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難航する調査

「ヤシマヒロユキ、、、どう何か思い出しそう?」

「う~ん、、、分からない。」

「じゃあ、イデシンジは?」

「多分、、、違うと思う。」

 再び名も知れない霊魂の元を訪れた聡介は昨晩調べた事故関連の記事に載っていた名前やキーワードを順番に投げかけてみるが一向にヒットする気配がない。心なしか消えかかっている部分が増えている様にも思え、焦りだけが先行してしまう。

 やり残したことがある、、、というキーワードから事故や事件に絞って調査していたがそのカテゴリーを広げるか、現場の場所をここから20Km圏内としていたのを広げもう一度調べ直す必要がありそうだ。

「名前とかでなくても良いから何か覚えていることはないかな?本当に些細なことでも構わないから。」

「う、、、うぅうっ」

「いや、無視しなくて良いよ。何か参考になればと思っただけだから。」

「そうだ!そう言えば駅前のクレープ屋さんにあいつとよく行ったなぁ。」

「なるほど、じゃあそのクレープ屋さんの特徴とかは?」

「、、、、思い出せない、、、、」

「そっかまぁ、何とか調べてみるよ。」

「ゴメン、いろいろと面倒掛けちゃって。」

「気にしないで、これも何かの縁だから。今日はそろそろ帰るね、何か思い出したらさっきみたいなことでも良いんで教えて。

 それじゃあまた明日。」


 仕事帰りにそこに寄るようになって既に五日が経っていた。

 いくつかの駅でクレープ屋を訪ねそのメニューを撮影して帰り見せてはみるがあまり反応がない。調査する範囲も50Km圏内とし、行方不明者なんかも調べてはいるがそちらも期待が薄いように思える。

「今日も申し訳ないんだけど一件ずつ、、、、トクダヨウイチ。」

「違うと思う。」

「次はっと、、、ハマダヒデアキ。」

「ゴメン、それも違うと思う。」

「そうかぁ、中々見つからないもんだね、、、」

「、、、、もういいよ、これ以上おじさんに迷惑掛けられないし、やり残したことも何かモヤモヤしてる感じだし。

 死神にもう連れて行ってもらうよ。」

「そんなこと言わずに、、、まだ顔が見えているうちは、、、」

 実際には見えなくなっている部分は拡大し既に首から下は見えなくなってしまっている。どういう変化を遂げて紫音が言っていたような球体になるのかは想像もつかないが恐らくそうなるまでの時間はそんなに残されていないだろう。聡介も少しでも自我が残っている今の状態で霊界に連れて行ってもらうのも選択肢に入れた方が良いのかも知れないと思い始めていた。

 そこで一つの提案をする。

「明日!明日まで頑張って駄目そうなら死神に連絡するよ。だから、、、何でも良いから思い出せるだけ思い出して!

 俺ももう少し範囲を広げて調べてみる。」

「分かった、何とか思い出してみる。」

 

 暫くの時間霊魂に寄り添い様子を見ていたが新しい情報は出て来そうになかったし、その場でもスマホで調べているが流石に限界に来ている感がある。

 そんな停滞した時間を進める一言が霊魂から発せられた。

「ねぇ、おじさん。ちょっと気になっていたことがあるんだけど。」

「ん?なんだい?」

「この辺で亡くなったのって男の人ばっかりなの?」

「いや、そんなことないけど、なんで?」

「出てくるのが男の人の名前ばっかりだから、、、、」

「そりゃ君くらいの年代の男の子を検索しているからね。」

「え?そうなの??俺、女だぜ?」

「ふ~ん、、、、、、、、、女の子だったんだ、、、、え~~~~~~?」

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