第22章 システムへの第一歩
仲間たちは、もう一度あの爬虫類のいるポータルに入る気にはなれなかった。
危険すぎる。
あまりにも――死に近い。
そのとき、ニキータが言った。
「俺が行く。傭兵登録をしてくる。」
全員が顔を見合わせた。
「一人でか?」ダニルが確認する。
「とりあえず試してみる。政府の窓口に登録するだけだ。」
少しの沈黙のあと、ドミトリーがうなずいた。
「わかった。状況は共有してくれ。」
ニキータは一人で向かった。
建物は――意外なほど普通だった。
列は長い。
人も様々。
軍人のような雰囲気の男たち。
元民間軍事会社の人間。
従軍経験者。
屈強で、無口。
そして――一般人もいた。
だが数は少ない。
やがて順番が来る。
「名前は?」
「ニキータ・フョードロフ。」
「年齢は?」
「20歳です。」
職員が顔を上げた。
「戦闘経験は?」
ニキータは落ち着いて答える。
「フェンシング。」
「演武戦闘。」
「剣です。」
間。
「なるほど。」
「ではテストを行います。」
試験場。
まずは筋力。
バーベル。
150キロ。
ニキータは持ち上げた。
きつかったが――上げた。
インストラクターが眉を上げる。
「もう一度。」
次は投擲。
一投目――良い。
二投目――さらに遠く。
三投目――ほぼ倍の距離。
その後も――
持久力。
スピード。
反応速度。
どの数値も――
平均以上。
突出してはいないが、明らかに普通ではない。
やがて――
「合格です。」
傭兵待機室。
一人の男がニヤリと笑った。
「装備は持ってるのか?」
「こちらで支給も可能です」スタッフが答える。「ただし報酬から差し引かれます。」
「必要ありません」ニキータは静かに言った。
「自前があります。」
説明会。
広いホール。
スクリーンが点灯する。
「専用アプリが配布されます。」
「ポータルの位置。」
「マーキング。」
「危険度レベル。」
全員が真剣に聞いている。
「現地に到着後――」
「監視員と合流。」
「侵入許可を取得。」
「ポータルを閉鎖。」
「すべてシステムに記録されます。」
一人が手を挙げた。
「危険度はどう判断するんですか?」
間。
「ポータルはすべて異なります。」
「ですが――色による分類があります。」
緑。
黄緑。
誰かが小さく笑った。
「つまり……色で?」
「はい」インストラクターは落ち着いて答えた。
「実際に機能しています。」
そして一言付け加えた。
「安心してください――」
「あなた方を無謀に死地へ送ることはありません。」




