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⑤旅立ち
時が流れるのは早いもので。
時は経ち、今日はついに魔王討伐の旅へと出発する日だ。
「では、頼んだぞ。勇者一行」
「気をつけてくださいね、勇者一行」
この国を束ねる国王と王妃、つまり僕とチユの父と母は、そう言って僕らを見送った。
「はい!国王、王妃!」
父母としての二人の思いは昨日の送別会で充分に理解しているので、僕らも『勇者一行』として答えた。
門が開く。
これから、魔王を倒す為の僕らの長い旅と戦いが始まるのだ。
「行ってきます。お父さん、お母さん」
門が締まり、こう呟いたのはサラだ。
サラを勇者として城に住まわせてからこれまで、両親はサラの事を『もう一人の娘』として扱った。
だから、僕らも自然とサラを『家族』として認識するようになった。
やがて僕達兄妹にとって、サラは『守りたい存在』になった。
そして、父も母も、僕らが彼女と共に旅立ちたい、と言い出す事は分かっていたのかもしれない。
「行こうか」
「うん!」
「了解。いつでも準備は出来ている」
そうして、僕達は魔王城を目指して歩き出した。




