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滅ぶべき存在

 現在の状況がいかによろしくないかは元死神の二人の様子から容易に判断がついた。紫音は目を大きく見開いて口まで開いており、出会って以降常に冷静だった天明ですら青ざめ額にうっすらと汗を浮かべている。

「なぜあなたがここに、、、足取りは掴めないようにしていたはずなのに。」

「私を誰だと思っているんだい?」

 外見と相違ない穏やかな口調で発せられた言葉であったがそのプレッシャーは計り知れず、それにより二人の顔色は更に悪くなったように見える。

「屋代君がいろいろと約束の日について探りをいれてくるもんだから何かあるかなとは思っていたけれど、まさか日野君が関わっていたとはね。

 雪村かなえ君のお子さんの件もそうだけど君のかつての信念はどこへ行ってしまったんだろう?」

 天明が霊界からいなくなったことは当然知っているとし、それが雪村家の双子を救うためだったことも把握しているぞということだろう。ここまで来るともう元死神には何も発言出来ないと考え思い切って聡介が切り出す。

「世界はやはり滅びてしまうのでしょうか?」

「約束の日はもう随分と前から準備が進められていて、このままだと確実に実行されるね。」

 相変わらず穏やかな口調であるが聡介に向けられた眼差しと言葉は優しささえも感じられた。もうやめてくれと言う二人の視線を無視して聡介は一人質問を続ける。全ての道が閉ざされているであろう現状自分もどうせ助からないのだから逆に色々とこの人から聞き出すしかない、そう腹を括ったのだった。

「滅ぼすことが最善の方法なのでしょうか?」

「世の中を統治する神々はそう判断したようだね。」

「人間が好き勝手やっているせいですか?」

「それは私には分からないよ。君はどう思う?」

 質問を質問で返され聡介は答えることが出来ない。

「ある特定の種族がその大地を掘り起こし形を変え、その他の種族は住む場所を失い滅んでいく。同じ種族同士で殺し合いをしてそれによって自分たちさえ住めない環境にしてしまう。自分たちが創り出した物を廃棄して神から与えられた大地を汚染していく、、、、数え出したらきりがない。このまま世界が続いたとして全ての種族が幸せに生活が出来る時代が来ると君は思うかい?」

「そうなるために、環境を守っていこうという取り組みだって始まりつつあります。」

「本当にそれは世界を、その他の種族のことを考えてやっているんだろうか?結局自分たちだけが少しでも生き長らえればとやっているだけのように思えるけれど。」

「、、、、だから全てをリセットすると?」

「私が神だったとしても同じ判断を下すかもしれないね。」


 あわよくば約束の日のトリガーについても聞き出そうと考えていたがとてもそんな状況ではなくなってしまった、、、、そう諦めかけた瞬間に細小路の方から予想外の発言が飛び出した。

「約束の日は十日後、スリンザ湖に箱が投げ込まれることによって引き起こされる。」

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