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死神:安藤紫音

特別に暑い夏のある日、いつもの様に現世に繰り出しビルの屋上で一人の少女が身を投げ出すのを見守っていた。今月も何とかノルマが達成出来ると安堵しながらその時を待っていたが予想外の出来事が起こり彼女は霊魂となることがなかった。

 彼女の自殺を思いとどまらせたその男に文句を言ってやろうと波長を合わせたのだが、更に予想外なことにこちらのことが最初から見えていたと言う。

 たまに居るとは聞いていたが、見えてしまう人間なのであろう。何はともあれ邪魔をした分はきっちり返してもらわなければならない、ちょうど都合よく使える助手が欲しいなと思っていたこともあり死神の仕事を手伝わせることにした。

 何だかんだ言い掛かりをつけてずっとこき使ってやろうと内心思っていた。

 その男は如月聡介と名乗った。

「如月?、、、、、ふぅん。」

 何だかどこかで聞いたような名前だったが、それがいつだったかは思い出せなかった。


 死神なりきり眼鏡を渡し暫くしても如月聡介からは黄色い炎が見つかったと言う連絡はない。死神のことをなめているのか、信じていないのか、、、こちらにもノルマがあるので釘を刺すという意味合いも含めこちらからコンタクトを取ってみた。慌てているこれで少しは信じたであろう。

 しかしいきなり彼だけに任せていてもノルマは達成出来そうにないので当面はやはり自分でも動かなければならないだろうと思い訪れた現世には信じられない出会いが待っていた。

 二十年前以上に死神の力を捨てて出て行った姉、安藤かなえとの再会であった。

 両親からも忘れるようにきつく言われ、なるべく思い出さないようにとしていたのだが現世でその年を重ねた姉の姿を見かけてしまってからと言うものはそれが気になって仕方がない。

 一度目に見かけた場所に張り付いていると再びその場所で発見することが出来た。この近辺で仕事をしているのだろうか、時間的に帰宅するのだろうと思い気付かれないようにその後をつけていく。その隠密行動を行っている最中に如月聡介から一本の電話が掛かって来る。

「もしもし?何か用?今忙しいんだけど、、、」

 黄色い炎を見つけたと言う報告であった。なんとタイミングが悪い男なのだろう、とりあえず引き続きの追跡を依頼し自分も追跡を継続し何とか姉の家の所在地を知ることが出来た。


 それからというもの現世であいた時間があれば遠くから姉の家の様子をうかがうのが日課となっていた。そんなことを続けていたある日不覚にも後ろから姉に声を掛けられてしまった、波長は合わせいないので油断していたのだが死神の力の一部は残ってしまっているのだろう。

「紫音?紫音だよね、、、本当に久しぶり。元気だった?」

 死神であることを捨てた姉と接点を持つことは好ましくない、頭では理解しているのだが久しぶりにこうして会って話をしてしまうと今まで我慢していた欲求から今までのように距離を取ることが出来なくなっていた。

 家に招かれお互いの近況を遅くまで語り合った。

 両親が今も元気にやっていること、雪村崇が亡くなってしまったこと、紫音にとっての甥と姪にあたる心太と心音のこと、、、、話は尽きることがなかった。

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