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第27章

夜、ポータル攻略を終えたあと――ドミトリーとアレクセイは並んで座っていた。


しばらくして、アレクセイがふと口を開く。


何かを思い出したように。


「アリーナ・ヴォルコワ……」彼はゆっくり言った。「お前と仲直りさせてほしいって言ってたよな。」


ドミトリーは顔を上げる。


「そうだっけ?もう忘れてた。」


アレクセイは少しだけ笑ったが、そこに明るさはなかった。


「あの時はポータルのことで揉めたけど……今となっては、そこまで大した問題にも思えないな。」


一瞬考えてから続ける。


「謝ってもいいんじゃないか。あいつなりに止めようとしてたんだし。」


ドミトリーはうなずいた。


「そうだな。当時は見方が違ってた。」


彼はスマホを取り出し、アリーナにメッセージを送る。


会って話そう、と。


彼女はその日のうちに来た。


いつもの場所の入口で落ち合う。


ドミトリーが先に歩み寄った。


「来てくれてありがとう。」


アリーナは彼をじっと見つめる。


笑みはない。


「あなたから連絡が来るなんてね。何か変わったんでしょ。」


彼はうなずく。


「謝りたかった。あの時は言い方がきつかった。」


「ポータルが危険だっていうのは――正しかった。」


アリーナは一瞬だけ視線を逸らした。


「私もきつかった。」小さく言う。「あなたたちにとって大事なことだって、ちゃんと考えてなかった。」


沈黙が落ちる。


ドミトリーは傭兵の身分証を取り出した。


「今は自分でポータルを選んで入れる。」


落ち着いた声だった。


アリーナはそれを見て、少し表情を曇らせる。


「それは……私が望んだことじゃない。」


「本当は、関わってほしくなかった。」


ドミトリーは静かに彼女を見る。


「もう世界は変わってる、アリーナ。」


「止められるものじゃない。」


彼女は手の中のスマホを強く握った。


「危険なのは分かってるでしょ?」


「分かってる。」彼はすぐに答えた。


間が空く。


そして、少し声を落として言う。


「でも今は……これしか意味があると思えない。」


「成長すること。戦うこと。経験を積むこと。」


アリーナは彼を見つめる。


その言葉が冷静な判断なのか、それともどこかで無理をしているのか――見極めようとするように。


やがて口を開いた。


「無茶だけはしないで。」


「いい?」


ドミトリーはわずかに笑う。


「気をつける。」


彼女は背を向ける。


だが去る前に、振り返らずに言った。


「本当に気をつけて。」


そして――そのまま立ち去った。

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