第25章 分岐
傭兵システムは――本格的に機能し始めていた。
最初のポータル閉鎖を成功させた後、彼らはこの流れを確かなものにしようと決めた。
四人は正式登録へ向かった。
手続きの建物も、もう初めての場所ではない。
流れは分かっている。
列。
審査。
テスト。
ドミトリーはすぐに合格。
マクシムも続く。
ダニルも問題なく通過した。
彼らにはライセンスが発行された。
ポータルでの活動許可。
そして武器の携帯許可。
これで――正式な傭兵だ。
だがアレクセイは違った。
彼だけが――不合格だった。
理由は単純。
基準を満たしていなかった。
「戦闘スキルは?」
「基礎レベルです。」
「筋力は?」
「平均程度です。」
「専門分野は?」
沈黙。
「……ありません。」
それで十分だった。
外に出てから、仲間たちは彼のそばに立った。
「まあ……」ダニルが頭をかきながら言う。「気にすんな。」
「タイプが違うだけだ。」
マクシムもうなずく。
「お前は魔法がある。」
「それだけでレアだ。」
アレクセイは眉をひそめた。
「でも、見せられない。」
「不自然すぎる。」
ドミトリーは肩をすくめる。
「俺たちだって普通じゃない。」
「それぞれやり方がある。」
アレクセイは彼らを見た。
「でもネットには……魔法の話なんて一つもない。」
スマホを開く。
フォーラム。
ニュース。
議論。
どこも同じ内容だった。
「異質な戦闘技術」
「異常なダメージ」
「強化された身体能力」
だが――魔法という言葉は出てこない。
アレクセイは考え込む。
自分の炎。
氷。
それは“強化”ではない。
まったく別のものだ。
「……ってことは、俺だけなのか?」彼は問いかけた。
誰もすぐには答えなかった。
その沈黙が――すべてを物語っていた。
やがてドミトリーが口を開く。
「とりあえず、むやみに見せるな。」
「あとで考えよう。」
アレクセイはうなずいた。
だが――胸の奥は、少し重くなっていた。




