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幕間
かなでと名乗った少女は、どうやら一緒にこの国に来た人たちとはぐれて迷子になったらしい。
「ねえねえ。君の名前はなんていうの? 教えてくれると私は嬉しいな」
「ねーよ」
少年はぶっきらぼうに答える。そう、少年には名前がないのだ。親の顔も知らない。物心ついたころからこのスラム街に住んでいた。
「えー。なんで教えてくれないの?」
かなでは口をとがらせる。どうやら彼女は少年の言葉の意味を誤解しているようだった。
「教えないんじゃなくて無いんだよ。オレに名前は」
「なんで名前がないの?」
そんなのおかしいよ、とかなでは首をかしげる。
「知らんよ。無いものは無いし、おかしいとかおかしくないとかそんな話じゃない」
少年がそういうと、かなでは変なのー、と呟く。
「じゃあさ。名前がないのなら、ナナシくんって呼んでいい?」
「何でもいい」
「うんっ。じゃあナナシくんできまりっ!」
少女は満足そうに笑みを浮かべた。
今回は二連続投稿です




