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132. K 、嵐再び

(荻先生)が去った後、辰領を出て、丑の領地に向かう。参考程度にと攻略本を開き、丑の攻略対象者の情報を見る。


ホルス・ミル・スタイン、20歳。 紫の髪に少し浅黒い肌、ガッシリした体型の猫背。挿し絵では顔が描かれているが、普段はフードを目深に被り人に顔を見せない。と注釈が入っている。


仕事は騎士隊の隠密業を担当する雲組の、叢雲(むらくも)と呼ばれる隊を率いる隊長で、あらゆる機関に入り込み内情を探る。マリアとはスタイン公爵邸で息子の話を聞いた後、セクトリアにある教会での横領事件で遭遇するらしい。


丑領に入り、攻略本通りにスタイン邸を目指す。が、魔物と闘った後、鳥さんマークのメールが届いた。どうやら地底人(ノーム)の女王が見つかったらしい。ジーマを連れてホルスとの出会いの教会で待ち合わせと書かれている。


物語を進める上で、スタイン邸で話だけでも聞こうとするが、仲間のセス達との会話が始まり、何処にも寄らずにカナル団長達がいる寮迄戻る事になった。


いや、イチカは? 丑の領地をまだ探しきれてないけど!? 焦って操作するも、画面が一旦フェードアウトし、戻った時には辰領の東部団がある街の入り口に居た。


「ッんだよ……」


1人、画面に向かいぶつくさ言っていたら、ハルさんからここまでにしようと声がかかった。時計を見ればもうすぐ日が変わる。人の会社で駄々を捏ねるわけにもいかず、お疲れさまでしたとホテルに帰り、簡単にシャワーを浴びると目元を揉みながら横になる。


見つからない上に、思い通りにいかないゲーム。イライラは限界近いが、どうにもならないことも分かっている。転院してしまったのでイチカに会うこともままならない……


スマホに保存されたイチカの写真で自分を慰め、明日に備えて眠る。


◇◇◇◇


ホテルの部屋で仕事を片付け、ハルさん達の終業時間に合わせ事務所に向かう。


「おっ! お兄ちゃん!! 今日も精が出るね!」


事務所の手前で(荻先生)にあった!!


「なんだよ~、連れないなぁ……。そんな迷惑そうな顔しないで!! よし、いくぞ!!」


半ば強引に背中を押され、帰り支度中の受付嬢に挨拶をする。顔を覚えててくれたようで、昨日の! と言うと、今日も会議室まで案内してくれた。


中には既にハルさんが居て、ホルスに関する資料を出していてくれた。


「教会が待ち合わせって事だから、このままホルスのピックアップに入ると思う。ミニゲームは脳トレ系だから前のゲームよりは楽勝だと思うよ。」


確かに。資料には7×7マスに4色の玉がランダムに並んだ写真。この玉を2個以上くっつけて消していき、玉が全部消えたらクリアー。この手のゲームなら問題ない。


リズムゲームより、幾分気が楽になり、ゲームを始めようとすると、俺がやる!! と鼻息荒く先生が名乗りを上げた。まあ、教会に行くだけだし……とお任せすることにした。


すぐ後に、ボーナスゲームのシナリオライターさんに聞いてきた! とプロデューサーがノームに関する資料やボツネタをまとめた紙を持ってきてくれた。皆でその資料を覗き込むと、


「なぁ、なんか通信しま『ピッ』……あ、いいや。」


先生が何かを質問しようと、振り向いた時にボタンを押してしまったらしい。と、同時に主人公(マリア)が寝る時の曲がかかる……


「いやー、通信しますか? って出たからどうするのか聞こうと思ったら、いいえって押しちゃったみたい! ごめーんね!」


おい、オッサン……テヘペロじゃねぇぞ? それが許されるのは10台前半の子供までだ。オッサンがやったところで、怒りに燃料投下してるようなもんだ……。まあ、やっちまったものは仕方がない。やり直しがいかないので気をつけて! と注意をし、ゲームを続けて貰う。


◇◇◇◇


黙々とゲームを続ける先生。どうやら武器なんかを持たせ替えて居るらしい。基本、魔法一発で片がついてしまうので、武器や防具は持ってはいるが、初期装備に近い。補正数値より、見た目が気に入ったというモノに着替えさせ、教会へ向かう。


到着すると、入り口を封鎖されて中に入れない。と先生が言う。


「裏に回って井戸から……」


プロデューサーが言い掛けたとき、何故か色の違う服を着たモブキャラが出てきて扉を開けてくれた。ここは裏の井戸から繋がる秘密の通路を通る予定では? と攻略本を確認するも、このゲームに関してはあまり役に立たないようだ。


中に入ると、ムービーが流れ始める。


「お! 始まった!!」


ホルスとの出会いのムービーなのかと思いきや、ハルさんとプロデューサーの『え!?』の声からすると違うのだろう。


両サイドに開く扉、中は光輝く様を表しているのか、真っ白だ。マリアが奥に進むにつれ、内部が鮮明になってゆく。


奥に大きなステンドグラス。それを背にし、ゲームの世界を表すボール状の星を慈しむように支える双子神の像。その像を見上げるように、ローブを着てフードをかぶった人が佇んでいる。


その人物がマリアに気付き、ゆっくりとフードを外しながら振り返る。


「マリア! 会いたかった!!」


テロップにそう表示され、両手を広げながら近づいて来る。


「「平良!」」

「岡本さん?」


えッ? えッ? と画面と我々を交互にみた先生が、


「ここに居るのはホルスってキャラクターじゃないの??」


と、すっとんきょうな声を上げる。画面上には、セスとファジールの背中が映り、岡本さんが必死に弁明しているテロップがつらつらと流れていく。不審者と思われたようだ。


「あの! ……まさか……!!」


ここでムービーが終わってしまった。と、ここからはテロップのやり取りが始まる。どうやらマリアは岡本さんの正体を確認したいようだが、セスとファジールの手前、岡本さんはマリアを止めているようだ。


その後、岡本さんがフィル達が待っているからと奥の部屋に促す。これは奥の扉へ向かえと言うことだろうか? 先生に言ってマリアを操作して貰う。


自動での会話が終わり、先生が操作する通りに扉に向かう瞬間。『後できます。』と岡本さんの呟きがテロップに表示された。


読んで頂き、ありがとうございました

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