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紫音の姉

 これまた綺麗に整頓されたリビングに通され、何か飲まれますか?と聞かれたのでコーヒーをリクエストした。聡介が案内されるより先にリビングでくつろいでいた紫音は既に用意されていたお菓子を貪っていて、あんたもどう?と勧めてくる。

 こいつは一体、、、

 そんなやり取りをしているとキッチンからコーヒーカップをトレーに3つ乗せた紫音の姉が戻って来た。

「本当にすいません、わざわざお越し頂いて。改めまして紫音の姉の雪村かなえです。」

「あ、どうも如月聡介です。妹さんにはお世話に、、、、、なってますかね?」

「ちょっとぉ、何その言い方は?この間も、、、」

「あなたは黙ってなさい!」

「、、、、はい。」

 その一言で姉妹のパワーバランスを即座に理解出来た気がした。

「こんな子ですからいつもご迷惑お掛けしているんでしょう。」

 それはもちろんと答えたかったのだがこちらを見る紫音の視線が痛かったためそんなことはないと濁した回答に留めておいた聡介であった。

 雪村かなえは最近の気候の話やニュースの話題をいろいろと振ってくるが今回の訪問の核心には触れてこない、自分からは言い出しにくいのかもしれない。そんな時のために紫音がいるはずなのだが先ほど釘を刺されてからというもの無言でお菓子を食べ続けている。

 いつまでも世間話をしていても埒があかないと思い意を決して聡介が切り出す。

「それで、今回私へのお話というのは?」

「、、、そうですね、すいませんあまり長く拘束してしまってもいけませんし。」

 まぁ有休取ったので一日暇なんですけどね、、、

「何からお話しましょうか、、、、」

「えっと、まず私が気になってたことから良いですか?」

「ええ、もちろん。」

「かなえさんは紫音さんのお姉さんなんですよね?ということは死神なのですか?」

「はい、正確に言うと元死神ですね。今は人間です。」

「元?」

「お姉ちゃんは、義兄さんを助けるために死神であることを捨てて、、、そして一緒になったの。」

 流石に黙っていられなくなったのか紫音が参戦してくる。

「え?そんなことが可能なんですか?」

「はい、それが今回お聞きしたいことにも関わることなのですが、ある死神が協力してくれれば可能なんです。」

「ある死神?」

「あの男が言っていたでしょ、それが御堂巌なの。」

「????すいません、完全に頭がついて行っていないんですが、、、」

「そうですね、急にいろいろ言われても混乱するだけですよね。今から順を追って説明しますが、その前にコーヒーのお替りお持ちしますね。」

 そう言って雪村かなえは再びキッチンの方へと歩いて行った。


「どういうことだ?」

「順を追って説明するってお姉ちゃんが言っていたでしょ?」

 雪村かなえが席を離れてからそっと紫音に確認する。

「前にも言ったけど御堂巌って人知らないんだよ、そもそも死神の知り合いなんていないし。」

「私、死神よ。」

 そういう意味じゃない。

「あなたは知っているはずなの!お姉ちゃんに御堂巌を紹介したのは如月良子なんだから。」

「え?」

 既に面影すらおぼろげになっている母親の名前が紫音の口から出て来て驚く聡介に更に追い打ちを掛ける。

「そもそも、あんたは数回会ってるはずなのよ御堂巌に。」

、、、、えぇ~?

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