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第32章 トカゲたちへの再挑戦

一行は再び、あの建設現場に集まった。


コンクリートと鉄骨の間に腰を下ろし、先ほどの戦闘について話し合う。


今日は成果のある一日だった。


ランク3のポータルで、経験だけでなく報酬もしっかり得られた。


「なあ……」と、マクシムがふと思い出したように言う。

「ここにもポータルがあったよな。」


全員が黙る。


視線が交わる。


――あのポータル。


ドミトリーがゆっくりとうなずく。


「そうだな……」


建設現場にあるポータル。


彼らがあえて放置していた場所。


そして、その中にいるのは――


「トカゲどもだ。」ダニルが低く言った。


場が静まり返る。


あの戦いは忘れられない。


厳しく、危険で、ほとんど限界に近かった。


ニキータが眉をひそめる。


「明らかにランク3より上だ。」


マクシムもうなずく。


「だが、その分コアも別格だ。」


アレクセイは遠くのポータルを見つめた。


恐怖はある。


だが今は――


装備も違う。


経験も積んだ。


「行くぞ。」ドミトリーが決断する。


彼らはポータルへ足を踏み入れた。


入った瞬間、すぐに違いを感じる。


同じトカゲたち。


素早く、


連携が取れていて、


魔法も使う。


だが――戦い方は変わっていた。


最初は1対1、あるいは2対1の小競り合い。


対応できる。


「前よりはやれるな。」マクシムが攻撃を受け流しながら言う。


だが次の瞬間。


複数のトカゲが一斉に現れた。


一気に戦闘が激しくなる。


全員がそれぞれの敵に対応する形になった。


アレクセイは2体を相手にする。


動きは連動している。


まず炎を放つ。


しかし――


相手の障壁に弾かれる。


すぐに反撃が来る。


その瞬間、アレクセイは風を放った。


衝撃で敵が吹き飛ぶ。


今度は防がれなかった。


彼は一瞬止まり、理解する。


「……全部を防げるわけじゃないのか。」


その間に、ドミトリーが倒れたトカゲの1体にとどめを刺す。


だがもう1体には手が回らない。


別の敵に阻まれていた。


アレクセイは自由になり、思考を加速させる。


(炎は通らない……)

(風は通る……)


「なら……もっと強く。」と小さくつぶやく。


彼は手を上げた。


どうやったのか、自分でも分からない。


空気が圧縮される。


形を持つ。


――槍。


風でできた槍。


それを投げる。


トカゲは吹き飛ばされ、防御は崩れた。


深く傷つく。


アレクセイは目を見開く。


「通る……!」


そして確信を込めて言う。


「防御を抜ける。」


戦いは終盤へ向かう。


徐々に流れは彼らの側へ傾いていった。


トカゲたちは次々と倒れていく。


連携で残りも仕留める。


さらに奥へ進む。


最初の戦闘を越えたことで、対処のコツはつかめていた。


だが誰も気を抜かない。


次の広間に入ると――


すでに待ち構えられていた。


複数のトカゲ。


そして、その奥に1体。


動かず、後方に立っている。


「……術者か。」アレクセイが小さく言う。


戦闘は即座に始まった。


前衛のトカゲが突撃してくる。


後方の魔法使いは距離を保つ。


そして次の瞬間――


魔法が放たれた。


火の塊。


速く、


密度が高い。


「散開!」ドミトリーが叫ぶ。


全員が回避に動く。


現時点ではそれしかない。


アレクセイはすぐに反応した。


風の槍を形成し、術者へ投げる。


命中。


相手がよろめく。


ダメージは通った。


だがその直後――


標的が切り替わる。


アレクセイへ。


次の攻撃が一直線に飛んでくる。


火球。


彼は氷の壁を展開した。


防げた。


一瞬、思考が止まる。


そして――思い出す。


あの歪み。


まだ正体を完全に理解していない“領域”。


次の火球が放たれる。


見えない防壁がそれを受け止めた。


アレクセイは息をのむ。


「……効く。」


だが完全ではない。


すべてを防げるわけではない。


それでも――炎に対しては有効だった。


術者もそれを察した。


攻撃対象を他のメンバーへ切り替える。


「俺には通らない……!」アレクセイは即座に理解する。


前線ではトカゲが次々と倒れていく。


だが術者の圧力は続く。


魔法が防具に直撃する。


完全には防げない。


「痛ってぇ!」ダニルが悪態をつく。


「耐えろ!」ドミトリーが叫ぶ。


アレクセイは状況を見極める。


「マクシム、来い!」


マクシムはすぐに意図を理解した。


アレクセイは“領域”を展開し、前へ出る。


魔法が彼に当たる。


そして消える。


その後ろをマクシムが進む。


一歩ずつ距離を詰める。


術者は焦り始めた。


だが、もう遅い。


「今だ!」アレクセイが叫ぶ。


風の衝撃。


術者が体勢を崩す。


その瞬間、マクシムが突き込む。


敵は倒れた。


戦闘終了。


全員がその場で息を整える。


その先には――扉。


例の扉。


ボスの間へ続く。


誰もがそれを見つめる。


沈黙が続く。


やがて、ダニルが口を開いた。


「……やめとこう。」


大きく息を吐き、首を振る。


「今のでギリギリだ。」


「これ以上は無理だろ。」


ニキータもうなずく。


「同感だ。」


マクシムは扉を見てから仲間を見る。


ドミトリーは少し黙り、


そして短く言った。


「撤退する。」

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