第21章 新たなルール
ドミトリーは家で座っていた。
チャンネルを次々と切り替える。
ニュースで手が止まった。
「……政府からの重要な発表です……」
彼はすぐに音量を上げた。
「……ポータルの増加に伴い、特別な傭兵部隊を設立することが決定されました……」
ドミトリーは姿勢を正した。
「……ポータルに入り、閉鎖できる能力を持つ者は、正式に登録し、報酬を受け取ることが可能となります……」
「は……?」
画面から目が離せない。
「……募集は近日中に開始されます……」
ドミトリーはすぐにスマホを手に取った。
グループチャット
「ニュース見たか?!」
マクシムがほぼ即座に返信する。
「見た。」
ダニル:
「今から見る。」
「ネットにも出てるはず。」
ニキータ:
「何があった?」
ドミトリーはすぐに打ち込んだ。
「政府が傭兵部隊を作る。」
「ポータルを閉じる人間を。」
「報酬ありで。」
間。
「マジか?」ダニルが書く。
「本当だ。」
ニキータが少し考えてから:
「そもそも、なんでポータルを閉じる必要があるんだ?」
アレクセイが答えた。
「ポータルは自然には消えない。」
「モンスターは外に出てこないけど……」
続ける。
「街の中に出現する。」
「道路にも。」
「建物の中にも。」
「学校にだって。」
間。
「封鎖される。」
「邪魔になる。」
「一般人には危険だ。」
「なるほどな」マクシムが返す。
ドミトリーが続けた。
「で、正式に人を中に入れるってわけだ。」
ダニルが軽く笑う。
「ってことは、ヤバいのに当たったんだろうな。」
少しの間。
「この前のトカゲみたいな?」と書く。
「まだ腕が痛いんだが。」
「毒とかじゃないよな……」
誰もすぐには答えなかった。
ドミトリーは考え込む。
そして打った。
「もしさ……」
間。
「これ、俺たちみたいなの探してるんじゃないか?」
チャットが静まる。
「どういう意味だ?」マクシム。
「もうポータルに入ってる連中。」
「登録させて。」
「管理する。」
「コントロールか」ニキータが短く返した。
沈黙。
全員が同じことを考えていた。
リスク。
報酬。
管理。
そして――可能性。
やがてニキータが書き込む。
「……やってみるか?」
間。
「俺が行く。」
「登録してくる。」
そのメッセージがチャットに残る。
それはもう――
次の段階への一歩だった。
まったく新しい“ゲーム”の始まりだった。




