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聡介のルーツ

「あなたのお母さまも私と同じように元々現世から霊魂を導く死神でした。」

 これまでの話の流れから何となくそうではないかと思ってはいたが、実際にそうだと言われるとその衝撃が大きかった。しかし同時に霊魂の声が聞こえたり人々の頭上の炎が見えてしまうことへの回答が得られたようで少しすっきりもした。

「いつもの様に現世で仕事をしている時に黄色い炎を灯したあなたのお父さまに出会い恋に落ち、彼を救うために御堂さんを頼ったのです。」

「母とその死神は元々知り合いだったんですか?」

「そのようです。お母さまの父親、あなたの祖父にあたる方と旧友で小さい頃から面識があったと聞いています。当時御堂さんは既に引退し隠居されていたようですが元々は霊界に戻った霊魂の浄化を行い新しい命として現世に送る役目をされていたので普通の死神には到底無理なような運命の操作も出来てしまったのだと思います。」

「、、、、それで、母は自分の死神の力と引き換えに父の運命を変えることに成功したと。」

「はい、当時そのことは霊界でも大きな話題となり、だから私も主人とのことがあった時に迷惑が掛かるとおもいつつも彼女へ連絡を取ったのです。」

「私も都市伝説みたいな感じでその話は知っていたけど、まさかあんたがその人の息子だとは思わなかったわ。」

「しかしそんなことが知れ渡って良く何事もなかったですね。運命を故意に変えるなんて大それたことしたら、それこそこの間みたいなおっかない死神出て来たりしそうだけど。」

「あんたがそれ言う?」

「いや、だって今回だって運命を変えようと画策してる訳だろ?俺がやってたことは目を付けられて、その御堂と言う死神がやることはスルーってのも、、、変じゃない?」

「それは、、、、確かに」

「御堂さんの死神時代の功績が大きかったということもあったのかもしれません。先ほどお話に上がったあなとの祖父にあたる細小路貞行さんがその件に関しての調査を中止させたと言う噂も流れていました。ご自分の娘を守るために、、、、」

「そんなことが出来るんですか?」

「それほどにあなたのおじい様は力をお持ちなのです。まぁ私もその前例があったおかげで生きながらえているのでしょうけど。

 ただあなたのお母さまの一件以来、御堂さんの所在は全く掴めなくなってしまったと聞いています、あなたのお母さまとおじい様を除いて。」


 話が進んでいくうちに段々と自分と死神との繋がりが分かってきた聡介であったが、そこで一つの疑問が発生する。

「今まで伺った話は全部私が生まれる前の話ですよね?私が御堂という死神に会ったと言うのは、、、、」

「はい、それは私が今から説明するわ。」

 突然バトンタッチされた説明役について不思議がっていると紫音はそれを察したかのように続ける。

「ここから先は御堂巌のことを調べているうちに分かってきたことで、お姉ちゃんは如月良子が死んだこともそれまで知らなかったのよ。」

「そうなんですね、、、、」

「ごめんなさい、私たちの運命を変えたあとしばらくは連絡を取り合っていたんですが急に連絡が取れなくなっていて。」

「その辺も分かるから続けるわね。」

「あぁ、お願い。」

「運命を変えることに成功した如月賢一と良子は現世で結婚し、数年後にはあんたも生まれて幸せに生活していたの。そして幸せの絶頂だったあんたが五歳の時にそれは起こったの。」

 五歳という年齢を聞いて脈拍数が跳ね上がる。

「車で出かけた家族旅行先であなたたち一家は事故に遭っているわよね?」

「あぁ、家の車にトラックが突っ込んで来たと聞いているけど、、、それでうちの両親は亡くなったと。」

「実際はその時亡くなったのは如月賢一だけで、如月良子とあんたは生きていたの。ただあんたは意識不明の重体で頭には赤い炎が灯っていた、それを悟った如月良子はすぐさま御堂巌に連絡を取りあなたの命を救った。」

「え?でもその時既に死神の力はなかったんだろ?」

「ここから先は調べようがなかったから推測になっちゃうけど、彼女は恐らく自分の命と引き換えにあんたの命を救ったのよ。」

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