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見えない糸口

「そうだ!御堂さんならもっと詳しいこと知ってたりしないかな?」

 なんら解決策が見いだせていない現状を打破すべく紫音が提案する。

「確かに我々よりは長く生きられていますがせいぜい百年位のものでしょう、前回の約束の日はもっともっと前の出来事ですから、、、あまり期待は出来ないかもしれません。でも聞いてみる価値はあるかも知れませんね。」

「じゃあ、聞いてみよう!」

「それが、、、、」

「何?」

「真っ先に御堂さんにどういう事か確認しようとしたんだけど、全然反応がなくて。」

「えぇ~、そのリストバンドも燃料切れ?」

「そうなのかも。」

 すがろうと思ったがそこには藁すら無かった。再びの沈黙が訪れかなえが何か飲み物でもお持ちしますねとキッチンの方へと向かって行った。そこはお前じゃないのか?と突っ込もうとした聡介だったが立つ気配すらなくふんぞり返っている紫音を見てその気は完全に失せてしまった。


「如月さんのおじい様に聞いてみてはどうでしょうか?」

 しばらくして、かなえがキッチンからトレイにコーヒーを乗せて戻って来た。そのかなえの導き出した糸口も既に検証済みであったのであろう、天明が優しく答える。

「まず現時点ここにいる誰も細小路貞行に接見することが出来ません。」

「そうだよね、死神じゃないんだもんね。」

「私や紫音じゃそもそもにお会い出来る立場になかったですしね。如月さんは、、、」

「当然会ったことありません。」

「だよね。」

「例え会えたとして約束の日について教えてもらうことは出来ないでしょう。三柱が決定した事案ですから人間一人の運命を変えることとは次元が違い過ぎる。死神である彼がその決定の妨げなる可能性があるようなことをするはずがありません。」

「、、、詰んだな。」

「約束の日が起きることを阻止出来る可能性は限りなくゼロに近いとは思います。」

「天明さん、先ほど約束の日に関する文献を調べたことがあると言っていましたが、それは?」

「運命の日が近々訪れると言うのはある程度上位の死神の間では周知されていました。それでその約束の日が何なのかを知りたくなって、、、、、、」

「どうしました?」

 何かを思案しているのか天明は急に黙り込んだ。

「弱みをに、、、いや、良く面倒を見ていた後輩と若かりし頃に調査をしたのですが、彼は現在細小路貞行の直属の部下になっていたはず。」

「じゃあ、何とか情報を聞き出せるかも?」

「阻止できる可能性が0%から3%になる位かも知れませんけどね。ちょっと連絡を取ってみます。」


 その日の会合はそこでお開きとなった。駅までは一緒だということで雪村家を出て天明と二人並んで歩いていた聡介はずっと気まずい雰囲気であったが、どうしても気になっていたことを思い切って質問してみた。

「あの、、、日野さんは約束の日を阻止することに賛成なんですか?」

「どういうことですか?」

「いや、何というか神様が決定したことだからそれに従うとか言うのかなと思って。」

「そうですね、半分はまだそう思っています。しかしもう半分はなんとか今の生活を続けたいと思っている自分がいます。」

「今の生活が楽しいんですね。」

「はい、自分でも信じられないことに。」

 それ以降駅までは会話がなかったが何となく気まずさがなくなった気がした聡介であった。

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