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178. T をお迎え

はぁーーーーー。横になりたい……フッカフカのベッドにダイブして、思う存分寝て過ごしたい……


シードラゴンに運ばれる船の縁に掴まって、戌の領地にある港まで戻ってきた。人間ジェットコースターの次はセルフ安全装置の水上ジェットかよ……体力持たないよ……ってか、途中意識が無かったけどよく生きてたどり着いたわ……


竜王にお礼兼文句を言うが、ゲラゲラと楽しそうに俺を指差して笑ってから、帰る!! といい放ちさっさと巣に戻って行った。まぁ、詫びとしてこちらを助けてくれたのだから義理堅い奴等には違いない……


もう一度『はぁ』と無意識にため息を付くと、こんどはホルスとドラドが連れ立って俺のところに来る。情報収拾と人造魔王討伐に為に印持ちだけでも現場にさっさと送りたいらしい。


確かに、時間が経てばそれだけ被害はでかくなるだろう。と、元来の怠け者の性かあちこち動かなくても良いほうほうを思い付く。


「北で聞いたけど、国境近くに例の魔物が出てるって話だから、中央も正確な情報があるかどうか……ここであの鳥のメーッセージを印持ちに送れない?? 西から出たから通信の妨害も無いだろうし……」


「確かに!! では、早速!!」


魔法が得意なドラドが数羽の言俐(コトリ)を作り飛ばす。と、直ぐに返事が来た。


「北と中央の国境付近に大型が3体、小型が6体出現、北の国の騎士団、及び()()の私兵が交戦中。 イーボ」


「東の国境、王子率いる兵と(とら)のアモイ率いる私兵、()のフレミッシュ公率いる私兵で討伐に向かい、交戦中。中型が11体出現、7体討伐済 ホードル」


「南の国境に大型3体、中型が5体、小型2体。 鳳第一王女とその私兵、()より、ネスク様と私兵、(うま)よりベルージと、私、アハルテが参戦、討伐完了しております。」


「帝国内に数体魔物いる! 皇城近くの奴は大型と小型が数匹。で、私と月組の人達でなんとかしてるけど、他はわからない!! 早く戻って下さい!! リベル」


「うち((ひつじ))の領内に大型が1体、中型位のが3体、小型が数体!! 対処しきれない!! 応援頼む!! ディアン」


(タツ)の領地との境に中型が3体、大型2体出現、辰の私兵と、我ら(いぬ)の私兵で応戦中。 プルード」


(うし)の領地にも出たそうで応援依頼があるが、手が足りん!! 早急に戻って向かってくれ!! テル」


んん……? チョイチョイ知らない名前が出てきたが、みんな印持ちなんだよな??


「なあ、イーボとテルって誰?? それに大型とか小型って??」


「イーボ殿は亥族のご当主の弟君では無かったかと……? 北の城の騎士団長だったと記憶しております。テルは我ら一族の本家、現当主の兄で皇城で軍部の要職についております。魔物の型については共通の指標が有りまして。それを基準に特大、大型、中型、小型、と段階があります。」


ドラドが律儀に答えてくれた。聞いたことの無い名は親世代の印持ち達らしい。大きさの指標……ってあぁ、確か攻略本とかには分類を書くって言ってたな……あんまり覚えてないから後で詳しく聞いてみよう……


とりあえず、南は討伐完了の知らせが来てる……って、おぉ! サラッと攻略対象者の名前が出てるじゃないか!!


午のアハルテ。ってことは、ここでマリアは攻略対象者の名前を全員分知った事になる。俺とイチカちゃんに何か変化が!! ……無いな……ってマリアはフィルと話してる様でこちらの話を聞いてい無かったらしい。


マリアを呼んで、作戦会議をだしにさりげなくアハルテの名前を出す。………………うん。何も無し。やっぱり名前を知ったくらいじゃ何も起きないかぁー……ってそれより、討伐討伐……


まず、急ぎの丑領。印持ちが誰も居ないそうなのでホルスとハスキス、ファジールの3人とここにいる月組の半数を丑領に一番近い、マリアが行ったことのある街に置いてきてもらう。


次に、ドラドを皇城に送り、南をそのまま進軍させて辰と羊を助けに行くように手配、ドラドはそのままリベルの応援に行ってもらう。フィルとセスは北の地に飛んだ。そして、俺とノリアス、イチカちゃん、はそのまま騎士隊の怪我人と共に港に残る。


「私はどうしましょうか? 何処の応援に……」


マリアが一仕事終えて声をかけてくる。本来なら一体の魔王を倒せばRPGの方は終わりなのだが……『勇者』として何処の魔物を倒すのが正解なのかがわからない……


「たぶん、大型って呼ばれて「あなた方は我々と共に来ていただこう。」……うぉっ! ビックリしたー……って、ドゥクラン!!」


急に声をかけられ、マリアとノリアスが臨戦態勢に入る。


「神よ。先ほどは神とは存じず失礼致しました……我が主がヒルダ神様とお会いしたいと申しておりまして、お迎えにあがりました。それと……勇者マリア殿。お友だちがお待ちです。」


ドゥクランがマリアに手紙のような物を渡す。我が主?? え? お前が黒幕じゃないの?? それに、マリアのトモダチって……


「友だちって……」


「商人の娘、ローナと友だちだと聞きましたが……」


そうだよね? ローナだよね?? でも、ローナは魔王城で……


!! ローナが居るところが魔王城ってことは、ドゥクランの主がラスボス?? そいつ倒せばRPGの方は終わりか??


「OK! 行く行く!!」


「タイラさん!? 行くんですか?? 悪い人達の所ですよ??」


あ、そうか……イチカちゃんにはまだゲームだって事言ってないや……


「あー……っと、理由があって……。その、説明するから一緒に……」


「行くわけ無いでしょー!! タイラ、一人で行きなよ!!」


ノリアスにあっさり却下される。うーん、どうしたもんか……


「私は行きます!!」


マリアが勢い込んで言う。


「この手紙、間違いなくローナの字です。…… 」


「マリアちゃん!! 危ないよ! 未成年の女の子をそんな危険なところに一人で行かせる訳にはいかない!!」


「タイラ様がいらっしゃいます!」


イチカちゃんの『この人で大丈夫?』という心の声が聞こえる気がする……


「わかった私も行く。」


「おいおい、勝手に決めないでくれ。確かに女の天創人はめずらしいが、主の許可無く連れて行くわけ……お前、髪の色はどうした?」


そうか、ドゥクランは黒髪の時のイチカちゃんを知ってるのか……うーん、これから行くところがたぶんラスボスなんだろうけど、ここに置いていくのもなぁ……所在が分からないとカズヤさん心配しそうだし……


「イ、イチカちゃんを連れていかないなら俺も行かない!!」


やべぇ、駄々っ子みたいなこと言ってる……この年になってこんなこと言うの恥ずかしい……


「それに、イチカちゃんを連れていけば、自ずと魔王が着いてくる! お得だと思うぞ??」


テレビショッピングかっ! って内心セルフ突っ込みをしながら仮面を見つめる。ドゥクランの目はイチカちゃんと、イチカちゃんを守るように立つノリアスに向けられている。


「……あれが『魔王』………………良いだろう。ヒルダ神様、勇者マリア、それに魔王とイチカ、我が主のところに案内する。互いに手をとり目を閉じろ。」


一瞬だった。わいわいガヤガヤとしていた港街の喧騒が消えそっと目を開けると、ひんやりとした石造りの壁が四方を囲むどこかの通路に立っていた。


こちらです、と案内されるまま着いていった先には観音開きの豪華な扉。おぉ! ラスボスの部屋っぽい!! と思ったのは俺だけでは無いだろう。


読んで頂き、ありがとう御座いました。

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