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死神:安藤かなえ

 安藤かなえはごく一般的な死神の家庭に生まれた。

 父は中級の死神で回収された霊魂の統計をする部門に勤めており仕事一筋で構ってもらった記憶があまりない、逆に母はそんな父と結婚してからは家庭に入り二人の娘を育てることに専念しており、母子三人で頻繁に出かけたりするくらい仲が良かった。

 死神の学校での成績は優秀で進級すれば中級、ひょっとするともっと上位の死神職に就けたかもしれないが仕事ばかりして家族に興味を示さない父の姿を見ていた彼女は下級の死神として現世で迷う霊魂を探す職に就くことを選択したのだった。

 普段何も言わない父もそんな時だけは猛反対をしてきたのだったが母が間に入ってくれて何とかその考えをを守り通すことが出来た。


 死神の学校を卒業し現世へと繰り出してからも優秀な成績を上げていった。その地域の死神を統括するような役職への打診が何度も来たが、その頃には死んでいく人たちの話に耳を傾け少しでも安らかに霊界へと旅立てるようにすることに生きがいを見出していたため断り続けていた。

 そんなこんなで下級死神として20年ほど活動していた頃、そんなかなえに結婚の話が持ち上がった。父の同期である中級の死神が自分の部下に将来有望な男がいるからどうかと勧めてきたのだという。父の面子もあるのであまり気乗りはしなかったが一度だけ会うことにしたのだが、実際に会ってみると仕事柄真面目過ぎるところもあるが誠実でとても好青年と言った感じであった。当然、それだけで結婚しましょうという話にはならずまた今度食事でもとお互いの連絡先を交換して解散した。

 しかし次の約束が果たされる前にかなえには別の運命の出会いが待っていた。


 その日もいつもの様に霊魂の心を満たし霊界へと一緒に戻ろうとした時に「あなたは、その人をどこに連れて行くんですか?」と後ろから声を掛けられた。

 自分から波長を合わせた訳ではないのでその男性はそのごく稀にいる見えてしまう人なんだろう、そう思い今見たことは誰にも言わずにさっさと忘れてとだけ告げてその場を去ったのだがそれ以降何度か霊魂を導く場で見かけるようになっていた。

 流石に何かあると思い、意を決してかなえの方からその男に接触することにした。

 男は雪村崇という名前で幼少期より何となくもうすぐ亡くなる人が分かってしまうという特技?を持ち合わせていると話始めた。その力で何とかその人たちを助けることは出来ないかといつも近づいてはみるものの未だに誰一人助けることが出来ないでいること、頭上の炎までは見えないとのことだったがその人の周りの空間が歪んで見えてなんとなくわかってしまうことなどいろいろな情報が聞き出せたところで、かなえは自分が死神であることを説明した。

 普通であれば信じないであろうその話を崇はあぁやっぱりそうなんだとあまりにもあっけなく受け入れた。

 ただし、人の運命が変えられないということだけは受け入れることが出来ないと言いその後もちょくちょくと顔を合わせることとなった。


 もう何度現場で顔を合わせただろう?お互いが気付けば一言二言の言葉を交わしそれが続くうちにいつの間にか親しい間柄となっていた。

 お互いを大切な存在であると認識し始めたそのタイミングで最悪の出来事が二人を襲った。崇の頭の炎が黄色へと変わったのであった。

 彼は元々病を抱えており、祖父もその病気で亡くしていると言う。それもあり自分が長く生きられないと悟っていて、他の人には長く生きていてもらいたいとの願いから何とか人助けをしたいと行動していたのだった。

 今までは運命だからと人の死を受け止めていたかなえも今回ばかりはそうすることが出来ず、過去に人の運命を変えることが出来た唯一の事例の関係者そしてかつて親友だった細小路良子に助けを求めた。

 その時如月良子と名前を変えていた旧友は死神であることを捨てる決意があるのであればと断った上でとある場所へ向かうことを指示して来た。

 迷うことなくその場に向かった二人はそこで御堂巌と出会いかなえの死神の力と引き換えに崇の運命を変えることに成功したのだった。

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