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第30章 最初の盾

アレクセイは、また一日ダンジョンで戦った後、家に戻ると静かな部屋に倒れ込んだ。


その頃、仲間たちは手に入れたコアを使って積極的に作業を進めていた。


武器の強化。


新しい構造の試作。


防具の改良。


日を追うごとに、彼らの装備はより強力で、より完成度の高いものになっていた。


しかしアレクセイだけは、その流れから取り残されていた。


彼が扱える属性は、まだ2つだけ。


炎と水。


そして――それだけでは、もう足りなくなり始めていた。


彼は部屋で考える。


「みんなは武器で強くなっている……」


「じゃあ、俺は?」


彼はヤシガニ型の爬虫類モンスターとの戦いを思い出した。


あの防御。


魔法を防いだ、奇妙な魔法障壁。


「俺にも……ああいうものが必要だ。」


彼は小さくつぶやいた。


翌日。


仲間たちは鍛冶場に集まっていた。


マクシムの父親とマクシム自身が、金属とコアを使って作業をしている。


飛び散る火花。


赤く熱された金属。


新しい素材。


すべてが新しいレベルの武器へ変わっていく。


だがアレクセイは、昔の拠点――放棄された建設現場へ向かった。


誰にも邪魔されない静かな場所。


そして、実験を始める。


まずは炎。


炎を「盾」の形に集めようとする。


しかし結果は――


防御ではなく、ただの熱波だった。


不安定で、


自分自身にも危険なほどだった。


次に――氷。


美しい。


硬い。


しかし、あまりにも脆い。


少しの衝撃で亀裂が入り、すぐに崩れる。


「違う……」


彼は息を吐いた。


考え方を変える。


「盾を作る」のではない。


「自分の前の空間を変える」。


アレクセイは何度も試した。


魔力を外へ放出するのではなく、


自分と外界の間に留める瞬間を探す。


そして――


気づいた。


わずかな歪み。


目の前の光が少しだけ「曲がる」。


まるで空気そのものが濃くなったようだった。


アレクセイはゆっくり手を伸ばす。


何も感じない。


抵抗はない。


彼は炎の魔法を放った。


しかし――


炎はそのまま通り抜けた。


次に石を拾い、上へ投げる。


石は落ちてきて、


彼の周囲にあるその障壁に触れても速度を落とさなかった。


「これは……防御じゃない。」


アレクセイは理解した。


だが、まだ戦闘で何を意味するのかは分からない。


そこで、彼は別の方向へ切り替える。


もし防御ができないなら――


攻撃の制御を高める。


彼は風の魔法を練習し始めた。


空気の流れが鋭くなる。


密度が増す。


力が強くなる。


そして数時間後。


初めて安定した風の嵐を放つことに成功した。


前方へ向ける。


すると――


風圧が石を吹き飛ばした。


まるで物理的な打撃を受けたかのように。


アレクセイはその場で動きを止めた。


「これは……もうただの魔法じゃない。」


静かにつぶやく。


疲労を感じながらも、


不思議な満足感があった。


まだ、この力の正体は分からない。


だが一つだけ確かなことがある。


彼は今――


自分だけの戦闘システムへ向かう、


最初の一歩を踏み出した。

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