黒幕?登場
「そんなことってあり得るぅ~?世界滅亡の危機に何やってくれんのよ~!!」
近くの国まで空路で行きその後、海路で現地入りするには時間が足りな過ぎる。今朝の報道が間違いないのであればスリンザ湖に近づくことさえできないこととなってしまう。各自慌ててスマホで情報の真偽を確かめるが残念ながらその報道に間違いはないようであった。
「あまりにもタイミングが良すぎですね。」
「本当にそうですね、、、」
「もしかすると運命の日が邪魔されないようにと霊界が何かしら関与しているかもしれません。」
「そんなことあるんですか?」
「死神が作為的に人の運命を変える、、、過去にそういったケースがなかった訳ではありません。」
天明はその過去のケースを思い起こしているのか苦虫を嚙み潰したような顔をしている。
「今回この場所を指定したのも霊界が良からぬ動きをしている可能性を考えてのことだったのですが、、、、」
「どういうことですか?」
「私は多くのことを知りながら運命を変えたことのある危険分子ですから、私の事務所は盗聴等がされていても不思議ではない。」
「、、、、それを言ったら我々も、、、、、」
「その辺は細心の注意を払っています。ここへ来る途中も雪村家へ行く際も死神には発見できないような細工をしているので、霊界があなた方と私が接触しているということは把握出来ていないはずです。」
「そうですか。」
自分たちの動きが読まれている訳ではないとホッとはしたものの、だからと言ってスリンザ湖に向かう手段が見つかる訳でもない。
三人は途方に暮れるしかなかった。
「過激派組織が心を入れ替えてくれるように説得して速攻飛ぶ?」
「さっき調べたら管制塔が破壊されたって書いてあった。」
「ビューンって空を飛べるようなオーパーツを発掘する?」
「どこ掘ったら出て来るんだよ。」
「政府に説明して専用機で連れてってもらう?」
「頭おかしい奴でしょ、相手にされないよ。」
「、、、、、何なのよ!ケチばっかりつけてないであんたも何か考えなさいよ!!」
「考えてるよ!良い案が出てこないから黙ってんの!!」
「やなり、何とかして御堂巌と連絡を取りゲートを使わせてもらうしかないのではないでしょうか。」
ヒートアップしている二人をよそに一人冷静に思案を続けていた天明が出した結論であった。しかしそれは突然扉を開けて入って来た人物によって否定されることとなった。
「彼とはもう連絡を取ることが出来ないですよ。」
入って来たのは一人の男性だった。年の頃は御堂巌と同じくらいに思われとても穏やかそうな雰囲気を醸し出していたのだが、その男性を目にした天明の驚き具合は紫音が入って来た時のそれとは比べ物にならず恐怖におののいている様にも見える。
「誰?」
紫音にこっそりと聞いてみるが首を横に振っていることからどうやら彼女は知らなようだったが、その聡介の問いかけが聞こえたのか天明が声を絞り出す。
「細小路貞行、あなたのおじいさまです。」




