↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/40

第4章 最初の突入

アレクセイ・セロフはテレビ画面から目を離さなかった。


朝からずっと中継は続いていた。


今、ライブ映像には軍事特派員が映っていた。北方大国の歴史上初めて、特殊部隊と共に緑のポータルへ突入する様子だ。


カメラは封鎖された通りを映している。


緑の門は兵士たちの目の前に立っていた。


隊長が短く命令を出す。


そして部隊は中へ入った。


一秒。


そして映像が変わった。


通信は即座に途切れた。


画面にはノイズが走る。


特派員の声は消えた。


スタジオに沈黙が落ちる。


「……信号ロストだ」


司会者が静かに言った。


三十分も経たないうちに、それは起こった。


ポータルが消えた。


まるで最初から存在していなかったかのように。


そして数秒後、同じ場所から部隊が出てきた。


生存。


全員無事。


カメラ付きで。


スタジオの記者たちは一斉に質問を浴びせたが、現場の兵士たちはそれを制御できないほど囲まれていた。


「中で何があった!?」

「何を見た!?」

「死傷者は!?」


軍事特派員は手を上げ、静止を求めた。


そして語り始めた。


アレクセイは瞬きをせずテレビを見続けていた。


映像は彼らのカメラ記録へ切り替わる。


最初──突入。


急激な転換。


そして静寂。


そこにあったのは、機械でも都市でもなかった。


地下迷宮だった。


広い石造りの通路。湿った壁。薄暗い光。まるで空間そのものが湿気を帯びて呼吸しているようだった。


「これは……洞窟か?」兵士の声。


「前進」隊長が短く命じる。


部隊は進む。


そしてすぐに最初の敵が現れた。


暗闇の中から姿を現したのは──


低い。


緑色。


人型だが歪んだ存在。


ゴブリン。


身長は1メートルほど。錆びた粗末な剣と原始的な武器を持っている。


「接触!」通信に鋭い声が響く。


戦闘が始まった。


短い一斉射撃。


最初の群れはそのまま消し飛んだ。


複雑な戦術はない。


抵抗もない。


まるで現代兵器との衝突に耐えられない存在のように。


部隊は前進を続ける。


速く。


機械的に。


数秒ごとに敵の群れが銃火の中で崩れ落ちる。


長期戦はない。


ただ進行と排除だけがあった。


数分後、彼らは大きな空間へ出た。


ダンジョンの中心。


ボス部屋。


そこには一体の存在がいた。


他より大きく。


より強い。


だがそれでも武装した部隊には及ばない。


戦闘は短かった。


あまりにも短すぎた。


銃火、命令、閃光──そして敵は崩れ落ちた。


静寂。


部隊は装備を設置し、センサーでデータを記録していく。


その時、誰も予想していなかったことが起きた。


ボスの体から、何かが落ちた。


球体。


緑色。


ポータルと同じ色。


兵士がそれを拾う。


その瞬間、すべてが変わった。


ダンジョンが消え始めた。


壁が崩れるのではない。空間そのものが“解除”されていくように溶けていく。


一瞬後、部隊は再び街路に立っていた。


突入したその場所だ。


ポータルは消えていた。


カメラは揺れている。


周囲の人々が叫ぶ。


記者たちが兵士に駆け寄る。


しかし画面にはすでに決定的な映像が映っていた。


軍人の手の中の緑のコア。


アレクセイはスマートフォンを手に取った。


素早く文字を打つ。


アレクセイ:

「見たか?」


ドミトリーからの返信はすぐに来た。


ドミトリー:

「ああ」


少し間。


そして続けて。


「これ、ゲームみたいだな」


「ダンジョン」

「敵はダメージで消える」

「ボスから緑の球が落ちた」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。