

















―――終わり

『呪いの人形』



・登場人物


 北島

 藤原



・舞台


 藤原宅






 明転。


 藤原宅。卓袱台一つに座布団二つ。後ろには大量の呪いの人形が飾られている。

 北島、藤原、板付き。


北島「呪いの人形増えたなー」

藤原「今日も新しいの届くよ」

北島「あ、そうなん?」


 SE、チャイムの音。


藤原「はーい(舞台上手に退場し、段ボールを持って舞台上手から登場)」

北島「何か届いたのか?」

藤原「新しい呪いの人形(段ボールを空ける)ほら」

北島「お前よくこんな不気味な物を引き受けるよなー。俺には無理だわ」

藤原「金になるからね」

北島「引き取るだけで金になるって事?だとしても怖くない?」

藤原「それもあるけど、もっと良い金になるんだよ」

北島「どういう事?」

藤原「呪いの人形ってさ、捨てても戻ってくるじゃん?」

北島「そう言われてるな」

藤原「人形とかフィギュアとかを買ってくれる店ってあるじゃん?」

北島「あるなぁ」

藤原「呪いの人形をその店で売るじゃん?すると人形からすると酷い扱いを受けたって事になるじゃん?」

北島「まぁ、なるな」

藤原「そうすると俺に呪いをかけるようになるじゃん?」

北島「そうなるな」

藤原「で、帰ってくるじゃん?」

北島「だろうな」

藤原「帰ってきたらまた売るじゃん?」

北島「うん」

藤原「その繰り返しで延々と金になってくるって訳」

北島「お前……天才か?」

藤原「それ程でも」

北島「でもお前、呪われてんだろ?怖い思いするんじゃないか?」

藤原「その前に売りに行くから、帰ってくるだけなんだよ」

北島「何?その最高のビジネス」

藤原「これが無限ループよ」

北島「じゃあこれからそれら売りに行くの?」

藤原「うん」

北島「お前、考えたな」

藤原「照れる」

北島「俺も始めようかなー?」

藤原「一応ラップ音とかポルターガイスト的なのは起こるから、それが気にならなければお勧めするよ?」

北島「あー……それは嫌だなぁ……」

藤原「まぁ気のせいとも言えるけど」

北島「俺そう言うの気にしちゃうタイプだからな。止めとくわ」

藤原「そうか。まぁライバルが増えない事に関して言うと俺は嬉しい」

北島「ちなみに呪いの人形っていくらくらいで売れるの?」

藤原「個体差によってマチマチだけど、今は大体、全部で一万円くらいかな?」

北島「売ったらいつ戻ってくるんだ?」

藤原「その日の夜には」

北島「へー。じゃあ毎日売りに行ってるのか?」

藤原「そうだな。だから一ヶ月で、えーっと……三十万くらいか」

北島「凄いじゃないか」

藤原「でも毎日売りに行かなくちゃいけないから休みが無い」

北島「あー、それは大変だな」

藤原「それに色んな店に問い合わせしないといけないからな」

北島「何で?」

藤原「いつも一緒の店だとお断りされちゃうんだよ。転売ヤーだと思われて」

北島「成程なー。じゃあお得意先とかは無いんだ?」

藤原「そうだな。まぁいつも買ってくれる店もあったりはする」

北島「大変なんだな。意外と」

藤原「まぁな。じゃあ梱包詰めするわ」

北島「手伝うよ」

藤原「良いのか?呪われるかもしれないぞ?」

北島「その時はお前のように売るさ」

藤原「そうか」


 暗転。


 明転。


 藤原宅。大量の呪いの人形が並べられている。


藤原「コイツ等、やっぱり戻って来たかぁ……」


 藤原、板付き。

 SE、チャイムの音。


藤原「はーい(舞台上手に退場)」

北島「藤原と共に舞台上手から人形が入った袋を持って登場)」

藤原「どうした?」

北島「いや、コレなんだけどさ……(藤原の持っている呪いの人形と同じ人形を取り出す)」

藤原「何だ?お前も呪いの人形を拾ってきたのか?」

北島「いや、ちょっとコレを見てほしいんだけど……」

藤原「あ、コレ、俺が持ってるやつと同じだ」

北島「俺、昨日、梱包したの手伝ったから呪われたのかなって」

藤原「かもな」

北島「何か増えてない?」

藤原「まるで不幸の手紙だな」


 暗転。


NA「それから呪いの人形は増え続け、中古ショップ業界は破綻したのだった」





















―――終わり

『烈火の如く』



・登場人物


 北島

 藤原



・舞台


 北島宅






 明転。


 北島宅。卓袱台一つに座布団二つ。

 藤原、板付き。北島、土鍋を持って舞台下手から登場。


北島「お待たせー」

藤原「おう。悪いな。飯を奢ってもらえるなんて」

北島「俺の創作料理に付き合ってくれるのはお前くらいだからな。こちらこそ悪い」

藤原「いやいや。毎週末の楽しみになってます」

北島「それは有難い。じゃあ喰ってくれ……(鍋を引っ繰り返す)あっ!」

藤原「アッツ!?」

北島「ごめん!すぐに拭くから!」

藤原「それよりも冷やしてくれ!」

北島「今、保冷剤を持ってくる!(舞台下手に退場)」

藤原「冷やして!?烈火の如く俺を冷やして!?」

北島「何!?どっち!?(保冷剤を持って舞台下手から登場)はい!保冷剤!」

藤原「あぁ、もう!熱かったぁ!」

北島「ごめん!マジでごめん!」

藤原「いや、良いよ。これくらい。それより暖房上げてくれない?」

北島「あぁ、そりゃ寒いよな?ちょっと待っててくれ」

藤原「寒波の如く俺を暖めて?」

北島「え?何?どっち?」

藤原「とにかく暖めて!」

北島「あ、あぁ、分かった!」

藤原「あぁ……氷のように熱かったのが一変してサウナのように寒くなった……」

北島「え?何?どっち?」

藤原「シャワー浴びても良い?」

北島「あぁ、着替えも用意しとくよ」

藤原「すまんな」

北島「いや、こっちが悪かったから本当にごめん!」

藤原「そんな鬼のような形相で謝るなよ」

北島「え!?何!?どっち!?」

藤原「じゃあちょっとシャワー浴びてくるな」

北島「ごめんな!本当に!」

藤原「そんな飢えた猛獣みたいに謝んなって(舞台上手に退場)」

北島「だからどっち!?はぁ……(舞台下手に行き、着替えを持って舞台上手に行き、舞台上手から戻って来て床を吹き、鍋を持って舞台下手に退場して再び舞台下手から登場)」

藤原「(着替えて舞台上手から登場)上がったよ~」

北島「悪いな。それしか無くて」

藤原「うんこみたいな可愛いセンスで良いと思う」

北島「褒めてるの?貶してるの?どっち?」

藤原「でもパジャマか~。今日泊まってって良い?」

北島「勿論」

藤原「優しいな~。お前」

北島「むしろ許してくれてるお前の方が優しいよ」

藤原「いやいや。優しいって。鼠を丸呑みする蛇みたいに優しいよ」

北島「あのさぁ……」

藤原「何?」

北島「さっきからその例え何なの?」

藤原「例え?」

北島「『烈火の如く冷やして』とか『寒波のように熱い』とか」

藤原「別に他意は無いよ?そのまんまの意味」

北島「分かりにくいんだよな~……真逆の事を言われると……」

藤原「真逆……意識した事無かったな」

北島「ちょっと意識してくれれば分かると思う」

藤原「分かった。それにしても暑くない?」

北島「さっき寒いって言ったから暖房入れたんだよ」

藤原「風呂上がりだからかな。暑いわ」

北島「じゃあちょっと温度下げるか」

藤原「頼む。人肌程度に温くして」

北島「適切になったけど何か気持ち悪い」









―――終わり

『業界用語』



・登場人物


 北島(居酒屋店長)

 藤原(俳優)

 枝村マネージャー



・舞台


 居酒屋



・衣装


 藤原・・・サングラス






 明転。


 居酒屋。テーブル一つに椅子二つ。

 北島、板付き。藤原、枝村、舞台上手から登場。


北島「いらっしゃいませー!」

枝村「先日、予約させて頂いた枝村です」

北島「あ、枝村様ですね?こちらへどうぞー」

藤原「(サングラスを取る)」

北島「あれっ?あの俳優の藤原正将さんじゃないですかっ?」

藤原「シーッ」

北島「え?」

枝村「藤原さんはお忍びで来てるんです。あまり騒がないで下さい」

北島「あ、そういう事でしたか。申し訳ありません」

枝村「いえ、いえ。勝手を言って申し訳ありません」

北島「ありがとうございます。ではお先にお飲み物は何にされますか?」

枝村「私は烏龍茶で」

藤原「俺はルービーで」

北島「ルービー?」

枝村「ビールという意味です」

北島「あ、業界用語というものですね?畏まりました」

藤原「後、マメエダ」

北島「マメエダ?」

枝村「枝豆という意味です」

北島「あ、成程。他に何かご注文は御座いますか?」

藤原「トリヤキのトッセ」

北島「トリヤキのトッセ?」

枝村「焼き鳥のセットという意味です」

北島「は、はぁ……?畏まりました。以上で宜しかったですか?」

藤原「アエズトリは」

北島「アエ……?」

枝村「とりあえずは、という意味です。以上でお願いします」

北島「あ、え、は、はぁ……?では少々お待ち下さい」

枝村「あ、すみません。お手洗いは何処ですか?」

北島「こちらです。(枝村と共に舞台下手に退場し、ビールと烏龍茶を持って舞台下手から登場)お待たせしましたー。ビールと烏龍茶でーす」

藤原「ゴザガトウアリマス」

北島「ゴザガ……?」

藤原「んじゃ、マスイタダキ」

北島「マスイタタダキ……?あ、ありがとうございますと、頂きます?」

藤原「ウソ(頷く)」

北島「え?嘘なんですか?」

藤原「ガウチ、ガウチ。ウ・ソ」

北島「ガウチ……?ガウチ……ウソ……あっ、違う、違う、そう、って意味ですか!?」

藤原「ウソ、ウソ(頷く)」

北島「何か段々と分かってきたぞ……枝豆と焼き鳥、少々お待ち下さーい」

藤原「イーハ」

北島「はーい、ね……(舞台下手に退場し、枝豆と焼き鳥を持って舞台下手から登場)お待たせしましたー。枝豆と焼き鳥セットでーす」

藤原「モウド、モウド」

北島「どうも、どうも、か。あの、付かぬ事をお聞きしますが、藤原さんともあろう大俳優がどうしてこんな小さい居酒屋に?」

藤原「トンホはザギンでシースーをベータルテイヨだったんだけど、そこがコウムのスーミーでセルキャンされちゃって、ユウハイカーナマにここがシーオイよってエテオシもらって来たの」

北島「え?え?え?何?何て?」

藤原「だから、トンホはザギンでシースーをベータルテイヨだったんだけど、そこがコウムのスーミーでセルキャンされちゃって、ユウハイカーナマにここがシーオイよってエテオシもらって来たの」

北島「一単語ずつ言ってもらっても良いですか?」

藤原「トンホは」

北島「ホントは」

藤原「ザギンで」

北島「銀座で」

藤原「シースーを」

北島「寿司を」

藤原「ベータル」

北島「食べる」

藤原「テイヨ」

北島「予定」

藤原「だったんだけど」

北島「だったんだけど」

藤原「そこが」

北島「そこが」

藤原「コウムの」

北島「向こうの」

藤原「スーミーで」

北島「ミスで」

藤原「セルキャン」

北島「キャンセル」

藤原「されちゃって」

北島「されちゃって」

藤原「ユウハイ」

北島「俳優」

藤原「カーナマに」

北島「仲間に」

藤原「ここが」

北島「ここが」

藤原「シーオイよって」

北島「美味しいよって」

藤原「エテオシ」

北島「教えて」

藤原「もらって来たの」

北島「もらって来たの……えーっと、本当は銀座で寿司を食べる予定だったけれど、向こうのお店のミスでキャンセル扱いにされちゃったから、俳優仲間にここがお勧めと聞いてお越し頂いた、と?」

藤原「ウソ、ウソ(頷く)」

北島「へー……それは、それは、ありがとうございます」

藤原「マスイタダキ」

北島「あ、どうぞ、どうぞ」

藤原「あー、シーオイねぇ」

北島「美味しいですか。ありがとうございます」

藤原「カーホーにメススオ、リーアリますか?」

北島「他にお勧めはありますか……うーん、あ、ピーマンの肉詰めとかお勧めですよ?」

藤原「アジャ、デレソ」

北島「じゃあ、それで、と……後はそちらのお寿司程ではないかもしれませんが、肉寿司ならありますが?」

藤原「アジャ、モレソ」

北島「じゃあ、それも、ですね……少々お待ち下さーい(舞台下手に退場)」

枝村「(舞台下手から登場)あ、もう飲み物と食べ物、来てたんですか?」

藤原「ンウ」

枝村「さっきの従業員さんと話せました?」

藤原「カトンナ」

枝村「そうですか。何とか話せましたか」

藤原「ンウ」

北島「(舞台下手からピーマンの肉詰めと肉寿司を持って登場)お待たせしましたー。ピーマンの肉詰めと肉寿司でーす」

藤原「ゴザガトウアリマス」

北島「いえいえ。では何かありましたらお呼び下さい」

藤原「あ、後、トマト」

北島「冷やしですか?」

藤原「ンウ」

北島「畏まりました」

枝村「他に何か無いかなー」

藤原「この、うどん、パスタ、レンコン、レタス、パン、どう?」

枝村「あ、それ良いですね。すみません。それらも下さい」

北島「あ、はい。あれ?普通に喋れてる……?(舞台上手に退場し、トマト、うどん、パスタ、レンコン、レタス、パンを持って舞台上手から登場)お待たせしましたー。その他諸々でーす」

枝村「ありがとうございます。あれ?もう先に食べたんですか?」

藤原「食べた」

枝村「そうですか。あれ?あの、この前ロケに行った国、何でしたっけ……?」

藤原「スイス」

枝村「そうだ、そうだ。そこであの鳥を見付けて、面白かったな……何て鳥でしたっけ?」

藤原「キツツキ」

枝村「そう、そう。何か記事になってましたよね」

藤原「新聞紙」

枝村「その後、海に行きましたよね。何か取れました?私、その時、別の仕事でいなかったんですよね」

藤原「烏賊かい?」

枝村「あ、そうだったんですね?釣りで取ったんですか?」

藤原「素手です」

北島「……あ、何か突然、普通に喋ってると思ったら、回文ですか!?」

枝村「この人、もう普通の言葉喋れないんですよ……」

藤原「ケテタス」

北島枝村「助けて、って意味です」

北島「って意味なのは分かりました」

枝村「どうにか出来ませんかね?」

北島「私にはどうにも……」

枝村「ですよね……私、負けましたわ」

北島「あ、マネージャーさんも逆さ言葉になった」















―――終わり


『カラオケ』



・登場人物


 北島

 藤原(カラオケ舘チラシ配り)

枝村(カラオケENJOY SOUNDチラシ配り)

西岡(カラオケまねきわにチラシ配り)

 小川(カラオケの鉢人チラシ配り)

儀間(カラオケ歌広揚チラシ配り)



・舞台


 道端






 明転。


 道端。後ろに「カラオケ舘」「カラオケENJOY SOUND」「カラオケまねきわに」「カラオケの鉢人」「カラオケ歌広揚」と書かれた看板とドアがある。

藤原、枝村、西岡、小川、儀間、板付き。北島、舞台上手から登場。


藤原「新店舗オープンしましたー。良かったらどうぞー」

藤原枝村西岡小川儀間「新店舗オープンしましたー。良かったらどうぞー(チラシを配る)」

北島「(舞台上手から舞台下手に向かいながらチラシを受け取る)へー。ここカラオケ激戦区なんだんだなぁ。ここ、カラオケめっちゃあるんですね」

儀間「へ?カラオケ?違いますけど?」

北島「え?だってカラオケ歌広場でしょ?」

儀間「いや、カラオケ歌広揚です」

北島「……あ、本当だ!場じゃなくて揚になってる!?じゃあこっちは?……カラオケの鉄人じゃなくてカラオケ鉢人?カラオケまねきねこじゃなくてカラオケまねきわに?カラオケJOY SOUNDじゃなくてカラオケENJOY SOUND?カラオケ館じゃなくてカラオケ舘?凄いパチモンの集まりだなぁ……」

儀間「どうですか?一曲」

北島「そうねぇ……じゃあ折角だから歌おうかな?」

儀間「あ、ウチ、歌えないです」

北島「え?」

儀間「ウチ、コンセプトカフェなんで」

北島「どういうコンセプトカフェ?」

儀間「店員がまるでカラオケ店員のように振舞うカフェです」

北島「は?え、でも歌えないの……?」

儀間「騒音被害になるので駄目です」

北島「じゃあ何でそんなコンセプトカフェを……?」

儀間「意外と需要あるんですよ?」

北島「どういう需要が?」

儀間「『歌いてぇな!』みたいな」

北島「それのどこが面白いんだ……?」

儀間「これらは系列店なので、お試しで入ってみませんか?」

北島「え?これ全部、同じ店なの?」

儀間「そうですよ?」

北島「あ、そうなんだ……同じ店がえーっと……一,二,三,四、五……五店舗も連なってるんですね?」

儀間「そうです。その日の気分によってお客様が変わりますので」

北島「そんなに需要があるのか……?」

儀間「気になります?」

北島「えぇ。何か興味が出てきました」

儀間「ではいらっしゃったらどうですか?」

北島「じゃあ折角なんで。一時間いくらですか?」

儀間「このチラシがあれば一時間だけならドリンク一杯、無料ですよ」

北島「そうか……じゃあ試しに」

儀間「はーい。お客様ご来店でーす(北島と共に舞台下手から一番目のドアに入って暫くしたら北島と共に出てくる)。こんな感じです」

北島「歌いてぇな……」

儀間「お隣も行ってみます?」

北島「はい(小川と共に舞台下手から二番目の扉に入り、暫くしたら小川と共に出てくる)」

儀間「如何でしたか?」

北島「歌いてぇな……」

儀間「次も行きますか?」

北島「(頷く。西岡と共に舞台中央のドアに入り、暫くしたら西岡と共に出てくる)」

儀間「どうでしたか?」

北島「歌いてぇなぁ……」

儀間「次行きますか?」

北島「はい」

儀間「ではどうぞ」

北島「(枝村と共に舞台上手から二番目のドアに入り、暫くしたら枝村と共に出てくる)」

儀間「どうでした?」

北島「歌いてぇなぁ……!」

儀間「ありがとうございまーす」

北島「(藤原と共に舞台上手から一番目のドアに入り、暫くしたら藤原と共に出てくる)」

儀間「どうでした?」

北島「歌いてぇなぁ!」

儀間「次回も来られますか?」

北島「次は元となったカラオケ屋でこのモヤモヤを吹き飛ばします!」

儀間「ではこちら、それぞれの元となったカラオケ屋の割引クーポンです」

北島「良いんですか!?」

儀間「それがこのカフェの本当の目的です」

北島「ありがとう!じゃあ二度と来ませんから!」

儀間「本店の方も宜しくお願いしまーす」






















―――終わり

『フランス料理』



・登場人物


 北島

 藤原

 枝村



・舞台


 藤原宅



・衣装


 藤原・・・コックの格好、手と指に大量の絆創膏






 明転。


 藤原宅。卓袱台一つに座布団二つ。卓袱台の上にはナイフとフォークとスプーン。

 北島、藤原、板付き。


北島「おかえり。藤原」

藤原「ただいま。北島」

北島「もう何年経った?お前がフランスに修行に行って」

藤原「五年かな?」

北島「そうかー。何かあっという間って感じだなー」

藤原「俺としてはやっと五年か、って感じだけどな」

北島「その手と指が物語ってるよ。凄く辛い修行だったんだろ?」

藤原「まぁなー。でもその分、楽しかったよ?」

北島「あっそー。で?どうなの?店は開けるの?」

藤原「それがさー、暖簾分けしてくれなかったんだよ」

北島「そうなん?じゃあ個人で開く感じ?」

藤原「そうなる」

北島「一からのスタートだな。頑張れよ?」

藤原「ありがとう。で、今日お前を呼んだのは、日本で俺のフランス料理を食べる最初の人に任命した」

北島「家族とかじゃなくて良いのか?」

藤原「家族にはまだ食べさせられないというか……」

北島「はぁ~?実験台になれと?」

藤原「いや、いや、いや!親友に食べてもらいたかったんだよ!」

北島「そう言われると照れるな。分かった。食わせてくれ」

藤原「あいよ。卓袱台と座布団で悪いな」

北島「まぁ雰囲気は無いけど、飯が美味けりゃ良いよ」

藤原「メルシー・ボクー」

北島「おぉ、フランスっぽーい」

藤原「へへへ……じゃあちょっと待っててな?‘いや、少々お待ち下さい(舞台下手に退場)」

北島「おう。本格的~」

藤原「あぁ、大事な事をお聞きするのを忘れていました。アペリティフは如何なされますか?」

北島「アペリティフ?」

藤原「食前酒の事で御座います。ソフトドリンクでも構いません」

北島「へー……じゃあ何かジュースを」

藤原「畏まりました。それとポアソンとヴィアンド、どちらに致しますか?」

北島「ポアソ……何?」

藤原「ポアソンは魚、ヴィアンドは肉です。メインディッシュにお持ちします」

北島「じゃあ肉で」

藤原「焼き加減は如何致しましょうか?」

北島「あー、レア?で」

藤原「畏まりました。少々お待ち下さい(舞台下手に退場)」


BGM、オーケストラ風の曲。


北島「何この曲ー?」

藤原「スンベル・ヴィスツァラの宇宙交響曲第五楽章~」

北島「そうじゃなくて、何で流してんのー?」

藤原「少しでもフレンチレストランの雰囲気にしたくてー」

北島「あっそー」

藤原「(赤いジュースを持って舞台下手から登場)こちらジュースになります」

北島「美味いな」

藤原「ありがとうございます」

北島「ちょっと鉄分を感じて違和感あるけど、野性的で良いと思う。ブラッドオレンジってやつ?」

藤原「左様で御座います。では続いてお料理を持ってまいります(舞台下手に退場し前菜を持って登場)。アミューズ・オードブルで御座います」

北島「前菜ってやつね。はいはい……何これ?血のソース使ってる?」

藤原「良くお分かりで」

北島「ドレッシングに血のソースって珍しいね」

藤原「結果的にそうなりました」

北島「結果的に……?」

藤原「続いてのお料理をお持ちします(舞台下手に退場し、スープを持って舞台下手から登場)こちらスープになります」

北島「赤いスープって事は、トマト系か?……これも血のソース使ってる?」

藤原「お察しが宜しくて」

北島「ふーん……?」

藤原「ではヴィアンド、つまりメインの肉料理をお持ち致します(舞台下手に退場)」

北島「はーい」

藤原「(ステーキを持って舞台下手から登場)お待たせしました。ヴィアンドになります」

北島「……また血のソースか……」

藤原「お気に召しませんか?」

北島「いや、美味しいんだけど……こういうスタンスで今後やっていくの?」

藤原「そのつもりで御座います」

北島「はぁ……?」

藤原「では続いてワインをお持ちします。今回はヴィアンドでしたので赤ワインは如何でしょう?」

北島「あぁ、じゃあ、それで」

藤原「畏まりました。少々お待ち下さい(舞台下手に退場し、赤ワインを持って登場)お待たせしました。赤ワインになります」

北島「……鉄臭いな」

藤原「酸味が強かったでしょうか?」

北島「酸味……酸味か?これ……?」

藤原「続いてデセールを持ってまいります」

北島「デセール?」

藤原「デザートの事になります」

北島「もう最後かぁ」

藤原「最後この後もう一つ、食後のドリンクがありますので」

北島「あっそー」

藤原「少々お待ち下さい(舞台下手に退場し、アイスクリームを持って登場)お待たせしました。アイスクリームで御座います」

北島「……また赤い……」

藤原「お味は如何ですか?」

北島「うん……不味くはない」

藤原「ありがとうございます」

北島「いや、褒めてはないんだけど……」

藤原「それでは最後に食後のドリンクをお持ちします。珈琲、紅茶、ジュース、どれに致しますか?」

北島「さっきジュース飲んじゃったからな。じゃあ紅茶で」

藤原「畏まりました。少々お待ち下さい(舞台下手に退場し、紅茶を持って舞台下手から登場)お待たせしました。紅茶で御座います」

北島「また赤い……」

藤原「紅茶ですから」

北島「あ、それはそうか……ふぅ」

藤原「如何でしたか?」

北島「あ、もう良いよ?その余所行きの姿勢」

藤原「あ、そう?で、どうだった?俺の料理」

北島「味は悪くないんだけど、全部、血の味がしてクドかった」

藤原「そうか……やっぱりこの手がいけないのかなぁ……?」

北島「手?手がどうかした?」

藤原「いや、実はさ、暖簾分けしてもらえなかった理由として、血を出し過ぎるって言われたんだよね」

北島「え?どういう事?」

藤原「俺、恐ろしい程、不器用で、五年間、修行に行ってたにも関わらずずっとジャガイモ剥きしかさせてもらえなかったんだよね」

北島「え?じゃあ何?これって自己流だったの?」

藤原「半分そう。後は見て、食べて盗んだ」

北島「凄いじゃん。普通に。え?それと血に何の関係が?」

藤原「いやね?修行の上で次の段階にランクアップする為に毎月、指定された料理を作って評価を貰うんだよ」

北島「うん」

藤原「その時にいつものように料理したんだけど、その時ずっと指やら手やらを包丁で切っちゃってさ」

北島「ん?うん」

藤原「その結果、全部俺の血の味の料理になっちゃったんだよね」

北島「ちょっと待て!何!?あの血の味って全部、お前の血の味だったの!?」

藤原「うん」

北島「おえー!おえー!ふざけんな!」

藤原「でも美味しかったでしょ?」

北島「美味かったよ!?でも味の素を聞いたら吐き気がするわ!」

藤原「フレンチだから味の素は使ってないよ?」

北島「商品名じゃねぇよ!元々の味の由来の話だよ!」

藤原「いつか俺に子供が出来た時、親父の手料理としてこれを覚えてもらいたいんだ」

北島「そこの部分だけの話だけ聞いたら良い話だけど、手料理がマジの手の料理だと思ったら絶対にトラウマになるだろ!」

藤原「駄目ぇ?」

北島「駄目だろ!何しれっと親友にカニバリズムを植え付けてんだって話だろ!」

藤原「でも美味しいって事に変わりは無い訳で……」

北島「じゃあお前、メニューに書けんのか!?シェフの血入りサラダとか、シェフの血入りステーキとか!」

藤原「何だったらジュースと紅茶にも入ってたけどね」

北島「あれにも!?それは最早ワザとだろ!?」

藤原「いや、本当にたまたまなんだよ」

北島「どうやって!?」

藤原「袋とか瓶を空ける時に指を切った」

北島「お前マジか!?ってか分かってんなら出すなよ!そんな飲み物!」

藤原「美味しさの秘訣は、身を削る事です」

北島「滴ってんだよ!」

藤原「血の滲むような企業努力って事で」

北島「いや!むしろ染み込んでる!」

藤原「やっぱり駄目?向こうでも言われたんだよなぁ」

北島「衛生面的に悪過ぎる!駄目だよ、こんなんじゃあ!」

藤原「レストラン名も考えたんだよ」

北島「何て?」

藤原「フレンチレストラン『カーニバル』」

北島「お前、カーニバルの意味分かってる?」

藤原「要するに共食いだろ?」

北島「確信犯か!廃業しろ!このバカタレ!うっ……(倒れる)」

藤原「やっと効いてきたか……」

北島「お前……!俺に何をした……!?」

藤原「睡眠剤だよ。何、眠ってる間にお店に出すだけだからな」

北島「カーニバルって……!お前、まさか……!?」

藤原「じゃあな、北島」

北島「うっ……!」


 暗転。


 明転。


 藤原宅。藤原、枝村、板付き。


枝村「おかえり。藤原」

藤原「ただいま。北島」

枝村「もう何年経った?お前がフランスに修行に行って」

藤原「五年かな?」

枝村「そうかー。何かあっという間って感じだなー」

藤原「俺としてはやっと五年か、って感じだけどな」

枝村「その手と指が物語ってるよ。凄く辛い修行だったんだろ?」

藤原「まぁなー。でもその分、楽しかったよ?」

枝村「あっそー。で?どうなの?店は開けるの?」

藤原「それがさー、暖簾分けしてくれなかったんだよ」

枝村「そうなん?頑張れよ?」

藤原「ありがとう。で、今日お前を呼んだのは、日本で俺のフランス料理を食べる最初の人に任命した」

枝村「家族とかじゃなくて良いのか?」

藤原「家族にはまだ食べさせられないというか……」

枝村「はぁ~?実験台になれと?」

藤原「いや、いや、いや!親友に食べてもらいたかったんだよ!」

枝村「そう言われると照れるな。分かった。食わせてくれ」

藤原「あいよ」

枝村「親友といえば北島は?北島は来ないのか?」

藤原「北島は今日は来れないらしい」

枝村「そうなのか。タダでフランス料理を食べられるのに勿体無いなー」

藤原「そう。勿体無いんだよ……」

枝村「どういう事?」

藤原「まぁまぁ。それより卓袱台と座布団で悪いな」

枝村「まぁ雰囲気は無いけど、飯が美味けりゃ良いよ」

藤原「メルシー・ボクー」

枝村「おぉ、フランスっぽーい」

藤原「へへへ……じゃあちょっと待っててな?‘いや、少々お待ち下さい(舞台下手に退場)」

枝村「おう。本格的~」

藤原「あぁ、大事な事をお聞きするのを忘れていました。アペリティフは如何なされますか?」

枝村「アペリティフ?」

藤原「食前酒の事で御座います。ソフトドリンクでも構いません」

枝村「へー……じゃあ何かジュースを」

藤原「畏まりました。それとポアソンとヴィアンド、どちらに致しますか?」

枝村「ポアソ……何?」

藤原「ポアソンは魚、ヴィアンドは肉です。メインディッシュにお持ちします」

枝村「じゃあ魚で」

藤原「新鮮な肉が手に入ったのですが、それでも魚を?」

枝村「今日の昼、焼肉だったからアッサリした魚の気分なんだよね」

藤原「そうですか……残念だったな、北島」

枝村「え?何?」

藤原「いえいえ。お気になさらず……ではポアソンをご用意致しますね?」

枝村「待ってまーす」

藤原「仕方ない。ヴィアントは明日、俺が食うか」


















―――終わり

『早口言葉の競馬』



・登場人物


 北島(実況)

 藤原(解説)



・舞台


 競馬実況席







 SE、ファンファーレ。


 明転。


 競馬実況席。テーブル一つに椅子二つ。テーブルの上にはマイクと「実況」「解説」と書かれたプレートが一つずつ。

 北島、藤原、板付き。


北島「さぁ始まりました。早口言葉有馬記念。実況は私、北島康介です。解説は藤原正将さんでお送りします。藤原さん、宜しくお願いします」

藤原「宜しくお願いします」

北島「今回の馬名は特別仕様になっておりますのでご了承下さい。そして各馬ゲートイン完了です。スタートしました!若干3番トナリノキャクハヨクカキクウキャクダは後方、10番アカマキガミアオマキガミキマキガミも後方、そして5番カキャクセンマンギョンボンゴウは後方に下がっていきます。さぁ先行争いか、内から9番ナマムギナマゴメナマタマゴ、出て行って半馬身リード、2番手は11番トナリノタケガキニタケタテカケタノハダレダタケタテカケカタッタカラタケタテカケタ、3番手は外17番トウキョウトッキョキョカキョクキョカキョクチョウ、12番オアヤヤヤオヤニオアヤマリ、内は4番アブリカルビ、1コーナーを周っていきます。2番カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコは中団前です。1コーナーから2コーナー先手を奪ったのはなんと9番ナマムギナマゴメナマタマゴ。リードは3馬身、4馬身とって2コーナーを迎えます。単独2番手17番トウキョウトッキョキョカキョクキョカキョクチョウです。3番手は11番トナリノタケガキニタケタテカケタノハダレダタケタテカケカタッタカラタケタテカケタ。2コーナーのカーブ、4番手7番 ブスバスガイドバスガスバクハツ。第2コーナーを迎えます。前から5頭目4番アブリカルビ、その後ろ12番オアヤヤヤオヤニオアヤマリが続いて2コーナーカーブから向正面です。その後ろに1馬身半差2番カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ、中団つけています。外は14番シンジンシャンソンカシュシンシュンシャンソンショー、2コーナーから向正面へ。3馬身後方に6番ロウニャクナンニョ、そして外から上がっていきます3番トナリノキャクハヨクカキクウキャクダ。最初の1000mは1分2秒2の通過。さぁ上がっていった5番カキャクセンマンギョンボンゴウ、後方から中団先団へと上がっていきます。その後ろですが3番トナリノキャクハヨクカキクウキャクダと6番ロウニャクナンニョの後ろ、18番のジョセツシャジョセツサギョウチュウが行って、10番アカマキガミアオマキガミキマキガミ。さらには16番コノクギハヒキヌキニクイクギダ。内は8番アカパジャマキパジャマチャパジャマ、1馬身半後方15番フコウナフウフハフルイフクが行っています。これから3コーナー周っていって、外は13番ジミナジイヤノジマンノジザケ、最後方2馬身差1番コノスシハスコシスガキキスギタ。さぁ3コーナー周りきったところで、先手を奪い切ったのは5番のカキャクセンマンギョンボンゴウです。ここで行った、リードは6馬身7馬身3、4コーナー中間。2番手は9番ナマムギナマゴメナマタマゴ、外は17番トウキョウトッキョキョカキョクキョカキョクチョウ、2番手は2頭4コーナーへと向かっていきます。4番手7番 ブスバスガイドバスガスバクハツ、そしてじわりじわりと4番アブリカルビ。その2馬身背後に2番カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ。第4コーナーをカーブ直線コースに向きました!さぁ先頭5番のカキャクセンマンギョンボンゴウ、4馬身から5馬身のリード。2番手は7番ブスバスガイドバスガスバクハツ、残り400m坂を上がって。更には9番ナマムギナマゴメナマタマゴ3番手、そして4番アブリカルビ。そして来た来た2番カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ、さぁ7番のブスバスガイドバスガスバクハツ。外からカエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ、間からアブリカルビ。カキャクセンマンギョンボンゴウは完全に後退、内からトナリノタケガキニタケタテカケタノハダレダタケタテカケカタッタカラタケタテカケタ。さぁ前は2番カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ先頭に変わった!ブスバスガイドバスガスバクハツ2番手、3番手4番アブリカルビ。先頭は2番カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ、『これが本来の姿だ!』ゴールイン!やりました2番カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ!一筋の消えない思い出を残して、ターフに別れを告げます。『さらばカエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ!』」


1.藤原「(北島が噛んだ場合)噛みまくりましたね」

2.藤原「(北島が噛まなかった場合)よく噛みませんでしたね」
















―――終わり

『寿司屋』



・登場人物


 藤原(客)

 北島(大将)



・舞台


 寿司屋






 明転。


 寿司屋。カウンター一つ。カウンターには醤油瓶。と山葵。

 藤原、北島、板付き。


藤原「良い店だな」

北島「先生のお陰だよ。ヤンキーだった俺を更正してくれたから、俺は今、こうやって先生の為に寿司を握れるんだから」

藤原「お前は本当に手が付けられないヤンチャ生徒だったからな……俺は嬉しいよ……!」

北島「先生!まだ泣かないでくれよ!俺の寿司を喰ってから泣いてくれよ!」

藤原「あぁ、そうだな!」

北島「今日は俺の奢りだ!じゃんじゃん喰ってくれ!」

藤原「じゃあ喰わせてくれ!」

北島「じゃあ、何から握る!?」

藤原「ちらし寿司、一つ!」

北島「握らせろって!」

藤原「え?」

北島「折角の寿司屋なんだから握らせろって言ってんだよ!」

藤原「そうか……じゃあ蟹味噌汁!」

北島「握らせろって!」

藤原「ガリ!」

北島「握らせろって!」

藤原「ラーメン!」

北島「回転寿司か!握らせろって!」

藤原「お茶!」

北島「何、帰ろうとしてんだ!?握らせろって!」

藤原「も~。欲しがりさんなんだから~」

北島「欲しがりさんじゃねぇって!普通の注文だよ!」

藤原「店側が客に注文するかねぇ?」

北島「そういうの、いいから、握らせろって言ってんの!」

藤原「しょうがないな~。じゃあ鯛!」

北島「おっ、分かってるねぇ~。あいよ!」

藤原「おぉ……凄く立派だ……!」

北島「へへっ。よせやい」

藤原「ここまで握るのに相当、修行したんだな?」

北島「そうだよ。先生に喰ってもらいたくてな」

藤原「写真を撮って良いか?」

北島「良いよ」

藤原「うわぁ~!良い写真だ……!これ、SNSに上げても良いか?」

北島「良いけど?」

藤原「サンキュ……おっ、見て、見て?早速いいね貰ったよ……」

北島「喰えって!」

藤原「え?」

北島「さっきから喰う前のやり取りが長ぇよ!さっさと喰え!」

藤原「も~……分かったよ……醤油どこ?」

北島「目の前にあるやつ」

藤原「あぁ、これね……(醤油を掛ける)」

北島「…………」

藤原「(醤油を掛け続ける)」

北島「多いって!」

藤原「え?」

北島「掛け過ぎだって!」

藤原「だってこれ減塩醤油だろ?」

北島「だからって多過ぎるって!」

藤原「まぁこれくらいで良いか。頂きます」

北島「ほぼ醤油の味しかしないと思うけどな」

藤原「うん。美味い。美味いなぁ……!」

北島「そ、そうか……?」

藤原「ちょっとショッパイけどね」

北島「それは自分の責任だろ」

藤原「育ちの悪さが出てるんじゃないか?」

北島「それ俺に言う?育ちの悪さは先生の方だろ」

藤原「おい!客に向かって何だその態度は!?」

北島「は?」

藤原「この店は客を罵倒するのが仕事なのか!?一体どうなってるんだ!?この店は!」

北島「教え子の店!」

藤原「え?」

北島「教え子の店なんだから、それくらい許せよ!?俺達の仲だろ!?」

藤原「元、教え子の店な。今は只の客と店員だろ?」

北島「それはそうだけども!」

藤原「誠心誠意、心を込めて接客しないと店として成り立たないぞ?」

北島「一見、間違ってないような内容だけど、俺と先生の仲なんだから、そういうの良いじゃん!?」

藤原「俺、仕事とプライベートはキチンと分けるタイプだから」

北島「分け過ぎだよ!こういうのは、こう、何と言うか、心で話す感じだろ!?」

藤原「それ、自分で言ってて恥ずかしくない?」

北島「恥ずかしいよ!?」

藤原「そういうの止めた方が良いよ?自分に酔ってるって相当、恥ずかしいから」

北島「もう良いじゃん!この話!俺の寿司どうだった!?」

藤原「だからショッパイって」

北島「今度は適量を掛けて喰ってみてくれよ?」

藤原「適量……じゃあお前がやってくれ」

北島「えぇ……?適量って……こんなもんじゃない?」

藤原「どれどれ……うん、うん!美味い!美味いなぁ……!」

北島「そうか!良かった……!」

藤原「立派になっちゃって……」

北島「それもこれも先生のお陰だよ!」

藤原「そうだよなー!俺のお陰だよなー!?」

北島「え?あぁ、うん」

藤原「俺がいたから更生したんだもんなー!?もっと崇めろよなー!?」

北島「あ、はい……」

藤原「よし!もう寿司も喰った事だし、帰るわ!」

北島「あ、そうスか……」

藤原「いくら?」

北島「あ、良いよ、良いよ。俺の奢りだから」

藤原「あ、そう?悪いねー!」

北島「普通に喰って帰るだけなんだ……」

藤原「何で?」

北島「普通、ご祝儀とか持ってきたりしない?」

藤原「奢りなんだろ?じゃあ良いじゃん」

北島「まぁ、そうは言ったけど……」

藤原「何?何が言いたいの?」

北島「奢りだって言っても、教え子の旅立ちの為に金を払ったりしない?普通」

藤原「いや。そうは思わんけどな」

北島「俺の感性の違いかなー……?」

藤原「じゃあ帰るわ」

北島「あ、はい……じゃあ折詰手でも持って帰ります?」

藤原「そこまでしてくれちゃって良いの!?」

北島「有料だよ?」

藤原「えー!?さっき奢りって言ったのにー!?」

北島「だからご祝儀だと思って……」

藤原「話がちがーう!」

北島「礼儀が成ってない!いいから金をくれよ!」

藤原「分かったよー……中身は何?」

北島「大トロとエンガワと海老が二巻ずつ」

藤原「いくら?」

北島「五百円」

藤原「やっす!?そんなんで良いの!?」

北島「ケチな先生にはそれでも大金でしょ?」

藤原「バッカにしてくれちゃって~!はい、五百円!」

北島「本当に五百円しか出してくれないんだ……」

藤原「だって奢りなんだろ?」

北島「それはまぁ、そうなんだけど……」

藤原「じゃあな」

北島「っていうかさ、不良だった俺がここまで更生したんだからもっと祝ってくれよ?」

藤原「あのな?良いか?元々、良い子だった子がキチンと勤め上げるのが偉いのであって、不良が更生した程度で『偉い』なんておこがましいと思わないの?」

北島「ごもっともな事を言うなよ!?」

藤原「じゃあ俺、帰るわ」

北島「あ、先生」

藤原「何だ?」

北島「まぁ、今日は色々あったけど、先生には大分世話になった。ありがとう!」

藤原「何だよ?そう言われると照れ臭いな……」

北島「んっ(手を差し出す)」

藤原「おう(チョキを出す)」

北島「握らせろって!」

藤原「ジャンケンじゃないの?」

北島「違うわ!握らせろって言ってんの!」

藤原「弱みを?」

北島「握ってどうすんだよ!?」

藤原「次回から値段をぼったくる事が出来る」

北島「何かあんの?先生に弱み」

藤原「この前、横領で逮捕されて、二千万の慰謝料払わされて、妻とは離婚して、子供は連れて行かれて、職を失って、家も無くなって、唯一の所持金も経った今ゼロになった」

北島「無敵の人になってしまったのか……寿司よりも手に汗握ってしまったよ……」


















―――終わり

『マラソン』



・登場人物


 北島

 藤原

 先生(声のみ)



・舞台


 学校の校門前






 明転。


 学校の校門前。

 北島、藤原、舞台上手から登場。


北島「あー、マラソン大会とかダッル……」

藤原「そうだなー。何でこんなクソ寒い中、疲れる事をしなきゃいけないんだって話だよなー」

北島「ビリは一週間トイレ掃除だもんな……」

藤原「運動神経が悪い俺達には辛い話だよな……」

北島「どうせ本気で走らないんだろ?」

藤原「そのつもりだけど?」

北島「そうか。じゃあ、一緒に走ろうぜ?」

藤原「ええで」

北島「一緒にゴールしような!」

藤原「あぁ!」

北島「抜け駆けはするなよ!?」

藤原「勿論だ!俺達はいつだって一身一体!同族嫌悪!二人で二つだからな!」

北島「えっ!?」


 SE、スターターピストルの音。


藤原「じゃあな!(舞台下手に走って退場)」

北島「待て!コラッ!(舞台下手に走って退場)お前!裏切るのか!?」

藤原「裏切るも何も、最初から誓っちゃいない!」

北島「最低だな!お前!?」

藤原「ビリにならなければそれで良いんだ!」

北島「卑怯者!」

藤原「最下位にならなければそれで良いんだ!お前が犠牲になれ!」

北島「友情は無かったのかよ!?」

藤原「友情より自分の保身だ!」

北島「マジで最悪!」


 暗転。


 SE、スターターピストルの音。


 明転。


 学校の校門前。

 北島、藤原、舞台下手から登場。


北島藤原「はぁ……!はぁ……!はぁ……!」

北島「お前……マジで……!」

藤原「俺の……勝ちだ……!」

北島「ふざけんな……!」

藤原「トイレ掃除、一週間、頑張れよな……!?」

北島「この裏切者めが……!」

先生「えー、只今の最下位、二人でーす」

北島藤原「えっ!?」

先生「二年B組、北島康介君、藤原正将君でーす。一週間、トイレ掃除、お願いしまーす」

藤原「ふざけんな!ビデオ判定しろ!」

先生「口答えするんじゃありませーん。厳正なる審査の結果でーす」

北島「様ァ見ろ!」

藤原「クソッ……!俺の計画が……!」

北島「俺達はいつだって一身一体、同族嫌悪、二人で二つだからな。二人でやっていこうな!?」

藤原「サドンデス希望ー!」















―――終わり

『似ている』



・登場人物


 北島

 藤原



・舞台


 藤原宅






 明転。


 藤原宅。卓袱台一つに座布団二つ。卓袱台の上には塩と醤油。

 北島、藤原、舞台上手から登場。


北島「お邪魔して悪いな」

藤原「良いよ。別に。何か喰うか?」

北島「何か適当に喰わせてくれると嬉しい」

藤原「じゃあ餅で良いか?」

北島「あぁ。それで良いよ。砂糖醤油で喰いたい」

藤原「じゃあちょっと待っててくれ(舞台下手に退場)」

北島「あいよ。すまんな」

藤原「(餅を持って舞台下手から登場)お待たせ」

北島「そんな待ってないけどな」

藤原「適当に調味料を使ってくれ」

北島「サンクス(塩醤油を使って餅を食べる)しょっぱ!?」

藤原「え?」

北島「これ、砂糖じゃねぇの!?」

藤原「……あ、これ塩だわ」

北島「塩醤油で喰ってしまったのか……」

藤原「麦茶でも飲んで口をリセットしてくれ(舞台下手に退場し、麺つゆを持って舞台下手から登場)はい。麦茶」

北島「サンクス……しょっぱ!?」

藤原「え?」

北島「これ、麺つゆじゃね!?」

藤原「……あ、本当だ。悪い」

北島「いや、まぁ、ワザとじゃなければ良いんだ……」

藤原「甘いアイスでも喰って今度こそ口直しをしてくれ(舞台下手に退場し、ポテトサラダを持って舞台下手から登場)はい。アイス」

北島「悪いな……これもしょっぱ!?」

藤原「え?」

北島「これポテトサラダじゃね!?」

藤原「……あ、本当だ。悪いな」

北島「ワザと?」

藤原「いや、素で間違えてる」

北島「嫌がらせだろ?」

藤原「いやいや。普通に間違えてる」

北島「そうか……なんか水でも良いから口直しに飲み物くれる?」

藤原「はーい(舞台下手に退場)」

北島「水なら間違えようが無いよな……?」

藤原「(日本酒を持って舞台下手から登場)はい、ミネラルウォーター」

北島「サンクス……って、これ酒じゃねぇか!?」

藤原「あ、マジ?また間違えちゃった」

北島「まぁ、もう良いわ。これらをつまみに酒、飲むから」

藤原「結果オーライ」

北島「本当に結果オーライだな」


―――終わり


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